南海トラフ地震 備えの重要度11 【持病のある人の場合】

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南海トラフ地震の備え 慢性病のある人は薬の管理が命に関わる

高血圧や糖尿病、ぜんそく、狭心症、てんかん、リウマチなどの慢性病で、薬を飲んでいる人は、その薬の情報をもっていないと、南海トラフ地震などの大地震の災害時には、命に関わることがあります。

東日本大震災や阪神淡路大震災では、多くの患者さんが薬を失い、病院や薬局では、カルテルなどの記録を見ることができませんでした。

そのため救護所では、医師や薬剤師が、薬を特定することが難しく、対応が遅れました。

慢性病のある人は、あなたやあなたの家族で、薬の情報管理をしておく必要があります。

南海トラフ地震など大地震の災害時、薬の備えは万全でしょうか?

お薬手帳で薬の情報を管理

南海トラフ地震など大地震の災害時でも、薬の情報が分かれば、通院できなくなっても、救護所の医師や薬剤師は、どんな薬を処方すればよいかを、正しく判断することができます。

薬の情報の管理には、お薬手帳が便利です。

病院や薬局で、お薬手帳に処方箋の情報を、記入してもらいましょう。

避難時には、薬と一緒にお薬手帳を携帯します。

お薬手帳は、ないがしろにしてしまいがちですが、持病がある場合、いざというときに、効力を発揮します。

必ず保管しておきましょう。

薬の情報は分散しておく

被災により、薬やお薬手帳を、失うことも考えられます。

家族などに、薬の情報を分散して、預けておくのもよいと思います。

例として、お薬手帳のコピーを身につけていたり、スマホなどに、薬の写真や情報を保存したり、家族などに、お薬手帳のコピーを保管してもらったりしましょう。

医師と相談のうえ、予備の薬を持つ

過去の大震災では、被災地で医療を受けられなかったり、薬が不足するケースもみられました。

南海トラフ地震などの大地震や災害に備え、かかりつけの医師に、薬の予備を持つことが、可能かどうかを相談してみましょう。

使用期限が過ぎた薬は、安全のため、飲まないようにしたほうがよいでしょう。

絶対に欠かせない薬を把握する

病状により、飲まないと命に関わる薬もあれば、飲まなくても、すぐには悪化しない薬もあります。

たとえば、糖尿病のインスリン注射は、欠かすことができない薬です。

あなたが常用している薬の中に、絶対に欠かせない薬はないか、また、何日程度であれば、いつも飲んでいる薬を、飲まなくても問題ないかなど、主治医や薬剤師に確認しておきましょう。

糖尿病のある人

インスリンなどの薬とともに、低血糖発作に備えて、糖分を携帯しましょう。

食事がコントロールしにくい災害時には、リスクの高い状況になります。

糖尿病のある人は、低血糖発作を起こす危険が高まります。

避難時には、角砂糖やスティックシュガー、あめなどを必ず携帯しましょう。

一方で、配給されるおにぎりや、カップラーメンなどで、脂質や炭水化物、塩分が増加することも考えられます。

冷凍やレトルトタイプの糖尿病保存食を備えておきましょう。

糖尿病のある人が、備えておくもの
  • 服用中の薬
  • お薬手帳
  • 健康保険証、診察券、患者手帳
  • インスリン自己注射セット
  • 血糖自己測定器具
  • 糖分、ブドウ糖(角砂糖やスティックシュガーなど)
  • 糖尿病保存食
  • 食品交換表
  • 糖尿病手帳

慢性呼吸器疾患のある人

酸素ボンベは、持ち出しやすい場所に置きます。

予備の酸素ボンベも用意しておきましょう。

高齢者やぜん息などの、慢性呼吸器疾患で、酸素ボンベを使用している人は、南海トラフ地震などの大地震や災害時には、薬とともに、酸素ボンベを、すぐに持ち出せるようにしておきます。

災害時には、酸素ボンベの確保が、難しくなる場合があります。

酸素ボンベの予備を、用意しておくことは大切です。

また、避難後も、酸素の供給を安定的に受けるため、酸素供給会社へ連絡することも忘れずに。

慢性呼吸器疾患のある人が、備えておくもの
  • 服用中の薬
  • お薬手帳
  • 健康保険証、診察券、患者手帳
  • 携帯用酸素ボンベ
  • うがい薬
  • マスク
  • サチュレーションモニター
  • カニューラ・マスク

透析を受けている人

南海トラフ地震などの大地震や災害時でも、透析を安全に受けるため、透析の条件をメモしておきましょう。

災害時は、通院している施設で、透析を受けられない場合があります。

透析を受けられる近隣の施設を調べておきましょう。

また、初めての施設で透析を受けることも考え、避難時には、透析の条件を書いたメモを必ず携帯します。

透析保存食も備えておきましょう。

透析を受けている人が、備えておくもの
  • 服用中の薬
  • お薬手帳
  • 健康保険証、診察券、患者手帳
  • 透析の条件を書いたメモ
  • 透析保存食
  • 食品交換表
  • 身体障害者手帳
  • 非常時用透析液バッグ(CAPDを受けている人)

食物アレルギーのある人

災害時に配給される食事は、食物アレルギーに対応していない場合がほとんどです。

アレルギー対応食品は、1週間分程度は備えておきたいところです。

また、子どもには避難時に、災害時のお願いカードなどを持たせましょう。

お願いカードには、子どもの名前や血液型、疾患名(食物アレルギー、アトピー性皮膚炎など)、アレルギー症状、アナフィラキシーショック歴、アレルギーを起こす食品、保護者と主治医の連絡先などを記入しておきます。

食物アレルギーのある人が、備えておくもの
  • 服用中の薬
  • お薬手帳
  • 健康保険証、診察券、患者手帳
  • アレルギー対応非常食を1週間分
  • 災害時のお願いカード(子ども)

災害時に備え、主治医と相談しましょう

災害時は平時とは、状況が全く異なります。

特に、慢性病のあるひとは、体調に変化が見られたら、自分で判断せずに、必ず医師の診断を受けましょう。また、災害時に気をつけておかなければならないこと、他の医療機関にかかるときはどうすればよいかなどを、あらかじめ、かかりつけの医師に相談しておきましょう。