赤ちゃん、子どもの病気と薬Q&A – 下痢、熱、おしっこ、皮膚
口食べ物が原因で下病をしたときはどうしたらいい?
食物アレルギーや細菌性胃腸炎などが考えられます。
細菌性胃腸炎とは、いわゆる食中毒のことです。治療は抗生物質の服用となり、症状によっては入院になる場合もあります。
食中毒の場合は、ケアよりも予防が第一ですので、食品は必ず加熱してください。手洗いや調理器具などを清潔に保つことが大切です。
また、卵、牛乳、小麦などの食物アレルギーで下剤を起こすこともあります。赤ちゃんは消化機能が未熟なため、たんばく質が分解できません。この場合、素人判断で食事制限はしないほうがよいでしょう。
下病が続くようなら小児科へ行きましょう。トイレに行く間隔や何を食べて下病をしたか、飲ませた薬など、家での様子をメモして、診察のときに役立ててください。
かぜで熱があるけれど、入浴しても大丈夫かな?
食欲があり、元気があり、体温が38度以下であれば、短めの入浴を。
熱があるからといって、あまり気にする必要はありません。むしろ、発熱のせいで汗をかいているのに、 何日もお風呂に入らないほうが衛生上よくありません。
しかし、高熱でぐったりしている場合は、無理に入れるのはやめましょう。
38度以下で、食欲や元気があって、本人も入りたがっていれば、ぬるめのお風呂にさっと入れてあげましょう。
気分も良くなり、新陳代謝をはかることもできます。ただし、長風呂は体力を消耗してしまうので入浴は短めにして、早めに寝かせましょう。
おしっこが濁っているけれど、病気かしら?
飲み物や食べ物、薬、運動などによって尿の状態が変わります。
濁っているからといって必ずしも異常とは限りません。時間がたって濁るというのはほとんど心配いりません。ただし、最初から強く濁っている場合は、膀胱炎や尿路感染症なども考えられます。
高熱が出て、食欲 がなかったり、順吐や腹痛もともなうときは、早めにお医者さんに連れて行ってください。
皮膚がかゆくてかきむしるのは、アトピー性皮膚炎なの?
乳児湿疹(しっしん)や脂漏性湿疹と間違われることもあります。
アトピー性皮膚炎とは、主にアレルギーによって起こる皮膚の病気です。 情報がひとり歩きしてしまいい、ちょっとした湿修でも「うちの子は、アトピーじゃないかしら」と心配するお母さんも少なくありません。
乳児期早期のアトピーは、顔を中心に湿疹が強くでます。食べ物や汗などの、外からの刺激によってできる乳児湿疹や、顔や頭などの皮脂が多い部分にできる脂漏性湿疹と区別するのは難しいでしょう。
かゆくてかきむしるからといって、簡単にアトピー性皮膚炎と決めつけられません。時間とともに皮膚の状態は変化していきますので、アトピーと診断するには、経過を追うことが必要なこともあります。
赤ちゃん、子どもの病気と薬Q&A – けいれん、うんちに血、おたふくかぜ2回?、何歳から花粉症
インフルエンザ脳症なのか熱性けいれんなのか、判断がつかなくて心配
専門家でも見分けにくいといわれていますので、安易な判断は禁物です。
熱性けいれんは通常、全身の左右対称にけいれんが起こります。けいれんの時間も5分以内で、その後すぐに意識が戻ります。
このような場合は、まず熱性けいれんと考えていいでしょう。けいれんの起きていた時間や状態をメモにとり、念のため、かかりつけ医の診察を受けてください。
インフルエンザが流行して時期に、けいれんが止まっても、意識が戻らなかったり、15分以上けいれんが止まらなかったり、けいれんの前後に異常な言動があった場合は、インフルエンザ脳症の疑いがありますので、直ちに病院へ行って診察を受けてください。
うんちに血が混じっているけれど、おむつを病院に持参したほうがいい?
血便に限らず、心配なときは、おむつを持参しましょう。
うんちに血が混じっても、少量で、子どもの機嫌もよく、食欲があれば、あまり心配しなくてもよいでしょう。ただし、牛乳アレルギーで腸の粘膜が出血していたり、細菌感染による場合もありますで、念のために受診してください。
おたふくかぜと二度診断さた。これは1回で終わりじゃないの?
反復性耳下腺炎があります。これは耳下腺(じかせん)が何度も腫れます。
おたふくかぜは、流行性耳下腺炎といいます。ウイルスの感染によって耳の下からほほ、あごにかけて腫れる病気です。
おたふくかぜは、原則として、一度かかると、二度はかかりません。
二度かかったという話は、それらのウイルスに感染したために、おたふくかぜだと診断された可能性があります。反復性耳下腺炎といって、何度も耳下腺が腫れる病気もあります。
これらを区別するのは難しく、はっきりさせるには抗体検査が必要となります。お金もかかる検査なので、あまりすすめないのかもしれません。
おたふくかぜは人から人にうつって流行するものですが、反復性耳下腺炎は伝染せずに単発で起きるのが 特徴です。
何歳から花粉症というのだろう?
0歳でも花粉症と診断されます。
最近では、子どもの花粉症の発症が増加しています。どんどん低年齢化の傾向があり、0歳児でも花粉症と診断される例もあります。もはや大人の病気という観念はなくなりました。
この要因としては、スギ花粉の増加に加えて、大気汚染やストレス、食生活の変化やなど生活環境の変化が影響していると考えられています。
子どもは免疫力が弱いので、粘膜に影響を受けやすい傾向があります。親が衛生面に過剰に反応し、免疫力を変化させているのではないかともいわれています。
また、遺伝的な要素もあり、親が花粉症になっていると、高い割合で子どもも発症することが知られています。
赤ちゃん、子どもの病気と薬Q&A – 慢性中耳炎、うんちの見分け方、突発性発疹
中耳炎を繰り返していたら慢性中耳炎になっちゃう?
中耳炎にかかって放っておくと慢性化します。
鼓膜の内側が細菌に感染して起こる急性中耳炎は、子どもに多い耳の病気です。再発を繰り返す可能性も多いです。
中耳炎を繰り返しているだけであれば、すぐには慢性中耳炎にはなりません。
中耳炎にかかったときに治りきらないまま放っておくと、慢性化して、滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん)になってしまいます。これは、難聴やめまいの原因となることもあり、手術が必要になる場合もあります。
それらを予防するには、完治するまで通院を続けることです。医師がもういいというまで、治療を中断してはいけません。合併症も起こしやすく、再発しやすいので、かかったと思ったら早めの受診を心がけてください。
病気による下痢のうんちと、ゆるいうんちの見分け方がわからない
うんちの回数が増えると下痢を疑います。
もともと、赤ちゃんのうんちはやわらかいので、下痢の症状と区別が つかない場合があります。
判断としては、回数がだんだん増えていくことと、ふだんのうんちと比べて明らかにゆるい状態であることです。
また、下痢のうんちは消化されないまま排池されるので、腐ったようなにおいや、すっばいにおいなど、いやなにおいがするときがあります。これは要注意です。
うんちの回数とにおいをチェックしつつ、食欲があるか、機嫌はどうか、熱があるか、ほかに吐き気やせき、鼻水などの状態もよく観察してください。
うんちがゆるめでも、食欲があって機嫌がよければ、食べ物による一時的な下痢かもしれません。
突発性発疹は生後1年以内に必ずかかる?
個人差があります。必ずかかるとは限りません。
生後4か月~2歳ぐらいの子どもが、「ヒトへルペスウイルス-6」や「ヒトへルペスウイルス-7」という2種類のウイルスに感染して起きる病気が突発性発彦です。
ですので、別々に感染をして突発性発疹になったりします。これで2回の感染となります。
38~39度の高熱が急に出て、3日ほど続いたのち、解熱と同時に体中に赤い発修が出て4~5日ほどで消えます。
病気に必ずかかるというものではなく、症状も個人差があります。発修や高熱が出なかったり、不顕性感染(ふけんせいかんせん)といって症状がほとんどない場合もあります。
欧米に比較すると、日本人は典型的な症状が出やすいようです。突発性発疹に生後1年以内にかからないからといって、心配することはありま せん。また、3歳を過ぎてからかかることはほとんどありません。