ヤバイ死亡保険
儲けである手数料は会社によって変わります。同じような死亡保険でも、乗り合いの代理店の場合、保険会社から受取る販売手数料は大きく異なる場合があります。
加入者への保障内容や提案内容が変わらないのであれば、販売員は、手数料の高い保険会社の商品を提案する可能性が高いでしょう。A社での手数料が10%に対し、B社では20%であれば、当然とも言えますね。
今は終身保険で貯蓄はおすすめできません
家の次に高額といわれる保険ですが、本当の必要性や商品知識を、今ひとつ理解されていない方が多いもの事実です。
終身保険については標準利率の引き上げで、保険料がアップされたり、売り止めになったりしていて、厳しい状況が続いています。
今は保険での貯蓄は考え直したほうがいいでしょう。円建ての商品はもちろん、外貨建て商品も以前と比べると、それほど魅力のある商品はありません。
円建ての終身保険や養老保険は、元本割れする商品もあります。返戻率がこれだけ低いと、インフレリスクにも対応できません。
死亡保障のための商品選びは、収入保障保険や定期保険などの、シンプルなものを1~2本選択するのがよいと思います。
おすすめできないのは、終身保険を主契約として、特約で医療や介護などの保障を付けるタイプです。いわゆる、定期保険特約付き終身型のようなもの。特約部分は更新型で、保険料が上がっていくようなものです。
これは、商品内容が複雑で、どれにいくらの保障が付いているのか、把握しにくい商品です。
いろいろな特約から、自分に必要なものを選択するというのは、デメリットも考えるべきでしょう。
選べば選ぶほど保障内容は複雑化し、保険料もアップする保険に迷ったら、保障内容と保険料を照らし合わせて考えていきましょう。
共済は老後の保障が薄い
DINKs(ディンクス-double income, no kids-子供をもたない共働きの夫婦)や、独身の方であれば、共済の死亡保険はシンプルでよいかもしれません。ただ、65歳を過ぎますと、保障内容が手薄になってきます。
老後の資産運用という点では、個人年金保険も今は厳しいでしょう。所得税の保険料控除の上限も4万円です。節税効果はそれだけでは5千円もありません。貯蓄型商品は慎重に検討したものです。
死亡保険の落とし穴
2階建ては老後の保障が薄い
定期保険特約付き終身保険と呼ばれる死亡保険は、定期保険の部分は更新型となり、満期を迎えると保障が消滅します。終身保険の保障額は要注意です。
貯蓄型は貯蓄より損です
低金利の今、円建ての終身保険などは、運用期間が短いと、元本割れをおこすケースもあります。中途解約を検討するときは要注意です。
特約で儲ける
保障内容が複雑な商品は、終身保険をベースとして、医療や介護などの特約部分で儲ける商品設計も多いです。保障はシンプルが鉄則です。
こっそりと、ワーストランキングを発表します
No1. かんぽ生命の「養老保険」
養老保険は低金利の影響で、元本割れとなるケースが少なくありません。満期になると、保険料は戻ってきますが、その金額も払込保険料からほとんど増えていないこともあります。とくに入院や手術の特約を付けると、元本割れしてしまいます。
No2. 明治安田生命保険の「ベストスタイル」
介護や通院といった、さまざまな特約から保障を選択します。商品内容が複雑になりがちな商品です。保障内容の分かりにくさからマイナス評価です。
No3. 第一生命の「ブライトWay」
主契約は終身保険として、定期保険や介護・入院保障などを特約として付加できる保険です。とくに収入保障保険については他の保険会社が単体で低い保険料で提供されている中、特約で加入すると割高になりがちです。
No4. 全国生活協同組合連合会の「生命共済」
シンプルな保障内容を評価する声が多い一方で、65歳から69歳まで加入申し込みできる熟年型は、保障の手薄さが指摘されています。
No5. 日本生命保険の「みらいのカタチ」
商品内容は複雑です。総合医療保険は入院療養給付金が日帰り入院ではなく、1泊以上が条件です。
No6. 東京海上日動あんしん生命の「終身保険(無配当)」
円建ての貯蓄型保険は、低金利の影響で運用が厳しくなっています。返戻率も低く、あえて今加入する必要はないでしょう。
No7. 個人年金保険(各社)
保険料の払込期間満了後に、一定の年金を受け取れる個人年金保険ですが、控除枠も少なく、これも現状では返戻率が低いです。