南海トラフ地震に備え、応急手当の基本を覚えよう
軽傷の手当でも、知識と経験なしには難しい
震災に見舞われたときに多いケガは、ガラスなどの落下物による切り傷や、家具の転倒などによる打撲やねんざです。
災害時に、医療機関も多大な被害を受ける場合もあり、また、重傷者が多い場合には、医師も看護師も不足します。
軽いケガは、自分で手当をせざるを得ない場合もありますが、混乱した状況で、はじめて応急手当をすることは困難です。
あらかじめ、応急手当の講習を受けて、正しい知識を身につけ、自信を持って、手当てできるようにしておきましょう。
大地震時に多いケガを知って、応急手当を実践しよう
大地震が発生した場合、負傷者が続出します。
初期の応急手当で、症状の悪化を、食い止めなければなりません。
大地震で起こりやすい、クラッシュ症候群や大出血、やけど、切り傷、打撲、骨折などのケガの手当のポイントをつかんでおきましょう。
クラッシュ症候群とは、(crush syndrome)筋肉の損傷の後、ショック・無尿を来し2週間以内に死亡する症候群。腎臓の下部尿細管に壊死を起こす。挫滅症候群。急性腎尿細管壊死。
適切な手当を行うには、地域の消防署や、日本赤十字社などで行われている、応急手当の講習会に参加し、実践することが大切です。
災害時用の手当用品が必要です
大地震発生時には、応急手当用品が不足するため、各家庭で必ず備えておきましょう。
災害時には、断水したり、二次災害の危険が迫るなど、通常の状況とは異なります。
災害状況に合わせた、応急手当用品を多めに用意しておくことが大切です。
災害時にはどうなる?
断水で水が出ません。患部を洗ったり、冷やしたりするための、手当用品が必要です。水、清浄綿、瞬間冷却剤など。
多数のけが人が続出します。血液を止めたり、拭き取ったりする、清潔な手当用品が必要です。止血パット、医療ガーゼ、ラテックス手袋など。
手当に余裕はありません。誰でも簡単に使える手当用品が必要です。ワンタッチ式傷あてパット、止血パット、ネット包帯など。
ぜひ、そろえたい、応急手当用品
止血や冷却などの手当用品
- 殺菌・消毒薬(スプレー式)
- ワンタッチ式傷あてパッド(各サイズ)
- 止血パッド
- 医療ガーゼ(各サイズ)
- サージカルテープ
- ネット包帯(各サイズ)
- 伸縮包帯、包帯止め
- 三角巾
- アルミ製副子(そえこ)
- 冷湿布
- 瞬間冷却剤(叩くと冷えるタイプがいい)
- 鎮痛剤(痛み止め)
- 常用薬(あなたがいつも飲んでいる薬など)
- はさみ、ピンセット
患部の洗浄用品
- 水
- 清浄綿
- 脱脂綿
衛生・感染防止用品
- ウェットティッシュ(除菌タイプ)
- ラテックス手袋
- 人工呼吸用マスク
- ビニール袋
- タオル・手ぬぐい
救護所・災害拠点病院
大規模な災害時には、医師や看護師などは、指定された救護所や、災害拠点病院へ出向いて救護にあたります。
あらかじめ、災害時の地域の医療体制を確認し、近くの救護所や、災害拠点病院を調べておきましょう。