地震の被害を抑える収納家具などの引き出しの対策
地震の時、家具が、転倒防止の対策によって、倒れなかったとしても、中の収納物が飛び出して、飛散することは考えられます。
洋服ダンスなどの中に、収納してあるものが衣類であれば、飛び出しても心配いりませんが、コップや皿、ビンなどが飛散して、割れるようなものは、地震後のケガなどの、二次被害を受けないとも限りません。
できれば、対策をしておきたいものです。
最も単純な収納棚は、地震の時には、置いてあるものが落ちてしまいます。
地震対策として、収納するたびに、ヒモなどをかける手間を考えると、使い勝手が悪くなり、やがては外してしまうことになるでしょう。
これでは地震対策になりません。
地震のことを考えれば、収納家具には、扉がついていることが、対策の始まりになります。
扉といっても、引き出し、開き戸、引き戸の3通りがあります。
そのまま地震対策になるのは、引き出しです。
日常の開け閉めが楽になるよう、軽い力で動かせるようになっていれば、引き出しも、地震の時に、飛び出す可能性が高くなります。
和箪笥(わだんす)などは、決して滑りはよくありませんが、台所などで使われている収納家具の引き出しは、金物で軽く動かせるようになっていて、地震の揺れで、飛び出してくる可能性があります。
ただ、多くの引き出しの用の金物では、ストッパーがついているので、心配はありません。
それ以前の話で、引き出しはそもそも、上から取り出す仕組みですので、低い位置にしか使用されません。
そういう意味でも、引き出しは、地震に対して心配の少ない扉と、いえるでしょう。
引き戸の地震対策
引き戸も、地震対策が必要ない扉の1つです。
地震対策として、引き戸が選ばれることもあります。
日常的な使い方でも、引き出しや開き戸は、開けたままでは、その前を行き来することは、困難な場合がありますが、引き戸の、引き違いの扉では、開けたままでも、行き来をして、作業を続けることができます。
その意味でも、引き戸は、便利な扉といえます。
しかし、引き戸は、家具の機密性を保てないことや、扉に凹凸ができて、デザイン的にも制約あります。
日本の昔から収納家具では、標準的な扉として、つくられてきましたが、今は少なくなりました。
和風の家具を探さないと、見つからないことが多いと思われます。
引き戸は、当然ながら、閉めておかないと、中身が飛び出してしまいます。
また、軽く動く引き戸であれば、地震の時に、動いてしまうこともあるでしょう。
しかし、引き戸の扉が開く方向に、揺れてる場合は、中にあるものは落ちにくく、物が落ちやすい方向に、揺れているばあいは、引き戸の扉は、開きにくくなります。
そういった意味では、引き戸の扉の家具は、どちらの方向の揺れに対しても、地震対策となります。
開き戸の地震対策
家具で最も多いのが開き戸でしょう。
通常の開き戸では、地震の時に、中のものが暴れて、扉が開いてしまいます。
そのために、地震対策が必要です。
新しい家具であれば、対応しているものもありますが、地震ラッチの取り付けが必要です。
これは、とても簡単に、対応することができます。
地震ラッチは、ホームセンターでも、数百円程度で売られています。
取り付けについては、商品の取説を、お読みいただくことになりますが、ドライバー1本で、誰でも簡単に、取り付けることができます。
地震ラッチは、そのままでは、ロックがかかって開かず、一度押すと、ロックが解除されて開くようになります。
閉じるときは、カチッと音がするまで閉めることで、地震でも開かないようにロックされます。
開けるときは、一回押すという手間がありますが、日常の動作の中で、癖がついてしまえば、あまり気になることはないでしょう。
地震ラッチの中には、通常に使う時は、普通に開け閉めができ、地震の揺れを感知して、ロックがかかる機能のものもあります。
いずれにしても、開き戸には、地震対策が必要となります。