地震の被害を抑える収納上手 皿やコップの置き方 収納部屋の地震対策

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地震の安全性は収納方法で変わる

高い場所には、引き戸や耐震ラッチ、腰から下は引き出しで、収納家具としての、地震対策はできます。

しかし、それだけではなく、収納家具の収納方法でも、地震対策があります。

地震に備えた、収納のポイントで、もっとも単純なのは、高いところには、割れやすいものや、重たいものを置かないということです。

キッチンであれば、大皿や重たい鍋は、できる限り、腰よりも低い位置に収納します。

最近のキッチンスタイルでは、キッチンの周りの開放感を求めて、吊り戸棚などもつくらないケースも、見受けられます。

地震のことを考えれば、よい傾向です。

もし、吊り戸棚を使うとしても、現実の使用では、高くて不便なので、比較的、使用頻度の低いものが、収納されることになります。

それであれば、できる限り、包装や梱包(こんぽう)した状態で、収納しておくと、きっちり収納されて、落ちにくくなり、さらには、落ちても飛散しにくくなりますので、地震対策になる使い方といえるでしょう。

このように、扉の形での地震対策のほかに、収納方法という、暮らし方の知恵でも、地震対策を進めることができます。

とくに、割れやすい食器が収納されている、食器棚の収納方法には、コップの置き方や、お皿の積み重ね方により、地震の時の、食器の被害が大きく変わってきます。

地震対策になる食器の置き方

あなたは、お皿をどのように重ねて、収納していますか?

普通は、大きな皿を下に置き、小さな皿を順に重ねていく形が、多いかと思います。

それはそれで、ある程度は安定しているのですが、もっと地震対策になる、重ね方があるのです。

それは、いちばん下に中皿を置きます。

その上に、大きな皿を重ねます。

小さな皿は、大きな皿の上に置きます。

どうですか?

何だか、不安定ですよね。

でも、これが、いちばんいいのです。

もちろん、理由があります。

地震の時に、揺れが大きくなるのは、さらに間に、遊びがあるときです。

通常の置き方であれば、大皿の上で中皿が暴れ、中皿の上で小皿が暴れてしまいます。

しかし、中皿の上に、大皿を置くことで、皿と皿の間に遊びが少なくなります

これは、実際に重ねて実験しても、倒れにくく、飛散しにくい重ね方になります。

いちばん上の小皿は、大皿の中で動きますが、それがちょうど、揺れと反対側に動くことで、まるで、制震装置のように、エネルギーを吸収してくれる効果があるのです。

皿のほかにも、ガラスのコップの置き方にも、コツがあります。

コップの飲み口を下に、伏せて置くことが不利になります。

もともと、ガラスのコップは、日常の生活の中でも、倒れにくくなるように、考えられているのです。

そのために、重心ができる限り下になるよう、底の部分のガラスが、厚くなっています。

このようなガラスコップでは、伏せて置きますと、わざわざ倒れやすく置くことになってしまいます。

ワイングラスも同様です。

とくに、ワイングラスは、足が長くて上部が大きいので、伏せて起きたくなりますよね。

しかし、基本的には、ワインを注いでも、簡単には倒れないよう、脚の部分のガラスを、厚くして設計してあります。

保管するときには、空の状態になりますので、なおさら、伏せて置くのではなく、普通に置いた方が安定するのです。

厳密に考えれば、細い形状であったり、ガラスの厚さによっても、条件が変わることも考えられます。

その意味では、微妙なバランスの中にあることは間違いありません。

皿の重ね方ひとつとっても、常識に思っていることや、直感的に考えることとは、異なることが多いものです。

ちょっとした暮らしの知恵を知って、こまめな地震対策をしておくことが重要です。

収納部屋という地震対策

家をこれから建てるのであれば、地震対策として、大きなウォークインクローゼットを設計し、衣類を収納し、子どもの部屋など、すべての部屋に、家具を造り付けることも考えられます。

しかし、収納する物の数は、家庭によって違います。

物が少なければ、空間がもったいない設計となり、物が多ければ、やがてはタンスを足すことになりかねません。

追加されたタンスが、地震の時に、危険な状態になるであろうことは、容易に想像できます。

また、現在、住んでいる家の、地震対策を考えた時には、大規模なリフォームでもしない限りは、造り付けの家具にすることもできません。

壁際のタンスが倒れるのは、タンスの手前下側が、中心点として、円運動となるからです。

もし、タンスの手前にあるスペースが、タンスの高さ寸法よりも、短ければ、タンスは倒れてもきても、向かい側にぶつかり、床まで倒れることはありません。

じつは、タンスは、狭いところに置くのが、地震対策の家具の配置ということになります。

では、日常的に、タンスを使うのは、どれくらいのスペースが必要なのでしょう?

多くのタンスの奥行きは、60㎝前後です。

引き出しであれば、30~40㎝程度、引き出して使います。

使用する人の体格にもよりますが、タンスの前には、70㎝程度開いていれば、十分に使えます。

低い位置の引き出しは、かがまないと使えませんので、あと10㎝ほど余裕を持たせます。

いずれにしても、1メートルも空いていないので、高さが2メートル近くあるタンスが、倒れてくるはずもありません。

収納部屋(納屋)を考えておくことは、地震対策になるということです。

地震対策として収納部屋の大きさ

一般的な家では、昔からの尺寸法が使われています。

1枚の畳(たたみ)の大きさが、長辺が1間、短辺が半間の、内法(うちのり)寸法です。

内法とは、 容器・管・構造物や2本の柱の間などの内側のさし渡し寸法。(※コトバンクより引用)

地域や時代によっても寸法は違いますが、おおよそ、長辺が1メートル70㎝、短辺が85㎝ほどです。

収納は広いほどよいわけでもなく、タンスが倒れにくい納屋として使うのであれば、やはり、1間幅の空間が理想的です。

せっかくの収納スペースですから、収納家具を向かい合わせに置けば、どちらも倒れにくくなります。

片方を奥行き45㎝の収納家具にすれば、ちょうど1間幅を使いこなせます。

物がたくさんあるからといって、大きな収納を考えるのではなく、決して広くない収納部屋の方が、地震のことを考えたら、適しているということになります。

同じように、収納部屋には、高さの必要ありません。

あなたも経験があるかと思いますが、天井が高くなれば、タンスの上にも、物を置きたくなるのもです。

タンスが倒れなくても、物が落ちれば、収納部屋は、手がつけられなくなってしまいます。

また、倒れてこないからといって、安全な部屋に、なるわけでもありません。

収納家具の中から、飛び出してくるものもあります。

収納部屋にいるときに、地震に遭遇したら、とにかく逃げることです。

こうした、集中収納が家の中にあることの良さは、その部屋の地震対策だけではなく、通常使用している居間の物が、減らせるといった点でも、地震対策となりうるのです。