地震対策3 命を奪うタンスや収納家具を倒れにくくする

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地震の時に、タンスや収納家具が倒れて命を奪う

地震の時、タンスが命を奪う

地震の時に、タンスなどの収納家具が倒れて、被害を受けた例は、多くあります。

タンスなどの収納家具には、地震対策が必要です。

家具を倒れにくくするには、どうしたよいか、考えてみましょう。

普通に考えれば、背が高く、薄いタンスは倒れやすく、背の低い厚いタンスは、倒れにくいと、だれでも思います。

家具の奥行き(厚さ)と、高さの関係を、明らかにしている研究があります。

阪神淡路大震災の翌々年の1997年に、家具の転倒防止対策に関する検討委員会が、家具の転倒防止等の手引きとして、家具のプロポーションによる、目安としてまとめています。

その式は以下のようなものです。

(奥行き/√高さ)≦4

高さよりも奥行きがある家具の方が、倒れにくいと考えることができます。

しかし、実際に測って計算してみて、4以上あるから倒れないと、安心してはいけません。

収納家具は、家具屋さんで見ても、多くの種類の、奥行きや高さがあるわけではありません。

ましてや、家具のサイズで、収納を選択するものでもありませんよね。

あなたの部屋にある、雑多なものを、収納するために選んで置いているものです。

家具も、収納されるものの寸法を、想像してつくられています。

おおよその奥行きは、薄型で30㎝~60㎝程度の家具がほとんどです。

これより奥行きがある、90㎝の収納家具は、押し入れや物入れとして、家具の間取りで考えられる収納です。

家具として3種類の奥行きを、式に当てはめて計算しますと、それぞれ、56㎝、126㎝、225㎝となります。

奥行きに対して、これよりも背の高い家具には、地震対策を考えておいた方が、よいということになります。

地震が発生した場合、奥行き45㎝の家具は要注意

奥行きが30㎝以下の、薄型収納とは、基本的に、小物類しか収納できない隙間家具として、つくられているものが多いです。

たとえば、キッチンカウンターの下とか、洗面台に置かれているものです。

これらの収納家具の多くは、高さが56㎝以上あります。

基本的には、奥行き30㎝以下の薄型家具は、地震対策をしなければなりません。

重ねて使わない限りは、低い場所で使われますので、収納しているものが落ちたとしても、それほどの被害があるとは思えません。

薄型家具の用途に、本棚としての機能を、求める人も多いと思います。

一般的な本棚は、図鑑やアルバムなどの、収納を考えて、奥行きが45㎝あります。

薄型家具は、新書や文庫や、ハードカバーなど、A4版以下の本棚として使われます。

同じ薄型家具を重ねて、壁面を使い切りたい、と考える人もいますが、それは、最悪の使用方法です。

造り付けの棚と同等になるよう、しっかりと壁面に、固定しておかなければなりません。

そして、収納している物が、落ちてくることも、あたかじめ考えておくべきです。

落ちれば割れて、飛散するようなものは、高い位置には置かないことです。

奥行きが45㎝程度の収納家具は、品揃えは豊富です。

ダイニングやリビング、各個室など、置かれる場所もたくさんあります。

本棚はよい例で、食器棚も該当します。

このような家具の高さは126㎝で、一般成人の胸ほどまでの高さと考えれば、市販されている家具でも、倒れやすい収納家具が、たくさんあることがわります。

奥行きが、45㎝の収納家具の、本棚と食器棚は、転倒防止対策をする必要のある家具なのです。

地震が発生した場合、奥行き60㎝の家具は?

奥行きが60㎝の、収納家具はどうでしょう?

この多くは、洋服などをいれるタンスでしょう。

ハンガーにかけた洋服を、吊して並べるには、最低でも60㎝の奥行きが必要です。

おそらく、寝室や納屋などに、置かれる収納家具です。

これらの収納家具の多くは、高さが180㎝~2mほどあります。

これが、以外にも、計算上では、倒れにくい家具ということになります。

しかし、現実の地震では、倒れていることも多いのです。

やはり、背の高い家具は、地震対策をしておくことに、越したことはありません。

タンスは重たいので、寝ているところに、倒れてくれば、命を奪われることもあります。

地震のとき、収納家具を倒れにくくする、突っ張り棒の取り付け方

課程に置いてある、収納家具の多くは、高さが180㎝~2mほどです。

一般的な住宅の天井までの高さは、240㎝以上。

したがって、収納家具と天井の隙間は、40㎝~60㎝程度、空いています。

背の高い家具でも、天井までの、造り家具になっていれば、基本的には、倒れる心配はなくなります。

家を新築したり、改装したりするのであれば、造り付けの家具にすることは、耐震対策になります。

たとえ、造り付けの家具ではなくても、天井までピッタリ収まれば、倒れにくくなります。

しかし、家具を重ねるだけでは、滑り落ちることがありますので、それでは地震対策にはなりません。

このようなときは、家具と天井に間に、突っ張り棒を突けることで、地震対策になります。

素人でも簡単につけられますので、設置している人も多いかと思います。

しかし、この突っ張り棒が、本当に地震の際、有効に働くかどうか、問題はあります。

たとえば、家具の手前の方に、設置しているのであれば、よくありません。

取り付けは、家具の奥の方、壁面ぎりぎりに、設置するのが、正しい設置方法です

家具の下端の手前を軸として、家具が手前に倒れてくるには、奥の部分が持ち上がる必要があります。

ですので、家具の手前の方に、突っ張り棒を設置しても効果はありません。

この突っ張り棒が、役割を果たすためには、相手となる天井部分も、頑丈にできていなければなりません。

建築の現場などを見ればわかるのですが、多くの家の天井は、細い野淵材(のぶちざい)を組んで、簡単に張られていることが多いです。

天井板も、厚くて頑丈なものではありません。

地震の際、天井板が壊れてしまうようでは、突っ張り棒は役にはたちません。

天井を張るには、少なくとも、壁面に受け材となる、桟(さん)を取り付けてから、工事をしているはずです。

ですから、天井も、30㎝~40㎝手前の天井面よりも、桟に当たりやすい壁際のほうが、ずっと丈夫にできているはずです。

突っ張り棒は、奥の壁沿いに設置するのが、正しい取り付け方法です

地震で滑りやすい床

しかし、それだけでは、まだ安心はできません。

収納家具には、もう一つの倒れ方があるのです。

その条件は、床の材質の違いによるものです。

それは、硬い床か、柔らかい床の違いによるものです。

基本的には、フローリングや、石・タイル等の硬い床の方が、カーペットや畳などの、柔らかい床よりも、倒れにくいとされています。

それは、人が立っていても、足元がしっかりしているほうが、安定していると、考えればわかりそうな、感じではあります。

しかし、じつは、床の滑りやすさによるものです。

硬い床は滑りやすく、柔らかい床は、食い込んでいて、滑りにくいのです。

つまり、滑りやすいほど、倒れにくい、ということになります。

それは、建物の免震と似たような考え方です。

滑りにくいと、地震による、横からの加速度は、すべて転倒の方向への力になります。

床が滑れば、一部の力は、家具の移動に変わります。

そのため、滑りやすい床ほど、倒れにくいのです。

地震の時に、突っ張り棒などで、家具の上部が押さえつかられていると、家具の足元が、手前に滑り出てしまい、倒れることが想定されます。

そうなると、家具の上の奥に設置した突っ張り棒は、効かないどころか、転倒の原因にもなってしまいます。

そのため、滑りやすい硬い床の上に、家具を設置する場合、市販の滑り止め用のクッション(柔らかいゴムのような物)を、下に取り付けた上で、家具の奥に突っ張り棒を設置してください。

これで、やっと家具転倒防止の地震対策となります。

もちろん、これでも不完全な部分がないとも限りません。

しっかりと壁に取り付けた、造り付けの家具とは違い、転倒の可能性が残されていることを、忘れてはいけません。