南海トラフ地震のような大地震があったら 場所別でのシミュレーション
南海トラフ地震が高層ビルのオフィスでおこったら
- 揺れを感じたら直ちに廊下へ避難
- 低い姿勢で固定された家具につかまる
- 重たい事務機器の動きに注意しよう
南海トラフ地震が発生したら、オフィス内に安全な場所はありません
地震が発生した場合、机の下にもぐり込んでも、大きな揺れで、机がすべり出すと、大変危険です。
地震の場合は、直ちに廊下へ避難するのがベストですが、余裕がない場合は、窓から離れて、低い姿勢で、固定されたものにつかまります。
重量のある事務機器は、地震の揺れですべり出し、人に衝突したり、窓や壁を突き破ることもあります。
動きには充分に注意してください。
揺れがおさまったら、高層階にいる場合は、中層階より下のフロアに避難してください。
中層階にいる場合は、その場にとどまります。
高層ビルは倒れる可能性は低いため、ビルの外へ出ない方が安全です。
長周期地震動により、震源から遠くても被害が発生
長周期地震動とは、長い周期のゆっくりとした揺れのことです。
震源から離れた地域まで伝わり、共振現象により、高層ビルや石油タンクに、長時間の大きな揺れをもたらす危険があります。
東日本大震災では、首都圏や関西の高層ビル内で、10分以上の揺れが続き、家具の転倒や、天井板の落下、または、エレベーターに、閉じ込められる被害が発生しました。
高層ビルは、震源から遠くても注意が必要です。
南海トラフ地震がエレベーターの中でおこったら
- すべての階のボタンを押して、最初に停止した階で降りる
- 閉じ込められたら、非常通報ボタンを、つながるまで押す
- 長期戦を覚悟して、体力を消耗しない
エレベーターの中で、すこしでも揺れを感じたら、全ての階のボタンを押して、最初に開いた階で降りてください。
閉じ込められたら、インターホンを押し続け、管理会社に連絡します。
大地震が発生した場合は、救助が来るまで長い時間がかかることがあります。
それを覚悟し、体力を消耗しないよう、座って冷静に待ちましょう。
停電時には、一時的に真っ暗になることがありますが、多くのエレベーターでは、非常用照明があり、わずかですが、灯りが点灯します。
天井にある小さな出入り口からは、脱出できません
映画などで、エレベーターに閉じ込められると、天井の通気口のような出入り口から、脱出するシーンがありますが、あくまで映画の中での話です。
実際はロックされていますので、脱出することはできません。
壊して出ようとするのは大変危険ですので、絶対にやめましょう。
南海トラフ地震が繁華街でおこったら
- 倒れてくる物や、落下物から頭を守る
- 住宅街では、狭い路地から出る
- 繁華街では、ビルや広場へ逃げ込む
- 制御不能になった車や、垂れ下がる電線などに注意
繁華街では、鞄などで頭を守り、近くの頑丈なビルへ逃げ込みます
繁華街では、看板や室外機、ガラスの破片など、あらゆるものが落ちてきます。
まずは頭を守り、頑丈なビルへ避難してください。できるだけ、新しいビルがいいでしょう。
浸水の恐れがない地域では、地下鉄の出入り口があれば入り、そのまま、出口付近に留まり、様子を見ましょう。
逃げ込める場所がない場合は、古い建物から離れて、広い場所へ移動します。
交差点などでは、ハンドルをとられた車が、突っ込んでくる可能性もあります。
慌てて車道へは飛び出さないでください。
また、垂れ下がった電線には、絶対に触れないでください。感電します。
住宅街では、倒れてくる物に注意して、狭い路地から離れます
住宅街の狭い路地では、ブロック塀や自動販売機、電柱などが倒れてきたり、屋根から瓦が落ちてくると、逃げ場を失います。
とにかく、狭い路地から脱出します。
移動できない場合は、身を低くして、鞄などで頭を守りましょう。
繁華街同様、垂れ下がった電線には、絶対に触れてはいけません。
繁華街では飛び交うデマに注意
大地震直後の繁華街では、どこそこで爆発の危険あり、どこそこ方面であれば安全、など、いろいろな情報が飛び交います。
政府や自治体、報道機関などの信頼できるメディア以外の情報は、デマである可能性もあります。
デマに惑わされて、闇雲に街中を歩き回るのは危険です。
まずは、頑丈なビルの中で待機し、冷静に情報収集をしましょう。
南海トラフ地震がデパートやスーパーでおこったら
- 陳列棚から離れて、広いスペースへ移動
- 買い物かごや鞄などで、頭を保護
- 慌てずに、空いている出口や非常口から脱出する
- 停電時は、壁づたいに出口へ向かう
陳列棚からは直ちに離れ、買い物かごなどで頭をガードします
食品や食器、家電製品などが並んだ陳列棚からは、直ちに遠ざかり、エレベーターホールや階段の踊り場など、比較的広いスペースに避難します。
クッションや雑誌などが近くにあれば、それで頭をおおいます。
停電することもあるため、床に散乱する商品で、転倒しないように注意しましょう。
殺到する人の波を避けて、空いている出口から脱出する
天井からホコリや破片が降ってきたら、天井の一部、もしくは、全体が崩壊する恐れがあります。
一刻も早く避難したいところですが、出口に人が殺到すると、将棋倒しなどの危険があります。
デパートやスーパーに入るときは、非常口を確認する習慣をつけ、近くで比較的空いている出口を選んで、すみやかに脱出しましょう。
暗がりでのパニックの可能性。地下街では人が出口に殺到するので危険
地下街で怖いのは、デパート同様に、脱出パニックです。
一般的に地下は地上よりも、構造的に地震に強いといわれています。
停電になっても、非常灯が点灯しますので、落ち着いて、揺れがおさまるまで待ちましょう。
地下街の出口は、ほぼ一定の間隔でつくられています。
群衆に巻き込まれないよう、壁づたいに進み、混雑の少ない出口から脱出します。
南海トラフ地震が学校や幼稚園(保育園)で起こったら
- 身近なもので頭を保護する
- 校庭にいる場合は、校庭の真ん中へ移動
- 教室にいる場合は、廊下に出ない
- 先生や校内放送の指示に従う
日頃の避難訓練を思い出して、机の下や鞄で頭を守ります
揺れを感じたら、机の下にもぐり、身を低くして、鞄などで頭を保護します。
余裕があれば、防災ヘルメットをかぶりましょう。
学校や幼稚園の廊下は、窓ガラスが多くあり、危険なため、教室にいる場合は、慌てて廊下に出ないようにしましょう。
先生や校内放送の指示従い、避難訓練のように行動することが大切です。
子どもだけでいるときの、取り決めをしておきましょう
子どもがひとり、または、数人の子どもだけでいるときに、地震があったら、どう行動するかを、あらかじめ決めておくことが大切です。
たとえば、登下校中などで、学校の近くにいる場合は、学校へ行きます。
塾や習い事、電車通学などで、繁華街や駅周辺にいる場合は、塾に戻ったり、近くの学校へ避難するなど、親子で事前に確認しておきましょう。
安全な場所についたら、むやみに行動しないことを約束しておきます。
理科室や家庭科室で地震にあったら
理科室では、火の付いたアルコールランプや、薬品から離れて、机の下にもぐりこみます。
揺れがおさまってから、火を消しましょう。
家庭科教室でも同じように、火をかけている鍋などから離れて、揺れがおさまってから、コンロを確認します。
校庭や園庭で地震にあったら
校庭や園舎近くでは、窓ガラスが割れて落ちてきます。
地割れに注意しながら、校庭や園庭の真ん中に避難します。