南海トラフ地震の津波の想定、火災の想定。東日本大震災からの教訓

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南海トラフ地震の備えとして津波火災を検討しよう

東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)では、371件の火災が発生しました。

兵庫県の津波浸水想定では、全く津波火災には触れていません。

津波火災は、その中で159件。それは青森県から千葉県までに及びました。

焼失面積が78.4ヘクタール。

ちなみに、阪神淡路大震災では64.2ヘクタールでした。

甚大な被害は、火災学会の調査で明らかとなりました。

2013年に国は、東京都心南部の直下型地震で、全壊・焼失棟数、およそ61万棟のうち、火災は41万棟と想定してます。

兵庫県でも、コンビナートや、木造住宅密集地域などの被害が想定されます。

兵庫県は、津波火災を検討すべきです。

2014年に大阪府では、4.4万キロリットルの、石油類の流出の想定を検討しています。

想定される南海トラフ地震では、多数のタンクを、都市部の沿岸部にかかえており、津波火災の危険性が高いのです。

南海トラフ地震による火災・津波火災について。側方流動(そくほうりゅうどう)によるタンク・護岸損傷

側方流動とは、地震で地盤が液状化した際に、地盤が水平方向に移動する現象。 水道管などの地下埋設物が破損したり、基礎杭が破壊されて建物が傾斜・倒壊するなどの重大な被害が発生する場合がある。【コトバンクから引用】

東日本大震災では、津波に襲われた、石油タンクから油が漏れて、被害が大きくなりました。

阪神淡路大震災では、液状化により、御影浜のタンクの地盤が、地盤支持力を失い、側方流動で大きく変位しました。

南海トラフ地震では、その後の津波に襲われ、大惨事となる可能性があります。

2012年に消防庁が、津波被害想定を作りました。

全国85地区にある、33都道府県に、防災計画を見直すよう求めたのです。

大阪府などが改定に着手し、流出石油に引火すれば、大阪府の中心部まで、火災が及ぶとしています。

コンビナートは、多くの都市沿岸部にもあり、検討が必要です。

コンビナート火災を防ぐには、護岸地盤やタンクの液状化側方流動による、タンクの損傷対策が必要です。

軟弱な沖積層や埋め立て層により、太平洋沿岸都市部の多くは、液状化しやすい地盤です。

液状化対策として、タンク地では地下水を、作り井戸と地中壁からくみ上げ、地下水位を下げることが必要です。

阪神淡路大震災(兵庫県南部地震)で、須磨港のタンクも損傷しました。

南海トラフ地震では、タンクが地震動で損傷した後、護岸を津波が襲い、浸水し、大量の石油が流出する可能性があります。

南海トラフ地震への護岸対策は、砂柱を打つサンドドレーン工事や、護岸付近での鋼管杭の打ち込みなど、液状化や側方流動を起こさせない工事が必要です。

これには、多額の費用がかかります。

東日本大震災で、甚大な液状化の被害を受けた、東京湾岸部でも、工事が進んでいません。

想定される南海トラフ地震では、地震が長く続くため、タンクでは、スロッシング(洗面器の水があふれるような、ゆったりとした揺れ)が発生し、石油類が漏れ出す可能性があります。

十勝沖地震で、遠く離れた苫小牧で、スロッシングが生じ、火災が発生しました。

火災学会が調査した限りでは、東日本大震災で被害にあったタンクは、244基のうち、配管被害が60基、本体と配管被害は68基でした。

緊急時には、タンク本体と配管をつなぐ元弁を、閉める必要があります。

これには、遠隔操作ができる、自動開閉装置を設けて、配管が破損した際の、油の流出装置が必要です。

東日本大震災では、津波の浸水深が5メートル以上で、タンク本体に被害が発生しました。

タンク貯蔵量を、適切な量にしておくことも大切です。

南海トラフ地震に備える。ブレーカやLPガス、自動車からの出火

阪神淡路大震災では、地震後の通電で、破損した建物から出火が多く発生しました。

地震時にそれらを防止するには、ブレーカが自動的に落ちるといった、対策が必要ですが、装置は普及は芳しくありません。

火災学会の調査によると、東日本大震災では、LPガスからの出火が多くありました。

LPガスボンベが、津波で倒れ、漏れてガスに引火して、火災が起こったのです。

防止するには、高圧ホースが引っ張られると、ガス放出防止弁が作動する装置が必要でしょう。

このような装置の設置を、全世帯に普及させるには、自治体が補助金を出すなどの対策が必要です。

東日本大震災では、津波により車が水に浸かり、バッテリーと、つないだヒューズボックスからの出火が目立ちました。

津波で、避難所まで車が流されていき、そこで出火した例もありました。

宮城県石巻市は、木造密集地の避難所での、燃えたがれきによる、出火がありました。

津波火災159件のうち、建物から燃えたのは55件でした。

その中で非木造が6割を超えており、3階以上の津波避難ビルも含まれていました。

神戸市の和田岬では、避難所が木造住宅密集地にあり、避難所としての適合性の見直しも必要となります。