南海トラフ地震の対策のひとつ 震災時の救命と応急手当

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南海トラフ地震が発生したあとの救命と応急手当

大地震で負傷しても、救急車がすぐに駆けつけるとは限りません。

医療機関や救護所には、大勢のけが人が殺到するため、すぐには処置を受けられない、と思っていたい方がよいでしょう。

1人ひとりが救命・応急手当の知識を持ち、できる限り自分で手当をすることが、ケガの悪化を防げるうえ、重症患者を救うことにもつながります。

長時間下敷きになっていたときの対処方

救出後は、突然死をもたらす、クラッシュ症候群に注意しましょう。

阪神淡路大震災では、がれきの下から救出された人が、救出時は元気でしたが、数時間後に急死する例が多数ありました。

クラッシュ症候群とは、救助され、倒壊物の圧迫から解放されることで、圧迫により、壊死した筋肉から、細胞内物質(カリウムやミオグロビンなど)が、大量に放出され、急激に体内を巡って、心肺停止や腎不全を起こす症状のことです。

救出したあとも、安心せずに、クラッシュ症候群の疑いがないか、しっかり確認しましょう。

がれきの下から救出したら

1.水分を飲ませる

スポーツドリンクやお茶などの、水分を飲ませます。

2.クラッシュ症候群を疑うチェック項目

  • 2時間以上、がれきや重たい家具などにはさまれていた。
  • 軽い筋肉痛や、手足のしびれがある。
  • ワインレッド色の尿が出る。
  • 尿の量が減る。
  • はさまれた部分が腫れている。
  • はさまれた部分の感覚がない。または、動かない。

3.医療機関へ搬送

上記のチェック項目のうち、ひとつでも当てはまる場合は、透析治療の受けられる施設か、医療機関へ運びます。

クラッシュ症候群は、初期段階では気づきにくい

クラッシュ症候群になっても、救出後は意識がはっきりしていて、普通に歩けることもあります。

初期段階では、血圧や脈拍も正常ですので、病院へ運ばれても、後回しにされる危険性があります。

病院や施設に着いたら、すぐに、クラッシュ症候群の疑いがあることを、伝えましょう。

心臓や呼吸が止まってしまったときの対処方

応援を頼み、すぐに心肺蘇生法を試みます。

心臓が止まった人の救命は、1分1秒を争います。

助けた人の心臓や、呼吸が停止しているときは、心臓の動きを蘇らせる心肺蘇生法を、ただちに開始しましょう。

何もしなければ、心臓停止後3分、呼吸停止後10分で、半数の人が死亡すると言われています。

そばに居合わせた人の、心臓蘇生が命を救います。

救命処置の流れ

1.意識の確認

耳元で声をかけ、軽く肩を叩いて反応を見ます。

2.応援を頼み、AEDを手配する

そばにいる人に助けを求め、応援の要請と、AEDを持ってきてもらうよう頼みます。

3.呼吸の確認

片手の手を、傷病者の下あごに当てて、頭を後ろに反らせ、気管を確保します。

傷病者の胸や腹部の上下、息の音などで、呼吸を確認をしてください。

4.心肺蘇生を繰り返す

胸骨圧迫30回と、人工呼吸を2回を1サイクルとして、絶え間なく続けます。

胸骨圧迫は、傷病者の胸骨の真上に、両手を重ねて置きます。胸が5センチほど沈む強さで、体重をかけ、1分間に100回のテンポで、30回垂直に押します。

人工呼吸器は、気道を開いた状態で、傷病者の鼻をつまみ、口からゆっくり息を吹き入れます。傷病者の胸が、軽く膨らむくのを確認しながら、2回行います。

感染防止用の、人工呼吸器用マスクがないときや、人工呼吸がためらわれるときは、胸骨圧迫のみでよいでしょう。

5.AEDで電気ショック

AEDが届いたら、ガイダンスに従い、電極パッドを装着し、電気ショックが必要かどうかを確認します。

電気ショックが必要と判断されたら、電気ショックを1回与えたあと、「4.心肺蘇生を繰り返す」を5サイクル(2分間)行い、「5.AEDで電気ショック」に戻ります。

AEDのショックボタンを押すときは、患者から離れてください。

AED(自動体外式除細動器)とは

AEDを使用した除細動という処置は、体外から心臓に電気ショックを与えるもので、突然死を食い止めるために有効です。

最近は、公共施設や駅などに、AED設置されていて、必要な操作は、すべて音声ガイダンスが案内してくれますので、誰でも使用することができます。

近くにAEDがある場合は、積極的に活用し、救命処置を行いましょう。

出血が止まらないときの対処方

1.傷口を手で圧迫する

傷口に、清潔なガーゼや布をあて、強く押さえて止血します。

必ず、ビニール手袋か、ビニール袋などを手にはめて、他人の血液には、直接触れないようにしましょう。

2.傷口は心臓よりも高く

手足は、心臓より高い位置にしてください。頭は枕などで高くします。

3.止血帯を巻く

手足の出血があり、直接圧迫しても、出血が止まらないときは、三角巾や包帯、スカーフ、ネクタイなどを、止血帯として用います。

傷口よりも、心臓に近く、ひじやひざよりも、上になる部分に、止血帯を巻き、徐々に締め付けて縛り、止血します。

止血手当後は、すぐに救護所や医療機関へ行きます。または、運びます。

過度の締め付けや、細いもので止血を行うと、組織を壊死させてしまいますので、注意が必要です。

出血が激しく、強く締める必要がある場合は、止血棒(割り箸やスパナなど)を用います。

止血棒の結び目の下に、当て布を置き、丈夫な止血棒を入れます。

棒を回転させて、止血が止まった時点で、棒を固定します。

止血時間を記録し、30分に1回は、止血棒を1分~2分程度緩めて、血流を促し、組織の壊死を防止します。

出血が続いている場合は、再び止血を行います。

止血手当後は、ただちに救護所や医療機関へ行きます。

すり傷や切り傷を受けたときの対処方

1.止血をする

傷口を、清潔なガーゼや布などで、圧迫して止血します。

2.傷口を洗う

傷口が泥などで汚れている場合は、水道水で洗い流します。

断水時は、ペットボトルの水で洗い流すか、清潔なタオルに水を含ませて、汚れを落とします。

さらに、無色の消毒液があれば、傷口を消毒します。

3.傷口を保護する

傷口にバンドエイドを貼ったり、清潔なガーゼや布で、傷口を保護し、ネット包帯や包帯をします。

手当用品が足りないときは、消毒をせずに、傷口に直接ラップを巻きます。

ガラスや釘が刺さったときの対処方

小さな傷の場合

小さなガラスや釘は、抜いて消毒します。

細かいガラス片や、浅く刺さった釘は、刺さった角度を保ったまま、ピンセットなどで抜きます。

ただし、無理をして、抜いてはいけません。

止血をして、傷口を洗い、無色の消毒液で消毒します。

大きな傷の場合

大きなガラスの破片や、釘が刺さった場合は、抜かずに、救護所や医療機関へ直行します。

出血がある場合は、傷口の周りに、清潔なガーゼや布をあて、圧迫して止血します。

破傷風に注意

古い釘が刺さった場合や、ガラスや釘を抜いたあとに、高熱が出たり、腫れが続く場合は、破傷風の危険があります。

その場合は、釘など、刺さったものを持って、救護所や医療機関へ行きましょう。

やけどをしたときの対処方

軽いやけどの場合の対処方

1.十分に冷やす

皮膚が赤くなる程度の、軽いやけどの場合は、できるだけ早く、流水で、痛みと熱がなくなるまで冷やします。

通常は、10分~15分程度。

断水時は、桶などに、ペットボトルなどの水を入れ、患部を冷やしたり、水を含ませた清潔なガーゼや布を、頻繁に替えて冷やします。

2.患部を保護する

塗り薬などは塗らずに、清潔なガーゼや布で、患部を保護します。

このとき、包帯のように、きっちりと巻くのではなく、軽く患部をおおい、クリップや、洗濯ばさみで止めるとよいでしょう。

症状が改善しない場合は、救護所や医療機関へ行きます。

重いやけどの場合の対処方

1.シーツなどで全身を包んで冷やす

広範囲のやけどの場合の場合は、清潔なシーツやタオルで、患部をおおい、水をかけます。

皮膚に水疱ができたり、皮膚が青白くなったりした、狭い範囲でも、やけどが深い場合は、水に浸した清潔なタオルなどで、患部を冷やします。

2.ただちに搬送

重傷の場合は、冷やすことに時間をかけるよりも、一刻も早く、近くの医療機関へ運ぶことが先決です。

ねんざや打撲をしたときの対処方

1.安静にする

患部を動かさずに、安静にします。

傷がある場合は、上記の「すり傷や切り傷を受けたときの対処方」の手順で、止血手当を行います。

2.冷却する

患部を氷水につけます。

または、氷を入れたビニール袋や、瞬間冷却剤などを患部にあてて、1回およそ20分を目安に冷やします。

再び痛むときは、断続的に冷却してください。

3.圧迫する

清潔なタオルや脱脂綿、布、スポンジなどをあて、包帯で適度に圧迫しながら、巻いて固定します。

ただし、強く巻きすぎますと、患部より先への血流が、悪くなるので注意してください。

4.高く挙げる

患部を心臓よりも高く挙げます。

数日経っても、症状が改善しない場合は、救護所や医療機関へ行きます。

骨折が疑われるときの対処方

1.添え木をあてる

添え木には、厚手の雑誌や、折りたたんだ新聞紙、段ボール、板きれ、傘や杖、スキーのストックなどを利用します。

指の骨折の場合は、ボールペンでも代用できます。

2.固定する

骨折した部分を中心に、上下の関節まで含めて、添え木をあて、三角巾などの、布や紐、粘着テープなどを使用して、しっかり固定します。

三角巾がない場合は、風呂敷やスカーフなどを、三角形に折って使用します。

3.動かさないようにして搬送

骨折部位に、負担やショックを与えないようにして、救護所や医療機関へ運びます。

負傷者を搬送する方法

近くの救護所や、医療機関への搬送は、負傷者に苦痛を与えずに、安全に運ぶために、数名で行いましょう。

状況に応じて、毛布などでつくった、応急担架を利用したり、2名以上で抱えて運びましょう。