南海トラフ地震のような巨大地震にあったとき、こうのように避難したい
危険があれば、安全な場所へ避難
当たり前のことなのですが、南海トラフ地震が発生し、土砂災害や津波、火災の危険が迫っているときは、自分の身の安全が第一です。
「逃げろ! 火事だ!」などと、大声で危険を知らせながら、服装や持ち物に構わず避難してください。
あれもこれもと、考えている時間などありません。その間に生命の危険が、どんどん迫ってきます。
津波の解除や、火災の鎮火などが確認できるまでは、安全な場所にとどまりましょう。
とっさに避難する必要がないときは、自宅など安全な場所で、避難の準備をして待機します。
災害状況は、刻々と変化します。
政府や自治体など、信頼できるメディアが発振する情報を、こまめに入手し、必要なときは、すぐに避難しましょう。
落ち着いたら、自宅や避難所で情報収集
特に地震発生から、24時間は、どんな危険が迫るか分かりません。
自宅の被害が少なく、安全である場合は、自宅にとどまり、自宅に被害がなくても、二次災害の恐れがある場合や、自宅の被害が大きい場合は、一時的に避難所へ避難し、ラジオやテレビ、防災無線などから情報を得ましょう。
避難所は通常、地震発生から数時間後に開設され、テレビやラジオ、パソコン、FAXなどが設置され、新聞が配られるなど、情報のアクセスに便利です。
また、備蓄品があり、医療救護活動や、水や食料、生活必需品などの、救援物資の配給などの拠点となりますので、自宅で生活する人も、必要に応じて利用しましょう。
知りたい情報は、刻々と変化します
大地震発生直後
- 地震の情報(震源地、震度、地震の規模など)
- 二次災害の危険(津波、土砂災害、火災など)
数時間後
- 安否情報
- 被害の状況
- 余震の見通し
半日から数日
- 生活の情報(水や食料、生活必需品、救援物資、避難所)
- 医療情報
- 交通情報
- 再建情報など
南海トラフ地震が発生したら、どこへ避難するか
火災などの危険がない、または、自宅に被害がない場合の避難
自宅で暮らします。
自宅に戻って生活する場合でも、必要に応じて、避難所を利用してください。
火事や爆発などが起きて、危険がある場合の避難
役所や警察、消防から、避難の指示があります。
小中学校や近所公園などの、一時集合場所に避難します。
一時集合場所とは、近所の人たちが集まって、様子をみる身近な集合場所です。
広域避難所のほうが近い場合は、直接、広域避難所へ集合します。
危険があり、一時集合場所へ行けなかったり、一時集合場所が危険な場合は、大きな公園や広場などの、広域避難所に避難します。
津波や土砂災害の危険がある場合の避難
ただちに、安全な場所に避難します。
津波の場合、高台や鉄筋コンクリートのビルの高層階へ、土砂災害の場合は、土砂災害危険区域外の避難所へ行きます。
あなたやあなたの家族の身を守る、避難スタイル
自宅を離れて、避難所などへ避難すると決めたら、身支度を調えてから行動します。
避難に支障のないよう、動きやすい服装で、持ち物は最小限にしましょう。
平時から準備しておきましょう。
- 車は使わず、徒歩で移動
- 1人で行動しない
- 火災など二次災害に注意
★ ヘルメット・防災頭巾
頭のけがは致命傷となる場合があるため、頭部を保護します。
★ ホイッスル
避難時に、余震などで万が一生き埋めになったときや、防犯対策に役立ちます。
★ 革手袋
手を保護します。転んでも、がれきやガラスなどで、ケガをしないようにしてください。
★ 長袖、長ズボン
寒さや火災、けがを想定して、肌を露出させないように。夏でも同様です。
★ 安全靴、厚底のスニーカーやブーツ
足元を保護します。
路上は、がれきやガラス片が散乱していて危険です。厚手の靴下を履くと、なおよいでしょう。
★ 懐中電灯やヘッドライト
停電で夜は、真っ暗になります。明かりは必要です。
移動するときは、両手が使えるよう、ヘッドライトが便利です。
格好悪いなどと、言ってられませんよ。
★ 防塵マスク
倒壊建物から飛散する、粉じんやほこりを、吸わないようにしましょう。
★ リュックサック
水や食料など、必要な防災用品を入れます。
★ 杖や傘
液状化している地域では必要です。
一歩先の足元の安全を確認しながら歩けます。
水面下の開いたマンホールや、側溝(そくこう)に落ちたり、障害物で転ぶと危険です。
側溝(そくこう)とは、道路の側端に設けた小水路。道路の路面排水のため,道路の両側または片側の側端,あるいは歩道と車道の境界に造る。断面がL字形,U字形などをしており,適当な間隔で集水枡を造る。集った水は,集水枡を通じて下水管に導かれる。街路の歩車道境のものを街渠 (がいきょ) という。コトバンクから引用。
余裕があれば財産や貴重品を持ち出します
命の安全が第一ですが、余裕があれば、あなたや家族にとって、大切な財産や貴重品を持ち出します。
避難時の焼失や、どろぼうなどにより、財産を失う可能性も考慮しましょう。
避難するとき、自宅を出る前に、やっておきたいこと
津波や土砂災害などで、ただちに避難する必要がある場合を除いて、自宅を離れる前には、以下のことを心がけてください。
不在時の二次災害や、家宅侵入の防止につながります。
水の確保を
水道から水が出るなら、断水に備えて、お風呂の浴槽や、ペットボトル、ポリタンク、やかん、鍋などに水を溜めておきましょう。
ガスと水道の元栓を閉めます
ガス漏れによる、火災や漏水などの被害を防ぐために、ガスの元栓、水道の元栓を閉めます。
電気ブレーカーを落とします
電気が復旧したときの、通電火災を防ぐために、ブレーカーは落としておきます。
家電製品のスイッチを切って、プラグをコンセントから抜いてください。
戸締まりをしっかり
盗難防止や、もらい火の予防に、ドアや窓のカギをかけ、雨戸やカーテンを閉めてください。
地震で壊れた箇所は、ビニールシートや布、家具などでふさぎます。
避難先を残しておく
家族がそろっていないときは、避難先を知らせるメモを残しておきましょう。
他人に不在を知られ、侵入されないよう、犬小屋の中など、人目の付かない、家族で決めた場所に貼ります。
避難は徒歩が基本です。車の利用は被害の拡大につながります
阪神淡路大震災では、消防や警察、自衛隊などが、大渋滞に巻き込まれ、救助や消火活動が大幅に遅れました。
渋滞の一因には、被災地内からの車での避難や、被災地外からの、安否の確認の車などが殺到しました。
教訓として、避難には車を利用しない、ということです。