おいしいお店選び
ビジネスや接待での食事はもちろん、デートや家族との外食でも、いいお店でおいしいものを食べたいものですね。しかし世の中に飲食店は星の数ほどあります。いいお店を選択する目を養いましょう。
いいお店のポイントとは
ちょっとはずれにある
郊外や、都心のはずれにある店は、街中にある店よりも集客力が落ちます。その分、店づくりや料理に工夫や努力をしているはずです。
オープンして3年以上
入れ替わりが激しい飲食業界で、3年続いているということは、リピーターが定着していると見ていいです。接客や料理のおいしさに信頼感があります。
メニューの書き方が魅力的
ウェブサイトや店頭にあるメニューの書き方で、食欲がかなり左右されます。魅力のあるメニューや看板から料理のセンスもうかがえます。
雰囲気がちぐはぐではない
古民家風なのに電飾があったり、雰囲気づくりに一貫性がない店は、店のコンセプトが曖昧の可能性があります。これがだめなら、あちら、のような気持ちがある場合があります。
スタッフ全員が会話上手
会話の長さやタイミングなど、居心地のよい言葉のキャッチボールができる店員がいると居心地のよさもアップします。話し上手でも長々としゃべるなど、ゲストの時間をさえぎられるようでは困りますが。
自分と嗜好があう人が褒めているお店
周囲の友人の意見や、趣味が似ているブログなども参考になります。特に仲のよい人からの情報はたいへん貴重です。
もちろん最後は自分がよいと感じたお店
最終的には自分がオススメと実感することが大切です。自身を持ってもてなすことが、ゲストに安心感を与えます。
おいしいお店選びの注意点
オススメの店を聞くときには、初めに魚か肉かを伝えましょう
知人や友人にオススメの店を聞くときには、具体的な予算や、魚料理か肉料理かなどを伝えると、絞り込みやすくなります。逆に聞かれたときは相手の好みを確認しましょう。
ランチの口コミは要注意
お店を探す際、ウェブの口コミサイトはたいへん便利です。ですが、たいていのお店はランチメニューとディナーメニューが異なり、客層も異なる場合が多いです。ランチのみ、として口コミを参考にして選ぶのは危険ですので注意です。
外国人ゲストのもてなしは、すき焼き、天ぷらが正解
和食や寿司が好きな外国人もいますが、外国にはあまりない、甘辛い味付けで、たっぷりの肉や野菜を食べられるすき焼きや、独特の食感がある天ぷらは外国人にはたいへん人気があります。ただし、ベジタリアンの人も多いので、初めに食べられないものがあるか、何が好きかを必ず事前に確認してください。
ちゃんと予約をとりましょう
記念日やデートの予約は早めが肝心
両家の顔合わせや結婚記念日、クリスマスなど、大事な日の予約は日程をずらせないので、なるべく早めに予約して確実に席を確保したいものです。人気店であればなおさらです。何ヶ月も前からキャンセル待ちのお店もありますので、早めに日程を決めましょう。
接待など特別な対応や座りたいリクエストは予約時に伝えます
子連れなので座敷がいい、商談を兼ねた食事会なので個室がいい、夜景の見える窓際の席がいいなど、特別なリクエストや対応を頼みたい場合、些細なことであっても事前にお店に伝えておくと、可能な限り対応してくれます。
失敗できない接待など大切なゲストとの食事の予約は、必ず直接お店へ行きましょう
インターネットや電話で予約は簡単にできますが、大切なゲストとの食事会の場合は、事前にお店に行って、ちゃんと口頭でお願いをしてから、改めて電話できちんと用件を伝えたほうが希望に応じてくれることが多いのです。
とにかく出向いて希望を伝えましょう。多少の無理も聞いてくれますので。
注意点
- ラストオーダーや閉店の時間を聞いておきましょう。
- 忘年会、女子会、接待、デート等、食事の目的をお店に伝えておきましょう。お店側で便宜をはかってくれます。
- ゲストにアレルギーのことも確認しておくのも忘れないように。
- お店側にはすぐに連絡のできる電話番号を伝えておきましょう。
- トラブル回避のため、最後に予約内容をひととおり復唱しましょう。
お食事の服装について
日本のレストランは欧米よりも比較的穏やか
ドレスコードは女性と男性の場合ではずいぶんちがいます。
日本では正式な晩餐会のようなところに招待を受けて出席する場合を除いては、あまり強く意識しなくてもいいようになってきていますが、パーティや式典などに参加する場合には同席する人たちの服装をある程度は予測して、あまりかけ離れた服装にならないように心がけましょう。
不安があればレストラン等に事前に確認しましょう
正式な晩餐会では、ドレスコードを指定される場合がありますので、それに合わせて服装を選択しましょう。また、高給レストランやホテルでは上品な服装が好まれます。
事前にレストランなどに連絡してドレスコードを確認するようにしましょう。
香水は食事の邪魔にならない程度であれば問題ありません
デート中の食事であれば香水をつけているのも自然なことでしょう。常に周囲を不快にしないことがマナーの基本です。料理の香りを邪魔しない程度を意識しましょう。
ただし、寿司屋や和食店では避けたほうがいいです。
平服
平服といわれたときには、やや高級なディナーに行くときをイメージしたほうがいいです。スーツやワンピースなど、上品さを意識しましょう。
カジュアル
あまり肩肘を張らずに、少しおしゃれをしてデートやショッピングに行くときの服装がカジュアルです。
ただし、あまりくだけた格好にならないよう、心がけましょう。
フォーマル
祝賀会や結婚式などは、普段着ではなく、ドレッシーな装いで出席しましょう。オススメは貸衣装です。どんな立場でどんな場所に参加するのか、また予算などの条件を伝えれば見合った服を選んでくれます。
普段は着ない服をわざわざ高いお金を出して購入するよりも、絶対に経済的です。
ディナーはドレッシー、ランチはカジュアル
結婚式やパーティなどフォーマルシーンでなくとも、高給レストランやホテルでの食事では服装に気を遣うのが大人のマナーです。清涼感のある、周囲の雰囲気を壊さない服装を心がけたいものです。
ランチの席ではブラウスとスカート、またはワンピースのようなスマートカジュアルな服装を心がけましょう。パンツスタイルよりも、スカートを選択するほうが、上品さやフォーマル感を演出できます。
靴はパンプスが最も上品ですが、きれいに見えるものであれば、ミュールやサンダルでも問題ありません。
ディナーの席では、ドレッシーな服装、またはカジュアルエレガンスな服装がポイントです。
華やかなワンピースに羽織り物やジャケットをプラスするなど、いつもと違ったおしゃれを楽しんでください。
ディナーの席は昼間よりも肌を露出して華やかに装うこともよいですが、下品な印象にならないよう注意しましょう。
日程の案内方法について
場所と時間の連絡はメールかFAXがよいです。書面で送るのが親切です
会食会の幹事になったら、店を予約し、全員に場所や時間を連絡します。このとき聞き間違いなど、伝達ミスのないように、FAXやメールなどで必ず書面にしましょう。駅からのアクセスをきちんと地図に記載しましょう。
正式なパーティの案内は封書で
参加人数が多いときは往復葉書を利用して、正式なパーティのときには、封書に案内状や会場の地図、返信用の葉書をいれて送ります。挨拶をお願いしたい人には、その旨を書いたメッセージも同封するようにしましょう。
3日前には念押しの連絡をいれましょう
選んだ店が、一度も行ったことのない場所であれば、事前に利用しておくと当日慌てずにすみます。わかりにくい場所であれば、「〇〇の角を曲がってください」などと実際歩いて得た情報を地図にのせると親切です。2~3日前になったら、「〇月〇日はよろしくお願いいたします」などと、出席者に一報を入れましょう。
お店にも念のため予約内容の確認をしましょう
店には前日に電話で人数、時間、料理などの再確認をすると、お店側も安心です。
待ち合わせは気の利いた方法で
幹事の場合、当日は早めにお店に行き、座席、料理、喫煙場所などの確認をしましょう
宴会や接待の会食の幹事を任された場合、約束の時間の30分前にはお店に到着し、再度料理や喫煙場所などの確認、ビールの銘柄の指定、さらに、食後に薬を飲む人がいれば、タイミングのよいときにお水を出してもらうようにしておくなど、頼まないといけないことなどを店側に伝えます。
幹事でなくとも、20分前にはお店に行っていましょう
宴会などに出席するときは、20分前に会場入りするくらいがベストです。たいていは30分前から受付開始になりますので、15分前より遅くなると混んでしまって、受付で待たないといけなくなります。挨拶したい人と話せないなど、気持ちも焦ってきますので、個人的な食事会以外での待ち合わせよりも早め行ったほうがようでしょう。
店先でゲストを迎えると好印象
お店のつくりによっては、上座や下座がわかりにくいこともありますので、お店の人にあらかじめ確認しておきましょう。幹事が複数いるとうな大宴会の場合は、1時間前には準備に入りましょう。時間になったら、お店の入り口でゲストを迎え入れると好印象です。
目上の人が先に到着している場合、お酒などを飲んで懇談を
目上の人が先に来て、目下の者が時間ぎりぎりというのはよくありませんが、かといって先に会を始めてしまい、後から到着するといっそう気まずい雰囲気になってしまいます。食前酒を飲みながら、懇談して待つ程度がよいでしょう。
普通の会食の場合は指定時間の15分前に到着するのがベスト
約束の時間に遅刻して、特に目上の人を待たせるのは絶対にNGです。指定の時間の15分前くらいに到着するよう心がけておけば失敗はしません。駅で待ち合わせをする場合は、電車の到着時間を確認して、その電車よりも1本早い電車に乗るようにしましょう。
待ち合わせは気の利いた方法で
お迎えにあがるときは5分前に電話するとよい
ゲストを自宅やオフィスに迎えに行くときは、先方の準備の状況に合わせられるように約束の時間の5分ほど前に電話をいれて、時間調整できるようにしましょう。
予約した時間に10分以上遅刻する場合、お店に連絡を入れましょう
不測の事態等で、お店に到着する時間が大幅に遅れるようであれば、一本電話を入れるだけで店側も安心しますし、好感をもってもらえます。キャンセルはわかった時点ですぐに連絡を入れましょう。
相手が送れる場合、食事の注文は相手がきてからに
相手を待たせることはしたくありませんが、不測の事態、たとえば、渋滞など交通機関の乱れで約束の時間に遅れてしまうこともあります。その場合は、先にコーヒーやお茶を飲んで待っていてもらいましょう。逆に相手が送れてくる場合には、悠長にお茶を飲んで待つわけにもいきません。お店に「連れが来てからオーダーします」とスタッフに伝えて待つようにしましょう。
同伴者が大幅に遅れそうであれば、店側の都合も考慮したいものです
予約を入れているお店であれば、どのくらいで始められるかを伝えてあげるほうが親切でしょう。待つのは15分を目安に判断しましょう。その上でかなり待つようなことであれば、お店の判断に合わせることも大切です。4人のうち1人だけが送れるようなことであれば、先に初めてもいい場合もあります。
相手がわかりやすい待ち合わせ場所を指定しましょう
地元でないとわからないような場所や人通りが多すぎる場所は避けて、初めてでもわかりやすい場所を指定することもおもてなしです。ビジネスであれば、ホテルティーラウンジなどがオススメです。
席次(上座・下座)について ~
基本的に入り口からの距離が遠い席が上座です
席次は年長者や目上の人、ゲストに対するおもてなしの心や敬意などを表すものです。その部屋の中で最もよい席が上座です。この席にもてなすゲストに座ってもらいます。基本的には通常のテーブル席では、入口から遠い席が上座となります。
お座敷では床の間を背負う場所が上座です
通常お座敷では、床の間を背負う席が一番の上座です。人数が多くなると、床の間を背にした側の中央が最上位になります。一番入口に近いところが下座となります。幹事はここに座りましょう。
部屋の形状や入口の位置によっても上座の位置は変わります。庭の景色が一望できる旅館などの和室では、美しい景色を見ることができる側が上座となります
カウンターでは席次を気にしなくてもオーケーです
テーブル席と同じように入口から一番遠くの席が上座という考え方もありますが、基本的にカウンターには上座、下座の考え方はありません。主役を中心に奥がその次、入口に近いほうが下座と考えましょう。
ある程度親しい間柄であれば問題ありませんが、気を遣わなければならない相手や、初めて会う相手との食事であれば、カウンター席は避けたほうがようでしょう。
席次の基本
座敷
床の間のある側が上座、出入り口に近い席が下座。
テーブル
出入り口から遠い席が上座。長いテーブルに片側3名以上で席につく場合は、中央が上座。
中華料理の回転卓
出入り口から遠い席が上座。近いほど下座。回転卓の場合は料理も上座のひとから順番に取るので、自分の目の前に料理が置かれた場合でも、テーブルを回しましょう。これは基本です。
回転卓の場合は、最上位の方から見た左側が2番目、右側が3番目とするのが一般的です。ただ、回転卓の料理は時計回りで取り分けていくのがルールですので、3番目の方に料理がいくのが最後になってしまいます。ですので、料理が全員に行き渡るまでは、箸をつけるのは待ったほうがよいということになります。
3番目の席に、ホスト側の一番上位の人が座り、ゲストの最上位のほうへ接待をするように、席次を決めると会食をスムーズにすすめることができます。幹事は入口に一番ちかい席に座ります。
語句
席次……せきじ – 会合などで、座席に並ぶ順序。席順。
マナーは時と場合に応じて水のように変化します
生活の中で私たちが身につけておきたい立ち居振る舞いのマナーや作法は多岐にわたり、すべてを覚えることは至難の業です。
たとえば書道で美しい字が書けるようになるためには、お手本どおりに何回も練習して、だんだんと美しい文字が書けるようになっていきます。マナーもこれと似たようなものです。
マナーもその場の状況に応じてアレンジしていくものでもあるのです。それがワンランク上の立ち居振る舞いにつながっていきます。
マナーの本質は水の流れにたとえることができます。水とは自然の流れに逆らわずに四角や丸い器の形状に合わせて自在に変化します。自然の中で水蒸気になったり、氷になったりしますが、水が油に変わることはありません。どんな形状に変化してもH2Oです。
マナーもあまりに所作にとらわれすぎて失敗するより、状況に合わせて臨機応変に振る舞うことが大切です。要はお互いが不快な思いをしないよう、気配りを忘れないということで、楽しい時間を共有できます。
たとえば、レディーファーストといえば、すべてにおいて女性が優先さると考えがちですが、日本のレストランで女性が男性の前を歩くよりも、男性の後を歩くか、男性が女性を先に歩かせて軽く腰に手を添えてエスコートし、ここで女性を優先してよい席に座らせるほうがスマートに見えます。
パスタの食べ方においても、一般的にはフォークに巻き付けて食べますが、スプーンとフォークを使って食べたほうが、衣類にソースが飛んで汚れるリスクが避けられますし、なんとなくエレガントに見えます。
常に相手を思いやり、気配りをしながら行動すれば、自ずと美しい所作になり、相手に不快な思いをさせることはありません。
和食の席でこれだけはやらないように
畳の縁や敷居は踏まない
畳の縁と敷居はその家の象徴です。したがって、これを踏むことは、家人を踏みつけることと同じになります。大変な失礼になりますので、移動するときは、足元に注意してください。
座布団は踏まない
座布団には、勧められる前に座ってはいけません。座布団を踏んだり裏返したりするのもNGです。
音を立てるのは基本的にはNG
心地よい音楽や会話以外の音は、雑音になります。食器の音や、食べ物をかむ音など、できるだけ音は立てないようにしましょう。
口の中に食べ物を入れたまま話すのはNG。
目上の人には目線を低く
洋食のマナーのように、和室での和食はレディーファーストではありません。和食では目上の人を敬うのが作法となります。不本意でも、そうなのです。
和室では相手を見下ろさないように目線を低くします。なるべく立ち上がらない、背を向けないなど、意識しましょう。
おしぼりでテーブルは拭かない
おしぼりは手を拭くためのものです。口元やテーブルは拭かないように。その場合、懐紙があると便利です。
食器を重ねない
片付けるには食器を重ねておいたほうが便利ですが、和食器は傷つきやすいので、食べ終えたら、そのままにしておきます。これがマナーです。重ねてはいけません。
素足で座敷に上がっていいけません
座敷で素足になるのはマナー違反になります。夏場など、素足でサンダルの場合は、ストッキングや靴下を持参しましょう。
大きな装飾品や香りの強い香水、濃い色の口紅は避けたい
器を傷つける可能性のある装飾品や、目立つ口紅、また、料理の邪魔になる強い香りは控えましょう。
座礼の作法
- 正座で姿勢を正し、両手を膝の上に置きます。
- 背筋を伸ばしたまま前傾し、手を前へすべらせていきます。
- 上体をさらに傾けていきます。床(もしくは畳)に置いた手と膝は離しません。
- 眉間の位置が、床から30㎝程度でお辞儀します。女性は手の指をそろえて、両手で正三角形をつくります。