ビットコインは発行上限が決まっている
ゴールド(金)やプラチナは発掘される総量が少ないから価値があります。
ビットコインも発行上限が決まっています。
2,100万BTCで、ストップします。
1BTC=約82万円(2018.06.05)です。
総量が決まっている金と同じように、価値があるわけです。
円などの法定通貨は、発行上限がありません。ですので、理論上はいくらでも作れてしまいます。しかし、それでは、インフレを起こす可能性があります。政府や中央銀行の胸三寸といったところでしょうか。
その点、ビットコインは、中央銀行などの金融政策に左右されないエコシステムの構築が可能です。
その代わり、法定通貨との交換価値が乱高下しますので、注意は必要です。
この乱高下で億万長者が生まれたわけです。乱高のほうですけれど。
仮想通貨と電子マネーの違いは?
お金を持っていなくても、SuicaやEdy、nanacoなどの電子マネーを持っていると、支払いに使えて便利ですね。
仮想通貨も電子マネーも、現物ではなく、電気信号っぽいところが、なんとなく似てますよね。
でも、全然ちがうのです。
電子マネーは円をチャージしたもので、あくまで、円の代替え品です。それぞれの発行主体が、円の形を変えて、使いやすくしているだけです。
ビットコインは、円ではなく、仮想通貨そのものです。
電子マネーの場合は、個人どうしでは、お金のやりとりができません。仮想通貨は、支払いもできますし、個人間で、やりとりも可能です。
金融機関を通さずに、自分のウォレット(財布のアプリ)から、相手のウォレットへ送金できます。送金は、365日、24時間いつでも可能です。数十分で完了します。
このように、仮想通貨と電子マネーはまったく別物なのです。
ビットコインがこんなに広まったのはどうしてでしょう?
信用も、その裏付けもないビットコインには、もともと価値はありませんでした。
ビットコインのネットワークが2009年1月に稼働すると、ごく一部の人たちの間で、広まっていきました。その後、海外の有名企業がビットコインの価値を見いだし、徐々に信用を高めていきました。
やがて、中国の裕福層を中心に、ビットコインが買われていきます。中華人民元に不安を持っている裕福層が、資産の逃避先として大量に購入したのです。
2017年12月には、1BTC250万円まで、価値が上がりました。
その後、中国当局が資本の流出を防ごうと、ビットコイン取引所の監視を強化し始めたので、取引高は激減し、今は中国国内でのブームは小さくなっています。
仮想通貨の価値が上がったのは中国のおかげなのです。
ビットコインの最大のメリットは、ダイレクト送金です
人口が世界第2位のインドでは、他国に出稼ぎをしている人が多くいます。もちろん、インドに限ったことではありません。彼らは稼いだお金を家族に送金します。その総額が年8兆円ともいわれています。
しかし、銀行経由ですと、送金に多額の手数料が取られます。非効率ですが、しかたがありません。
この問題を解決するのが、ビットコインです。
ビットコインのメリットは海外送金です。十数円といった、少額の手数料で送ることができます。それもリアルタイムで。
もちろん、ビットコインには、為替レートの問題や為替手数料が存在しません。
寄付を送るのにも適しています。団体や仲介者を通さずに、本当に寄付を必要としている人に、直接お金を届けることができます。
災害が起こった場合、被災者がFacebookやTwitterなのどSNSなどに、自分のアドレスのQRコードをアップし、それを見た支援者が、仲介者なしに、リアルタイムに寄付することも可能です。
ダイレクトでリアルタイム、かつ、低コストで、どこにでも送金できることこそ、ビットコインの最大のメリットといえるでしょう。
ブロックチェーンを使えば、金融コストを劇的に削減できる
ブロックチェーンにより、フィンテックが劇的に展開するといわれています。
クレジット決済を利用している小売店では、およそ2~8%の手数料をクレジットカード会社に支払っています。ビットコインでの決済を導入することで、手数料を大幅に削減できそうです。
クレジットカードの場合、小売店に売上が入金されるまで、約1ヶ月かかります。ビットコインであれば、当日中に売上が入金され、速やかに運転資金が確保できます。小売店にとって、こんなにうれしいことはありません。
証券業界にも劇的な変化が起こりうる
株券が電子化されたのが2009年6月です。株券を家で保管したり、運搬したりするデメリットは、紛失や盗難、偽造株券など、他にもいろいろあります。これを解消したのが、株券電子化です。
そして今、ブロックチェーンを使ったフィンテックに、熱い視線を送っているのが、証券業界です。
具体的には、ブロックチェーン上のトークン(コイン)という形で配布し、契約の自動化を指すスマートコントラクト(契約の自動化)というものと、結びつけると、株式配当金の支払いを自動で行い、自動的に投資家のウォレットに入金できます。また、IPO(新規公開株)や株式の分割の手続きなども、自動で行えます。
証券会社側の大幅なコスト削減、投資家の利便性の向上と、双方にとってメリットが生まれます。また、手数料の引き下げも行われる可能性もあります。私も大歓迎です。
先物取引やオプション取引といった、金融商品のデリバティブ取引特有の、複雑な業務が円滑になり、コスト削減が期待できます。
究極は、銀行がなくなる?
ブロックチェーン技術は、銀行にとっては驚異にもなり、救世主にもなり得るのではないでしょうか。
70億人以上ともいわれる、世界人口の、およそ3分の1の人たちは、銀行口座を持てない人たちだといわれています。当然、彼らは、銀行への貯金や送金ができまません。ビットコインは彼らの救世主になり得る可能性を秘めています。
要するに、銀行口座がなくても、価値の貯蔵もダイレクト送金も行えますので、銀行が必要なくなるのです。
銀行にとっては驚異ですが、銀行側も黙ってはいません。銀行側もブロックチェーンに着目し、生き残りを賭けているのです。
みずほ銀行は、富士通や富士通研究とともに、証券クロスボーダー取引(国境を越えて行われる取引)に、ブロックチェーン技術を取り入れることで、決済時間を短縮する実験を行っています。
アメリカのフィンテックを扱うベンチャー企業や日本のメガバンク、SBIホールディングス、野村證券、トヨタファイナンスなども参入しています。
ピンチをチャンスに変えるがごとく、銀行や証券会社が日夜研究に励んでいるのです。
これらはあくまで一例ですが、このようなビットコインの恩恵を受けられるのは、そう遠くない、近い将来のような気がします。
ブロックチェーン技術は金融以外でも使われている
ブロックチェーンは金融以外からも注目を集めているのです。
たとえば、ダイヤモンドの闇取引の対策です。
ハイパーレッジャー・プロジェクト(ブロックチェーン技術を推進するコミュニティ)のブロックチェーン技術を用いて、ダイヤモンドの流れを、鉱山から消費者まで追跡して、取引履歴や認定書などに役立てます。いわゆるトレーサビリティの向上を図れます。
loT分野(インターネット上でいろいろな機器を接続する)への応用も試みられています。たとえば、ブロックチェーン技術が、家庭にある冷蔵庫の中身を認識して、食材がなくなれば、冷蔵庫が自動的にスーパーなどに注文を出す、といったことが、日常的に可能になる日もくるかもしれません。
とはいえ、
Amazon Echoが、アメリカの夫婦のプライベートな会話を、勝手に録音し、知人にその内容を勝手に転送したニュースはゾッとしますね。
このようなことのないよう、しっかりと研究を重ねて欲しいものです。←他力本願。
ビットコインは、中央銀行への否定的主義から誕生した
日本にいると感じないかもしれませんが、世界には、自国の通貨が弱い国が多くあります。とてつもない、インフレに見舞われることさえあります。
経済大国の中国でさえ、中国人民元を自国の人たちが、絶対的に信頼しているとはいえません。中国の資本流出は深刻です。これらを、ブロックチェーンのビットコインが、ひっくり返す可能性さえあるのです。
また、ブロックチェーン技術を応用したスマートコントラクト(契約の自動化)が、組織のあり方を一変させてしまうかもしれません。
仮想通貨を受取る際のプログラムで、より複雑な条件をつけることも可能ですので、人がいなくても、プログラムに則って、いろいろな契約を自動的に執行することが可能になります。
移転のみにとどまらず、会社組織の運営にも応用が広がっていきます。実際にそのような動きもあります。
将来的には、人がルールやプロトコルのエージェント(代理人)として、働く時代が来るかもしれませんね。
土地登記や電子カルテ、オークション、デジタルコンテンツ、チケットサービス、小売り、エネルギーサービス、流通管理など、さまざまな分野でブロックチェーン技術が注目されているのです。