こんな生き物知っていますか?
うっかりカサゴ
1978年、ソビエトの雑誌にカサゴに似た魚が新種の魚として発表されました。
日本ではこの魚はカサゴと同一の種類として見なされていたため、日本の魚類学者たちは新種であると気づかなかったのです。
ようするに、うっかりしていたのです。
そこで魚類研究家の阿部宗明(あべときはる1911年4月3日~1996年8月9日)がその新種に「うっかりカサゴ」と名付けたました。
これがこの魚の標準和名となっています。
メモ
フカカサゴ科の海水魚です。東シナ海、朝鮮半島南部、宮城県以南に分布。
大きさは40センチ以上にもなります。
生息域はカサゴよりも深く、深水100メートル前後の岩礁に生息しています。
主に釣りによって漁獲され、カサゴと同じように、煮付けや鍋などで食べられます。
パンダダルマハゼ
ハゼの仲間はとても多く、その仲間のダルマハゼ属の1種にパンダダルマハゼという魚がいます。 ダルマハゼ属は頭部に細いヒゲが密生し、頭部が大きく、達磨大師(だるまだいし)を連想されます。属名はそこからきています。 なぜパンダなのでしょう。 ジャイアントパンダは目、耳、足の周囲が真っ黒で、それ以外は真っ白です。白黒のコントラストがパンダ特徴の一つです。 パンダダルマハゼは体の色が乳白色で鰭(ひれ)が黒色なので、どことなくパンダに似ています。
メモ
ハゼ科の海水魚で、インド洋、中・西部太平洋、琉球列島、小笠原諸島に分布しています。 サンゴ礁外縁部(がいえんぶ)のハナヤサイサンゴなどの枝間に生息します。生息水深は1メートルから10メートル。大きさは2センチから2.5センチくらい。 ダルマハゼ科には体色の黒いものが多いです。本種は鰭(ひれ)は黒色ですが、体は乳白色です。
カッポレ
釣り人にカッポレを踊らせる魚らしいのです。 カッポレは「かっぽれ、かっぽれ、甘茶でかっぽれ」という囃子詞(はやしことば)に合わせて踊る、見た目が滑稽なカッポレ踊りからきています。この魚がカッポレを踊るわけではありません。 引きがとても強い魚なのです。 そのため、カッポレを釣った釣り人の姿が、まるでカッポレでも踊っているように見えるのです。そこからこの魚はカッポレという名をつけられたといわれています。 漢字では当て字で「活惚」と書きます。
メモ
カッポレはアジ科の淡水魚です。インド洋の熱帯・亜熱帯、西部太平洋、三重県以南に分布します。 日本では小笠原諸島近海に多く生息し、釣り人に人気があります。 大きさは普通は60センチから90センチくらいですが、中には1メートル以上のものもいます。 成魚は外洋に面した岩礁やサンゴ礁域に小さな群れか単独で暮らしています。
ヨダレカケ
涎掛けをかけたような小さな魚です。 ユニークな名前をもつヨダレカケはイソギンポ科(沿岸の潮だまりに生息)の魚です。海岸の波打ち際の岩にくっついて暮らしています。 下唇には吸盤があり、波に流されないようにその吸盤で岩にへばりつき、岩に付いている藻などを食べます。ほとんど水中には入らず、岩陰で産卵し、オスが卵を守っています。 ヨダレカケという名前は、この下唇が赤ちゃんの涎掛けに似ていることからつけられました。英語ではpinafore blenny(エプロンをつけたギンポ)といいます。英名も和名と同じように下唇の形状から名前がつけられています。
メモ
イソギンポ科の海水魚です。南西諸島からインドネシアにかけての西部太平洋に分布しています。 大きさは10センチ前後。ウロコがなく、頭部がカエルに似ていて、細長い体をしています。 魚のくせに水中では生活せずに、岩礁などの飛沫帯(ひまつたい – 直接海水はかぶらないが、波のしぶきを浴びる、しぶき帯)に生息していて、水面上や岩場を飛び跳ねながら素早く異動します。