地震に強い家と弱い家 耐震壁は安くて簡単にできる

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地震対策 壁倍率の高い壁はどうつくる?

耐震壁の強さを表わす壁倍率にも、いろいろな方法があります。

たとえば、構造用合板を止める、釘の種類とピッチを変えても、壁倍率は変わります。

ですので、より安くて、簡単にできる、耐力壁がほしいものです。

そこで国は、耐力壁の試験方法を決めて、公的な試験結果によって、壁倍率が定められるようにしています。

合板等の面材を張った壁を、横から力を加えて、壊す試験を繰り返すと、壊れる場所は、ほぼ決まります。

柱や梁のずれが大きくなり、面材の角の釘が抜けてきます。

シールがはがれるごとく、角からはがれるのです。

そういうことであれば、その面材の角の部分を、ちゃんと補強すれば、壊れにくくなるわけです。

これで、壁が強くなるということです。

このような補強金具のことを、ガセットと呼びます。

耐震補強ガセットにも、いろいろな種類があります。

構造用合板の四隅に、この耐震補強ガセットを取り付けて、規定の試験方法で、何枚もの壁を壊す試験を繰り返します。

壁倍率が高いといっても、具体的に、数値で表現しなければわかりません。

公的には、財団法人日本住宅・木材技術センターで、試験成績表が発行されます。

耐震補強ガセットをつけていない、9ミリの構造用合板だけの場合に比べて、その強さは、およそ2.5倍になります。

両面に合板を張った以上の、強さがあります。

これを一般的な耐力壁の数と比較すると、木ずりであれば12カ所分以上、筋交いであれば6カ所分以上となります。

耐震の補強をするのであれば、それだけ工事箇所が少なくてすみます。

地震対策 仕様規定と許容用応力度計算

注意しなければならない法律があります。

現実的には、構造計算とはいえない、仕様規定による壁量計算では、壁倍率は5倍までしか認められていません。

つまり、仕様規定の壁量計算で使う限りは、5倍でしか算出できないのです。

それは、安全率を考慮したものなのです。

一部に強い壁を用いると、強さのバランスが崩れる可能性も、否定できません。

しかし、建物全体の強度バランスも、算定する許容応力度による構造計算では、壁倍率7倍まで、認められています。

しっかり構造計算すれば、よりコストを下げられ、正しい使い方ができるということです。

逆に、このような法律の規定を知った上で、ウェブ上で、いろいろな耐力壁の壁倍率を確認すると、状況がよくわかります。

多くの耐力壁が、壁倍率5倍以上となっています。

正しい構造計算を避けて、計算ではない、簡易法で申請したほうが、売れる商品になると、考えているのかもしれません。

さらに、強度を達成するために、設置する箇所数も増えます。

使う量が増えることを喜ぶのは、メーカーだけでしょう。

われわれ客と、施工する工務店は喜びません。

それは、規定がある以上、正しいことでもあります。

建物の構造計算を普及させることが、本来は大切なことでもあります。

構造計算を行うかどうかの判断が、じつは、こんなことまで影響しているのです。