地震はまた来る
地震の発生は、今に始まったことではありませんが、世界の地震のデータをとっている、USGS(アメリカの地質調査所)のデータから、西暦2000年を境に、マグニチュード6~7以上の、地震の数が急増しています。
このデータの中には、関東大震災(1923年)、阪神淡路大震災(1995年)、中越地震(2004年)、岩手宮城内陸地震(2008年)、東日本大震災(2011年)、熊本地震(2016年)は、もちろん含まれています。
データからですが、21世紀は、今までの地震発生の20倍です。
火山列島、日本は地震の国
日本は、世界では、61番目の国土(面積)を持つ国です。
日本の国土を、世界の陸地面積と比較すると、たったの、400分の1しかありません。
しかし、世界の活火山のうち、15分の1が、日本にあるのです。
24時間監視するためのシステムや、地震計、噴火の際の、空気の振動を測る装置などを設置し、111ある活火山のうち、常に観察している活火山は50あります。
気象庁は、2016年に3つ増やしました。
これらの火山は、日本列島の、一部に集中しているわけではありません。
鹿児島県の桜島は、毎年のように、噴火のニュースが流れます。
霧島連山(宮崎県との県境)、阿蘇山(熊本県)、雲仙普賢岳(長崎県)も、すべて噴火のニュースで、耳にしたものばかりです。
御嵩山(長野県と岐阜県の県境)の噴火では、死者58人、行方不明者5人という、戦後最悪の人的被害をうけました。
同じ長野県と富山県の県境の、弥陀ヶ原(みだがはら)は、監視を加えられた3火山のひとつです。
近年では、箱根の噴火警戒もありました。
タイミングが悪ければ、正月の伝統行事である、箱根駅伝も中止になっていた可能性もあります。
東京都には、大島・三宅島が火山島であり、全島避難の経験もあります。
北関東には浅間山、東北にも青森県の八甲田山や、秋田県と青森県の県境にある十和田が観察火山です。
北海道の活火山、有珠山(うす)では、昭和新山ができました。
地震とともに、麦畑が突然隆起し、400メートル程度の山になりました。
同様に、西之島(にしのしま – 小笠原諸島)では、新しい島ができているのを、我々はリアルタイムで目にしています。
噴火は収まりましたが、まさに、大地は生きています。
休火山と言われている富士山(活火山とも言われています)も、大きな地震があるたびに、噴火が囁かれています。
さすがに、近畿や四国には、火山は少なくても、世界の目からみれば、日本人は、火山の上に暮らしているように見えるのです。
世界の、400分の1の国土に、15分の1の活火山があるのですから、もっとも危険な地域に住んでいるといっても、過言ではありません。
マグニチュード6以上の地震の、5分の1は日本で発生している
国土の中に、このようなたくさんの火山があれば、地殻の中の動きは活発になり、地震の可能性が高くなるのも、当然と言えるでしょう。
世界の活火山の、15分の1が日本にある、といった事実よりも、もっと恐ろしい事実があります。
世界の地震(マグニチュード6以上)の5分の1は、日本で起こっているのです。
地震は、全てが火山が原因で、発生するわけではありません。
地震の原因として多いのは、東日本大震災のように、太平洋プレートが、ユーラシア大陸のプレートに、もぐり込むといった、プレート型、海溝型の地震です。
こうした地震に連動して、火山が活発化することが考えられます。
火山で起こる地震の割合よりも高い、世界の地震の5分の1が、日本で発生しているのです。
プレート型の地震など、海の中に震源地がある地震も多くあります。
EEZ(排他的経済水域)を考えれば、日本には、世界6位の面積を持つことになります。
海溝プレート型の地震があれば、陸地部分の地表が伸ばされ、活断層型・内陸型の地震が起こることになります。
その例が、阪神淡路大震災や熊本地震です。
日本列島の火山の配置とは遠い、活断層は、どの地域にもあります。
大陸プレートや火山、活断層が密集している日本では、地震は日常茶飯事です。
我々は慣れっこになってしまっていて、多少の地震では動じないところがあります。
しかし、想定を越える地震に見舞われることも、間違いのないことなのです。
今一番怖いのは、南海トラフ巨大地震です。