地震に強い家と弱い家 耐震等級3をすべての家に

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地震対策 耐震リノベーション

国の重大な施策の1つに、国民の命を守る、住宅の耐震化があります。

補助金を含め、毎年のように、普及のための法律を、重ね、施行してきました。

熊本地震(2016年4月)が発生し、国は、2016年8月に、住宅の耐震改修補助金を、30万円上乗せする方針を発表しました。

積極的に、耐震化を進めている自治体の場合では、耐震設計の全額、耐震改修費用の3分の2まで、補助金が出るところもあります。

さらに、所得税、ローン減税、固定資産税の、税制優遇や、住宅支援による、融資制度まで準備されています。

また、容積率や建坪率、または、接道等の条件で、これまでには、違法建築物として、手をつけることもできなかった住宅でも、耐震補強に関しては、工事を進めることができ、補助金の対象にもなります。

いかに真剣に国が、耐震化に取り組んでいるかの、証明でもあります。

そして、既存住宅が大切な、社会資本であるということです。

世界の中でも、住宅の資本価値を認めていない国は、日本ぐらいなものです。

家は築20年も経てば、価値はなくなるという、悪習がはびこっているのです。

しかし、耐震改修を行って、安全性が保たれれば、既存住宅の資本価値が復活するでしょう。

このときに、耐震等級3相当の家になれば、単なるリフォームではなく、リノベーションといえます。

リフォームとリノベーションの違いは、新築に戻るか、新築以上になるかの違いです。

リノベーションの言葉の中には、イノベーション(革命)とう、意味が込められています。

単に若づくりをするのではなく、オリンピック選手のような、肉体に生まれ変わるようなものでしょう。

すべての家に、耐震等級3を考えることは、大切なことです。

地震対策 耐震等級3を建て替え基準に

外壁からの工事だけで、基準強度をを確保する、SRG工法であれば、既存住宅を、耐震等級3相当の家にすることが可能です。

しかも、簡単な間取りと、外観がわかれば、耐震計画ができます。

それでも、現行法の工程を考えれば、既存住宅の耐震診断を、欠かすことはできません。

耐震診断は、国と自治体の補助もあり、安くできるか、あるいは、無償でできるとこともあります。

自治体でも多くは、耐震診断士を登録して、耐震診断を推薦しています。

また、無料の耐震診断を、宣伝している会社も多くあります。

中には、リフォーム工事や、建て替え工事を目的とした、耐震診断がないわけではありません。

リフォーム工事で、解体したついでに、耐震補強を行うことは、国土交通省の調査でも、意外と少ないのが現実です。

その前に、設備や内装のリフォーム工事に追加して、耐震等級3にすることには無理があります。

また、耐震診断で、地震への不安を話し、耐震補強と大規模リフォームの提案で、価格が高くなると、建て替えを進められます。

大手メーカーでは、新築とリフォームを、別会社にしているところも多く、新築専門の会社が、耐震診断を行えば、建て替えを勧められるでしょう。

最低基準の耐震化でもなく、建て替えばかりを勧めるのでもない、判断の基準がほしいものです。

外壁からの補強で、耐震等級3にできるか否か、その基準になると思います。

建て替えずに、耐震補強をして、残す家になるのか、または、補強しきれないことがわかって、建て替えにふみきるかの基準です。

ちょっと前まで、残すべきかどうか、迷っていた家が、耐震等級3になったと知れば、間違いなく残す家であり、人が購入してくれる家になるはずです。

新築の家でも、なかなか耐震等級3を、クリアしている家は多くありません。

新築以上の強さになる家であれば、それは、残すべき社会資本になるはずです。

リノベーションはイノベーション

耐震リノベーションが進めば、日本が抱えている、いろいろな課題をクリアする、大きなイノベーションのきっかけになります。

住宅は、国の大事な社会資本の、メインとなるべきものです。

その起点となる、耐震イノベーションでは、すべての家を、耐震等級3にするという、ビジョンが大切です。

震度7の地震を、2回も繰り返した、熊本地震を経験したわれわれは、基準強度だけでは、不安を覚え始めています。

できれば、基準の1.5倍の強度である、耐震等級3を標準化したいものです。

等級1では、新築の状態に戻しているだけです。

耐震リフォームを超え、新築時の強度以上に生まれ変わる、耐震リノベーションが、家の価値を再認識させてくれる、きっかけとなるでしょう。

真っ先に関係してくるのは、日本の空き家率が、13.5パーセントを超えた問題です。

解決するには、不要な家屋を壊し、有用な家屋を活用することです。

耐震リノベーションは、その家をこれからも活用し、住むことを決定したからこそ、行われます。

つまり、空き家にならないことを、約束しているのです。

また、耐震等級3のリノベーションが、できない家もあります。

それは倒壊の危険性がある建物です。

活用しないのであれば、街の安全を守るためにも、解体をして、新しい活用を計画するほうが、いいに決まっています。

また、人の住んでいない、既存住宅でも、耐震リノベーションのメドが立っていれば、不動産の流通にも乗りやすくなります。

地域の、行政サービスの届きやすいところに集中させ、住む人がいれば、地域の活性化にもつながります。

20年も経てば、二束三文といわれて住宅が、大きな地震にも耐え、今後何十年も使えることがわかれば、住宅の価値も高まります。

そして、欧米では普通に行われている、リバースモーゲージが可能になります。

リバースモーゲージとは、いわば、住宅資産の現金化です。

家を持っていれば、その家を担保に、老後の資金を得ることができます。

年金としての役割も担い、肥大化する社会保障費の、源泉ともなり得るのです。

日本ではこうした住宅資産が、500兆円も失われてきたといわれています。

耐震リノベーションは、社会の仕組みまでを変える、イノベーションに通じているのです。