土砂災害が多発? 兵庫県六甲山周辺、近畿の山も同じ運命?

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六甲山の頂上付近はどうして平坦なのか?

六甲山は急な崖が多く、登山するにはかなり大変です。

しかし、登った先には、ゴルフ場や別荘地があります。

頂上付近は、平坦なのです。

近畿地方の比良山や生駒山も、六甲山と、同じような地形があります。

六甲山は、およそ100万年前は、およそ200メートルの、低く平坦な丘だったのです。

今では931メートルもありますが。

また、どうして、六甲山は、高い山になったのでしょう?

六甲山地は断層で隆起して、段階的に高くなりました

およそ100万年前の海底に、堆積した海成粘土層が、六甲山地の断面、標高高150メートルの所に分布しています。

海成粘土とは,細 粒土が海水中に流入して形成された堆積 物である。 … このような塩分環境の違いは,粘 土 コ ロイドの粒子間力を変化させて粒子の骨組構造を規定 し, 堆積物の工学的性質に影響する。【農業土木学会誌 第67巻 第10号から引用】

一方、大阪湾では、地下530メートルの位置に、同じ海成粘土層が分布しています。

この標高差は、およそ680メートル。

これは、大阪湾が沈降し、六甲山地が上昇したことを表しています。

甲陽断層でも、海成粘土層が持ち上げられ、高い位置に分布しています。

六甲山地は、互助橋断層、芦屋断層などがあり、この断層を境に、六甲山の山地側が隆起し、花原面、北山面、六甲山地面など、3段階の平坦面をもち、階段状に高くなる地形を形成しています。

100万年以降、隆断層が何度も動いた、六甲山地の階段状の地形は、六甲山地側を上昇させたのです。

これを六甲変動(断層地塊運動)と言います。

この変動は、近畿地方も影響を受けています。

近畿の山地を形成した東西圧縮場

六甲山地の断層は、北東から南西に分布しており、南東に傾斜しています。

六甲山地を、右側(水平方向)に岩盤をずらし、東側にずらしています。

垂直方向へもあります。

これらは、東西圧縮により、このような断層系を形成したのです。

東西方向から、円筒型の岩石を圧縮させますと、岩石は膨らみます。

やがて、圧縮軸のおよそ45度の方向に、円筒型の岩石が、直交する2方向に割れます。

片方は左方向、片方は右方向にずれます。

一方が山崎断層系、もう一方が六甲断層系に対応します。

これらの断層は、東西に圧縮する力でつくられました。

これを共役断層(きょうやく)と言います。

共役断層(きょうやく)とは、地殻に水平方向の同じ圧縮(または引っ張り)力が働いたとき、互いに断層面が直交し、ずれの向きが逆向きになる断層の組。【コトバンクから引用】

この断層は垂直方向にも、隆起して山になります。

生駒山や六甲山、比良山などがつくられました。

東西圧縮は、海のプレートが沈み込み、陸のプレートが、押されると考えられています。

近畿地方では、およそ50万年以降、断層運動が激しくなりました。

これを六甲変動と言います。

現在の高い山は、隆起した、六甲山地や生駒山地なのです。

近畿地方は、東西圧縮が長期間働き、近畿中央部の基盤である岩盤が、圧縮された結果、うねり、変形し、波状の基盤褶曲(きばんしゅうきょく)となります。

褶曲とは、地層が波のように湾曲している状態をいう語。水平な地層に地殻変動による横圧力が加わるなどして生ずる。形態によって正立(直立)褶曲・傾斜褶曲・横臥(横伏せ)褶曲などに分けられる。【コトバンクから引用】

基盤褶曲が膨らんだ地域が、生駒山、六甲山、鈴鹿山脈、青山高原などの山地です。

逆にへこんだ部分が、伊賀上野盆地、大阪湾、奈良盆地、伊勢湾などの、山地や湾です。

山地と盆地が、一定の距離で、繰り返していきます。

凸部と凹部の境に、逆断層が発達する地質構造をなすのです。

敦賀(つるが)を頂点に、活断層がひしめく地域は、六甲山地や養老山地を斜辺に、中央構造線や和泉山脈を底辺とした、三角形の地域です。

この地域を、近畿トライアングルといいます。

活断層が発達している地域となります。

土砂災害地の宿命、隆起山地

六甲変動は、比良山地や六甲山地の隆起を続けてきました。

ここは、30度以上の急な崖が多くあり、崖ずくずれを起こしやすいのです。

また、花崗岩でできた山には、多数の断層があり、割れ目が多いのです。

ここに雨水が浸透し、深い位置まで風化し、マサ土となります。

マサ土とは、花崗岩などの風化が進んで砂状・土状になったもの。真砂(まさご)とも言う。園芸用に用いられる時は「真砂土」と表記し「まさつち」と読まれることが多い。日本では主に関西以西に広く分布しており、安価なため園芸・敷土などに広く用いられている。土質力学的には、分布地域により鉱物の組合せや粒径が違い性質が異なること、花崗岩の風化が深層に至り表面は完全に土砂化することなどから、安全性の確定が特に難しい。水に弱い土質であり、流水によって容易に侵食される。集中豪雨が長時間続くと、表土層底部に浸透水が貯まりバランスが崩れて大規模な崩壊に至ることもある。2014年8月19日~20日に広島市で発生し大きな被害をもたらした土砂災害の一因として、現場周辺のマサ土による地質特性が挙げられている。【コトバンクから引用】

降雨により、急斜面は、簡単に崩壊してしまいます。

事実、六甲山地は、南海も土砂災害にあっています。

1938年(昭和13年)、豪雨により、斜面が崩壊し、土石流が発生しました。

死者、行方不明者695人をだした、阪神大洪水と言われる、甚大な被害がありました。

また、1961年(昭和36年)の豪雨では、死者、行方不明者31人。

1967年(昭和42年)の豪雨で、98人。

このように、およそ30年の間隔で大災害にあっています。

1938年の災害は、土砂被害が多かったのに対し、山麓部の開発が進んだ1967年の災害は、斜面崩壊の被害が多かったのです。

梅雨末期の雨による災害は、六甲山地の成り立ちと、密接に関係していて、避けることのできない課題となっているのです。