地震に強い家と弱い家 耐震、制震、免震の3つの手法

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地震対策の基本は耐震です

地震対策をするには、耐震・制震・免震の、3つの手法があります。

耐震とは、建物を強くすることです。

制震とは、建物をしなやかにすることです。

免震とは、地震動から逃げることです。

この3つは、それぞれ独立して、比較するものではありません。

ひとつの建物の中で、耐震、制震、免震を同時に、実施することもできます。

逆に、制震対策をしたから安心だとか、免震をしたから、ほかの対策は必要ない、ということではありません。

その中でも、最も基本となるのは、耐震によって、建物を強くすることです。

それは、建築基準法で求められている、建物の強度そのものでもあります。

建物の強度を高めた上で、制震や免震の、地震対策をすることにより、地震が発生したときに、被害を防ぎ、軽減する大きなメリットを、得ることができるのです。

それぞれに、さまざまな技術と手法があり、すべてを説明することは困難ですが、具体的な手法に特化して、解説していきたいと思います。

今住んでいる家とこれから建てる家について

現実に、地震対策を必要としているのは、既存住宅と、新築住宅です。

新築住宅は、これから建てる家ですので、どのようなことでもできます。

1つの家に、3つの地震対策を、盛り込むことも可能です。

しかし、既存住宅には、できることが限られています。

家を強くすることや、しなやかにして、地震の力を、受けられるようにすることはできますが、地震動から逃げるようにすることは、不可能ではありませんが、大きな工事になることは免れません。

結局は、建て替えという、新築としての、地震対策になってしまうかもしれません。

既存住宅で、耐震化を考える必要のある、900万戸の住宅に対して、建て替えられている、戸建て注文住宅の戸数は、およそ10万件弱でしょう。

古い家をすべて建て替えるには、100年もかかってしまう計算になります。

とても現実的な話とは思えませんし、町並みなど、失われるものも大きすぎます。

既存住宅への地震対策として、耐震化を進めることは、国にとっても大事な問題です。

現実に、国土交通省の調査によりますと、現在住んでいる家の不満点としては、1番の高齢化への対処に続き、2番目に、地震への不安があげられています。

とにかく、日本は地震の多い国です。

そして、地震に対して、家に不安を持っている人が、大勢います。

だからこそ、他の国では、考えられないような技術も、開発されています。

大きな建物で使われる、免震という、最先端の地震対策が、一般的な住宅にも、手軽に実施できる時代になっているのです。

あらためて、現在住んでいる家や、これから建てる家の、耐震、制震、免震技術を、確認してみてください。

このブログでも、解説していきたいと思います。

東京駅の耐震対策

数年前ですが、100年ぶりに、2012年10月、東京駅の丸の内駅舎が、建設当時の姿に復元されました。

東京タワーを、横にしたくらいの長さの、赤煉瓦づくりの駅舎周辺では、現在でもカメラを手にしている人が、多くいます。

周囲に建つビルからも、思わずシャッターを押す人もいます。

東京駅を毎日のように、利用する人も、観光で訪れる人も、時間があったら、訪ねてほしい場所があります。

それは、駅向かいの丸ビル1階の通路です。

その通路の床には、最初に建立された当時に、使用されていた松杭が、展示されています。

実物大のレプリカもあります。

大正時代初期のことですから、現代のように、岩盤まで杭を打ち込むことは、できませんでした。

展示されている松杭と、伝統的な事業の技を使って、これまでに建てたこともない、重い煉瓦づくりの駅舎を建てのです。

この松杭は、樹種は米松だそうです。

東京駅の建設にあたり、アメリカから輸入したのでしょう。

当時は、オランダから護岸工事の沈床(ちんしょう)等、土木工事も輸入していました。

沈床(ちんしょう)とは、河床や堤防の根もとが水流によって掘られるのを保護するために設けられる木製またはコンクリート製のマット状のもの。日本の河川工事で最も広く用いられているのは,明治初年オランダの技師 J.デ・レーケが伝えた粗朶 (そだ) 沈床で,束ね粗朶で造った格子と敷き粗朶と詰め石とを交互に重ね合せたもの。他に木の格子に石を詰めた木工沈床,コンクリートブロックを敷き並べるコンクリート単床などがある。これらはたわみ性があって,局部的に掘られた場所が生じても,沈床は破壊されずにその部分を保護する。また,この沈床の上に石張りをしたり,合掌枠を組んだり,杭を打ったりして水の流れを河川中央に導くのにも用いられる。(※コトバンクより抜粋)

建ててから、12年後、関東大震災に遭います。

しかし、まったくの無傷でした。

この松杭で、十分に地震に耐えたのです。

平成の大改修で、直さなければならなかった、損傷部分は、太平洋戦争の、東京大空襲で、壊されたものです。

そして、大改修では、この松杭は外されました。

現代の免震装置が、つけられたのです。

もちろん、用意周到に構造計算と、構造解析を行い、最新の技術を駆使したものであることは、間違いないでしょう。

でも、構造計算をすればするほど、地震を想定することになります。

そして、それは、想定外免責になることも意味します。

逆に松杭の時代には、このような明確な想定は、していなかったでしょう。

どんな地震が発生しても、とりあえず、大丈夫であろうと、経験上で信じていたのでしょう。

このように考えますと、本当に強くなったのか、わからなくなってきます。

100年近くもの間、地中に埋まって、支えてきた松杭は、腐ることもなく、そして、新たに、こうして、展示されて、人の行き来を見上げています。

ぜひ、近くを通ったら、100年の働きを労って、会いに行ってみてください。