南海トラフ地震の影響は?からだとこころのケアはどうする? 3/3

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南海トラフ地震の影響による、こころの健康

災害時は誰でもこころの変化がおこります

わたしたちの身に降りかかる、大規模な自然災害は、大きなストレスの要因となります。

南海トラフ地震のような大災害が発生した場合、その直後は、極度の不安や動揺、心身症状などが現れますが、これらの多くは、災害時に誰にでも起こりうる正常な反応です。

とりわけ、非常事態を経験した被災者のこころは、大きな変化をともなっていても、自然なことなのです。

災害時に、あなたの家族、周りの人の、いつもと違う行動や、言動に気づいたときは、そのことを否定せずに、災害時のこころの変化と受け止めましょう。

通常は自然に回復していきます

人間はどんなにつらく、悲しい体験をしても、自然に回復する力が備わっています。

不安や心配が、永遠に続くということはなく、多くの場合は、徐々に回復していきます。

災害時のこころの変化は、被災状況や個人の性格、周囲の環境などによって異なりますが、一般的に、どのような反応が起こるかを、知っておくことが、こころの問題を軽減するために役立ちます。

災害時に起こりうる心身の反応 こころ・思考の変化

  • 眠れなくなったり、途中で目が覚める。
  • 災害に関した悪夢を見る。
  • 強い恐怖や不安におそれる。
  • 神経が過敏になり、物音などでビクッとする。
  • イライラして、怒りっぽくなる。
  • 孤立感を感じて、誰とも話す気になれない。
  • 気分が落ち込んだり、自分を責める。
  • 意欲や集中力が低下し、無気力になる。
  • 混乱して、何をすればいいかのか分からない。

災害時に起こりうる心身の反応 からだの変化

  • 食欲が落ちる。
  • 食べ過ぎる。
  • 頭痛、めまい、吐き気、下痢、胃痛、動悸、震えなどの不調がある。
  • 疲れやすく、だるい。
  • 持病の悪化。

災害時、心身ストレスが続く場合は専門家に相談を

大規模災害による、心的ストレスは、想像以上に甚大で、その影響が強く出たり、反応が長引くこともあります。

また、PTSD(心的外傷後ストレス障害)と呼ばれる病気になる可能性もありますので、あなたや周りの人の、心身の不調が大きい場合は、カウンセラーや医師などの、専門家に相談することが、早期回復につながります。

以下の施設などで、気軽に相談しましょう。

  • 巡回の医師やカウンセラー
  • 医療機関
  • 保健所・保健センター
  • 児童相談所
  • 医療関連の電話相談など

災害時、こころの安心のために気をつけること

災害時でも、できるだけ規則正しい生活を心がけ、家族や友人、周りの人とのコミュニケーションをとることが、こころの安心につながります。

十分な睡眠、休憩をとる

まずは、自分自身の健康を保つことが大切です。これが、最優先です。

災害時は、不眠や、寝ていても頻繁に目が覚めるなど、多くの人に、睡眠障がいがおこります。

眠れないときでも、横になって、からだを休めることが大切です。

疲れを感じたときは、がんばりすぎず、休憩しましょう。

日常生活のリズムを取り戻す

毎日、なるべく同じ時間に起きるようにし、太陽の光を浴びます。

食事は、1日2食でも3食でもかまわないので、同じ時間に食べるようにしましょう。

日中に運動すると、心身によい影響を与えます。

信頼できる人に気持ちや思いを話す

不安や悩みを抱え込まず、家族や友人など、気持ちを受け止めてくれる、身近な人に話してみましょう。

もちろん、相手の話にも耳を傾けるようにします。

同じ体験をした人同士が、気持ちを共有することで、ストレスが解消されます。

声をかけ合い、人からの助けを受ける

あなたひとりで、すべてを背負ってしまうと、ストレスや疲れが慢性化して、結果的に食欲をなくしてしまいがちです。

遠慮をせずに、周りからのサポートを受けることが大切です。

また、ひとりでがんばっている人がいたら、声をかけて、助け合いましょう。

災害時に、子どもが不安を感じているとき

子どもは、感情を言葉でうまく表現することができずに、不安や悲しみは、行動や体調の変化として、現れることが多くなります。

災害時は、子どもの変化に気を配るとともに、子どもが、安心感を得られるように心がけましょう。

子どもにみられるストレス反応

  • 赤ちゃん返りがみられる。
  • 寝付きが悪くなったり、いやな夢を見る。
  • 表情が乏しくなる。
  • ひとりになるのを怖がる。
  • 体験したことを繰り返して話す。
  • 遊びや勉強に集中できない。
  • 年齢不相応に大人びた態度をとる。
  • 反抗期・非協力的になる。
  • 病気でもないのに、からだの不調を訴える。
  • 頭痛や吐き気をもよおす。
  • アレルギー反応が出たり、カゼをひきやすくなる。

子どものこころのケア

  • 家族が一緒にいる時間を増やし、ひとりにしない。
  • 会話を多くし、子どもが話すことをしっかり聞く。
  • 手を握る、抱きしめるなどのスキンシップを増やす。
  • 行動に変化が見られても、むやみに叱ったりせずに、受け止める。