医療保険とがん保険の落とし穴。加入しないという選択肢もある

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医療保険は費用補てんというより安心の問題

払った保険料が返ってくるだけの商品もあります。たとえば、東京海上日動あんしん生命の「メディカル Kit R」は、所定の年齢まで支払った保険料の中で、入院・手術・放射線治療給付金として、受取り済みと、給付金分を差し引いてリターンの健康還付給付金として受け取ります。したがって、よく見ると自分で負担しているのとまったく同じです。

損得勘定でみれば、加入しないという選択肢もあり

保険市場の競争でもっとも激しいのが医療保険の分野です。三大疾病の保障を手厚くした商品設計は、どこも似たり寄ったりになってしまいます。

強いていうのであれば、医療保険でがんの診断給付金特約を付ける人が増えましたので、単体でがん保険に加入する人が減っていく傾向にあります。

診断給付金だけが保障ではありませんが、保険料を20年くらい支払えば、振込保険料の総額のほうが上回る可能性があります。

また、がん保険は診断給付金の給付回数が1回というのも厳しいかもしれません。

三大疾病は治療費が高額になるケースもありますが、一時金と先進医療特約目当てであれば、選択肢に入ると思います。

ただ、高額療養費制度健康保険がありますので、それを踏まえて保険で備える必要があるかどうか、これも考えたほうがいいでしょう。

医療保険不要論

こういった考えは、保険業界でも多いです。たとえば、毎月掛け捨てで4000円の保険料を払うのであれば、貯蓄で備えたほうが合理的、といった考えもあります。

保険というものは、相互扶助(助け合うこと)で、損をする人が多いので、成り立っています。

保険で損をしたくないのであれば、東京海上日動あんしん生命の「メディカル Kit R」のような商品を選択するのもよいでしょう。これは、給付金を差し引いたお金が戻ってきますから、自分で治療費を支払っているのと同じといったこともありますが。

掛け捨て嫌いの日本人の心理を突いた商品といえるでしょう。

医療・がん保険の落とし穴

そもそも高額療養費制度でカバーできる

給料が30万円から50万円で70歳未満の人の場合の、高額療養費制度について説明いたします。

治療費の合計が100万円の場合、公的保険(健康保険)で70万円をカバー、高額療養費制度の支給額が21万2570円で、自己負担は8万7430円となります。

医療保険の加入を検討する前に、ますは高額療養費制度の範囲を確認しておきましょう。

がん保険は診断給付金1回は物足りない

たとえば、毎月の保険料が4000円の場合、25年で支払う総額は120万円です。診断給付金が1回のみ支給の100万円の場合ですと、保険料のほうが高くなります。

持病があっても入れる保険は高額

加入要件や告知のバードルが低い、引受基準緩和型といわれる保険は、通常のタイプと比べて保険料が高くなります。

保険で備えるか、貯金で治療費などの損失をカバーするかは、加入前にしっかりと検討する必要があります。

持病があっても入れる保険は、オリックス生命の「医療保険 新キュア」(月払保険料1842円)と、オリックス生命の「引受基準緩和型 医療保険 新キュア・サポート」(月払保険料3125円)※35際男性、入院給付金日額5000円、終身払い、基本プラン、先進医療特約付きの場合。

医療・がん保険、損するランキング

No1. アフラックの「新 生きるためのがん保険 Days」

がんの診断一時金は無制限とする商品が多い中、特約を付加しないと、1回だけというデメリットがあります。

No2. ソニー保険の「終身がん保険」

死亡保障が付いているため、保障内容は一般的ながん保険ですが、保険料が高めです。低解約返戻金特約を付けても保険料はなお高いです。

No3. 東京海上日動あんしん生命の「メディカル Kit R」

特徴としては、保険料が所定の年齢になると戻ってきます。貯蓄ができない人には魅力かもしれませんが、これが保険といえるのか、といった声もあります。

No4. アクサ生命の「アクサダイレクトのがん終身」

診断給付金が1回、がん先進医療給付金が、500万円までしか出ません。保険料払込免除特約がない点が今ひとつでしょう。