地震対策 免震構造にはどんな方法がある?
建物に地震動を伝えない免震にするには、3つの方法があります。
- 弾力のあるゴムを使用する。
- ローラーで転がるようにする。
- 摩擦を減らして滑らせる。
どの方法でも、揺れを減衰させるための、制振ダンパーは必要です。
「1.」のゴム方式は、ゴムだけですと、重さでつぶれて、中央が膨らんでしまいますので、鋼板と交互に積み重ねたものを使用します。
大きな建物では、ほとんど、この積層ゴムが使用されています。
「2.」のローラー式では、受け面を皿状にすることによって、元の位置に戻ります。
「3.」の滑り方式では、ずれたままになってしまいますので、補助的に復元用の装置を使用します。
小規模な住宅などでは、この2つの方式がとられることが多いです。
これらの免責構造を見て気づくのは、横の揺れだけが、考えられているということです。
縦揺れに対しては、どの方式も対応できていません。
縦揺れが大きい、活断層型の地震では、これらの免震は役に立たないことになります。
地震対策 住宅に免震はできるのか?
免震が住宅で、なかなか普及しない要素のひとつは、設計の難しさがあります。
これまでにも、耐震の計算の難しさを、説明してきましたが、それに重ねて難しくなります。
法律上でも、2000年の建設省告示で、免震の扱い方が定められています。
免震で家が揺れなくなるのですから、耐震性は緩和されてもよいと思いますが、そうはいきません。
構造上最低限の四号建築でさえ、仕様の規定は増えます。
軟弱地盤はだめで、家の形状も正方形や長方形の、整った形で、細長くないことが、求められます。
さらに、地震の時には、家が動いてしまいますので、40~50㎝は、周囲から離れることと、定められています。
規定のほかにも、考えておくべきものもあります。
エアコンや給湯器の室外機も、一緒に揺れる基盤の上にのせるか、逆に、離した場所に設置しなければなりません。
ガスや上下水道などの配管も、家が動いても、切断されないようにする必要があります。
その他に、玄関ポーチも、基盤の上につくって、浮かせておかないと、アプローチとぶつかってしまいます。
同じように、庭とつながるデッキも、つくることができません。
もちろん、あとからつくることもだめです。
どうしてもつくりたいのであれば、デッキの下に、基盤が必要になります。
そして、これらがのった基盤を支えるための、本当の基礎と地盤が必要です。
このような状況を説明しようとしているときに、熊本地震の調査の中で、設置された免震装置と、その下の基礎が、壊れている建物が発見されました。
これでは、免震の価値はありません。
改めて、免震のことを、研究し直さなければなりません。
続きは、ブログにあげていきます。