南海トラフ地震が発生したときは、津波、液状化、土砂崩れなどの二次災害に注意!
南海トラフ地震が発生したときは、津波に注意!
水平線が盛り上がり、沿岸部の町へ、巨大な波が、防波堤を越えて押し寄せます。
- 津波警報が出たら、ただちに高台、鉄筋コンクリートの頑丈なビルに避難
- 海岸ではラジオや警報をよく聞き、監視員の指示に従う
- 警報が解除されるまで、避難場所にとどまる
わずかな揺れでも油断はせず、直ちに高台へ避難したい
海辺や海岸の町で地震にあったら、もっとも危険なのが津波です。
大津波は、わずかな揺れでも、発生します。
避難指示や勧告を待つことなく、ただちに高台へ避難してください。
高台が近くにないときには、できる限り高いところへ逃げましょう。
ビルへ避難する場合は、丈夫なビルの高層階へ上がります。
津波は、1回で終わりません。2回、3回と押し寄せます。
警報が解除されるまで、避難場所にとどまってください。
東日本大震災では、観測史上最大の津波が、太平洋沿岸を襲いました
2011年(平成23年)3月11日、午後2時46分、三陸沖を震源とする、マグニチュード9.0の巨大地震が発生しました。
震源地から約30分後には、岩手、宮城、福島の東北沿岸部に、最大波が到達しました。
巨大な濁流となった津波は、想定される津波到達点をはるかに越えて、街を飲み込みました。
東日本大震災による死者・行方不明者は2万人近くにのぼりますが、その多くは津波による犠牲者でした。
南海トラフ地震が発生したときは、液状化に注意!
地盤が軟弱な地域で、地割れが起こり、泥水が噴き出して、家や電柱が傾きます。
- できるだけ上の階へ避難する
- 地面が泥水で覆われたら、外へ出ない
- ハザードマップでリスクを確認し、十分な備えを
液状化とは、地震などの震動で、地盤の砂質土が地下水と混ざり、泥水のような状態になる現象のことです。
湾岸沿いの埋立地で発生しやすく、内陸部でも、川や谷の近くを、砂質土で盛り土をしたところは、液状化の恐れがあります。
道路が一面泥水で覆われたら、できるだけ上の階へ避難すること
液状化は発生しますと、道路などが、一面泥水に覆われるため、亀裂や陥没、隆起に気づかずに、けがをする危険があります。
できるだけ、外出は控え、上の階へ逃げましょう。
余震で被害が拡大することもありますので、油断は禁物です。
また、地中の上下水管や、ガス管などにも被害がおよぶと、広い地域で、ライフラインがストップします。
埋立地や海岸、河川の近くに住んでいる人は、ハザードマップで、液状化のリスクを確認し、十分な備えをしておくことが大切です。
東日本大震災では、千葉、茨城などで液状化が発生
東日本大震災では、東京湾岸部の埋立地や、利根川流域を中心に、大規模な液状化が発生しました。
被害規模は世界最大ともいわれています。
東京の沿岸部だけでも、東京ドーム900個分に相当する、およそ42キロ平方メートルが液状化し、道路の陥没や隆起、地番沈下による建物被害、ライフラインや交通網の寸断など、各地に深刻な被害をもたらしました。
南海トラフ地震が発生したときは、土砂災害に注意!
山間部や傾斜地などでは、地震で土砂がゆるんで崩壊します。
- 雨が降り続いたあとの地震には要注意
- 地震後、前ぶれを知ったら、即避難
- ふもとへ下らずに、横方向へ、尾根(おね)を駆け上がる
尾根は、谷と谷に挟まれた、山地の一番高い部分の連なりのことです。
土砂災害の前兆を見たら、聞いたら、横方向へ逃げて、尾根を駆け上がりましょう
大地震の後、山間部に限らず、造成地や傾斜地では、土石流や崖崩れ、地滑りなどの土砂災害が発生することがあります。
山鳴りや川の変化などの前兆が見られたら、警報が出ていなくても、ただちに自主避難してください。
一般に土砂は、谷すじなどを流れていくもので、ふもとへ下らずに、横方向に逃げ、尾根を駆け上がるのが鉄則です。覚えておいてください。
長野県西部地震では、時速100キロメートルの土石流が、村を襲いました
1984年(昭和59年)に起こった、マグニチュード6.8の長野県西部地震では、地震による直接的な被害は少なかったのですが、降り続いていた雨のせいで、地震発生直後に、山の斜面が大崩壊しました。
土石流のスピードは、時速100キロメートルにも達し、高さ100メートルの尾根を、乗り越える勢いで、村を襲いました。
この地震による死者・行方不明者は29人。
すべて土砂災害による犠牲者でした。
南海トラフ地震が発生したときは、火山の噴火に注意!
- ハザードマップを参考に、リスクを確認
- 気象庁などの、正しい火山情報を入手
- 避難勧告、避難指示が出されたら、すみやかに避難
巨大地震のあとは、火山活動が活発になる
火山活動に誘発されて発生する地震を、火山性地震といいます。
火山噴火の前後には、地震が多発することがあります。
一方で、巨大地震のあとに、火山活動が活発化することもあります。
東日本大震災(2011年3月)以降、北海道から九州にかけての、20の火山で、火山活動が活発化しました。
噴火にはいたりませんでしたが、過去には、巨大地震のあとに、火山が噴火した例もあります。
火山災害から身を守るには、まずは、ハザードマップで、自分が住んでいる地域の危険を知ることが大切です。
また、噴火の恐れがある場合には、気象庁から火山情報が発表されます。
テレビやラジオの情報に耳をかたむけ、自治体から避難勧告や避難指示が出されたら、すみやかに避難できるよう、準備しておきましょう。
火山が噴火し、溶岩流や火砕流が発生したときは、その流れから、遠ざかる方向へ避難します。
また、火山灰や火山ガスを吸わないよう、マスクやゴーグルを着用し、噴石から頭を保護するヘルメットをかぶります。
自動車での避難は極力避け、指定の避難所など、安全な場所へ避難しましょう。
富士山噴火と宝永地震
1707年に、東海、東南海、南海地震が連続した、マグニチュード8.6の宝永地震が発生しました。
翌日には、富士宮付近を震源とする、大きな余震が発生し、巨大地震の49日後に、富士山が大噴火を起こしました。
宝永の大噴火で飛び散った火山灰は、東京や神奈川でも見つかっており、被害の甚大さがうかがえます。
これと同じ規模の、それ以上、南海トラフ地震は必ず発生します。
日頃から、しっかり、準備しておきましょう!