保障内容は、がんの欧米化による治療の変化とともに変わります
昔よりも死亡率が減少したがんは、胃がん、子宮がん、肝臓がんなどのアジア系です。
これらは手術で対応します。しかし、食生活の欧米化に伴い、乳がん、大腸がん、前立腺がんなど、がんも欧米化しています。
がんの内容の変化とともに、治療も放射線治療や抗がん剤などの、薬物治療へとシフトしています。
がん保険には4つのタイプがあります
・診断一時金を支払う保険。
FWD富士生命「新がんベスト・ゴールドα」など、がん診断されると、診断給付金がもらえるタイプです。
・診断一時金プラス入院給付金を支払う保険。
オリックス生命「Believe」などは、がん診断されますと、診断給付金を支払い、入院すると入院給付金を支払うタイプの保険です。他にアクサダイレクトや楽天生命があります。
・治療費を中心に支払う保険
実際に放射性、抗がん剤、ホルモン剤の治療が始まったら、その内容ごとに給付金がもらえるタイプです。メットライフ生命、チューリッヒ生命、アフラックなど。
・治療にかかった実費を支払う保険
SBI損保「SBI損保のがん保険」など、治療にかかった金額分を補填してくるタイプです。
罹患(りかん)後の収入ダウンも深刻な問題
当然ながら、収入が減少すれば、できる治療も限られてきます。約2割の人が、がん罹患後に退職を経験していて、約6割の人が収入が減少しています。
収入の減少が治療の内容そのものに影響を与えることもあり、深刻な問題となっています。
罹患(りかん)とは病気にかかることです。
告知で一時給付金以外に治療別の給付が主流
日本人の3人に1人ががんで死亡しています。ですので、がんになったら、もうおしまいだ、と思っている人が多いかもしれません。
しかし、その思い込みは、取っ払うべきです。
がんに関しては死亡率と罹患率(りかんりつ)を分けて考えるべきでしょう。
がんにかかっても、早期発見と適切な治療で完治も多いのです。乳がんの場合、5年生存率は早期発見のステージ1であれば、約99%です。ステージ2であれば、約95%となっています。
とはいえ、がんの特徴は転移、再発にあります。
そのために、
- 入院・手術等による医療
- 再発予防の医療費
- 定期検診
の3つの費用がかかります。
多くの病気が「1.」で終わるところ、再発防止のために、5年程度通院して、投薬を受け続けるといったケースも一般的です。
がんになった場合、入院や手術中心の医療保険では、費用を賄えない理由はここにあります。
多くの人ががん保険に求めるのは、がん告知時に一時金として、100万円などが支払われる診断給付金の保障です。
この給付があれば、入院や手術はもちろん、通院しながらの投薬の費用や、健康保険対象外の新薬を試すなど、治療のために自由に使うことができます。
がん治療法が多様化する中、単なる一時金ではなく、治療に合わせて給付金が支払われるタイプの保険商品が登場しています。
メットライフ生命の「ガードエックス」は、その典型的な商品です。告知されたらがん治療給付金がもらえ、ホルモン剤治療を開始したら、給付金がもらえるなど、治療に合わせて給付されます。
「ガードエックス」は、がんと診断確定されますと、保険料が免除になるのも魅力です。
医療の進歩とともに、がん保険の進歩も著しいのです。他の保険との組み合わせをも、しっかり考えていく必要もあるでしょう。
早期がん、進行がん、再発がんで負担は異なる
がん治療は入院・手術から、通院での放射線・抗がん剤投与へとシフトしています。
ただし、がんだと判明した時点での進行具合によって、治療費の負担はかなり違ってきます。
がんの進行度はステージ0からステージ4まであり、ステージ0と1は早期がんと呼ばれ、比較的治療やその後の検診は軽度で済み、負担も限定的です。
しかし、がんが発見されたときに進行が進んでいますと、薬物療法による一次治療、二次治療、三次治療と続きます。そうなりますと、その都度、効果のある治療方法を模索しながら進められますので、スケジュールも費用も予測ができなくなります。
さらに、がんは術後2~3年以内に再発することが多く、そのため、治療後5年は定期検査を実施します。再発が発見されれば、進行がんと同じように、症状に応じてその都度治療方針を立てる形となり、ますます費用もスケジュールも予測できなくなります。
多くの人が、がん保険に加入したいと思うのは、やはり、進行がんや再発がんの費用負担を懸念するからです。
自分にとって優先度の高い保険を受け取るべし
がん保険は、これまで主契約に一時金と入院、手術に特約を付加する商品が主流でした。
それが、最近のがん保険の変化に応じて、診断一時金重視のものや、抗がん剤などの通院治療重視のもの、さらに自由診断もカバーできる実費補償タイプ、がんのステージ別で給付金が異なるものなど、ユニークな商品が多く発売されています。
医療保険との違いは?
医療保険 | がん保険 | |||
保障対象 | ○ | がんを含む疾病やけがの入院や手術 | △ | がんのみ |
一時金 | △ | 特約で上乗せ | ○ | 主契約に含まれている |
がん通院保障 | △ | がん特約でカバー | ○ | 特約でカバー |
保険料 | △ | がん保険よりも高い | ○ | 安い |
医療保険では特約としてがんを保障しますが、診断一時金はがん保険のほうが圧倒的に手厚いです。治療費だけではなく、さまざまな用途に使えます。
がん治療は入院から通院へ患者ニーズの対応に注目
日本人の2人に1人がかかるがん治療は、入院から通院に大きくシフトしています。そのために、入院給付金よりも、通院時にかかる治療費を補うニーズが高まっています。
そのニーズにもっともマッチしている保険が、チューリッヒ生命「終身ガン治療保険プレミアム」です。主契約から入院給付金をはずし、通院の治療でもっともメジャーな放射線治療とホルモン剤治療を主契約にしました。
今後のがん保険のトレンドは、このような治療別に給付を支給するタイプか、がんと診断されたら、まとまった額の一時金を支給するタイプのいずれかを、選択するのが現実的といえるでしょう。
がん保険ランキング
No1. チューリッヒ生命「終身ガン治療保険プレミアム」
昨今のがん治療のトレンドに合った保障内容で、特約も充実しています。
月払保険料 | |||
男性 | 30歳 2557円 | 40歳 3401円 | 50歳 5067円 |
女性 | 30歳 2439円 | 40歳 2927円 | 50歳 3334円 |
※主契約給付金(放射線・抗がん剤・ホルモン剤治療):月額20万円、がん通院特約:日額5000円、がん先進医療特約:通算2000万円(先進医療を受けるときの交通費・宿泊費用等に使えるがん先進医療支援給付金15万円)がん診断給付金:1回50万円、悪性新生物保険料払込免除あり、保険期間:終身、保険料払込期間:終身払
No2. オリックス生命「がん保険 ビリーブ」
保険料と保障内容とのバランスがいいです。
月払保険料 | |||
男性 | 30歳 2580円 | 40歳 3710円 | 50歳 5500円 |
女性 | 30歳 2170円 | 40歳 2850円 | 50歳 3610円 |
※がん入院給付金額:1万円、がん初回診断一時金:100万円、がん治療給付金:20万円、がん退院一時金:10万円、がん先進医療特約:あり、がん通院特約なし、保険期間:終身
No3. メットライフ生命「ガン保険 ガードエックス」
入院の有無にかかわらず、がん通院サポート給付金が1日5000円支払われる。
月払保険料 | |||
男性 | 30歳 2571円 | 40歳 3982円 | 50歳 6409円 |
女性 | 30歳 3109円 | 40歳 4338円 | 50歳 5588円 |
※充実タイプTEプラン、がん治療:悪性新生物50万円/上皮内新生物25万円、ホルモン剤治療:10万円、がん先進医療:保障あり、がん通院:日額5000円、がん診断:悪性新生物50万円/上皮内新生物25万円、がん入院:日額5000円(1入院60日目まで)/日額1万円(1入院61日目から)、保障期間:終身
No4. 東京海上日動あんしん生命「がん治療支援保険NEO」
治療が長引いたときに心強い保障内容です。
月払保険料 | |||
男性 | 30歳 2566円 | 40歳 3762円 | 50歳 6219円 |
女性 | 30歳 2525円 | 40歳 3887円 | 50歳 5195円 |
※入院給付金:日額5000円、診断給付金(上皮内新生物は1回のみ):50万円、悪性新生物初回診断特約(1回のみ):100万円、手術給付金:1回(放射線治療を含む)10万円、治療給付金(抗がん剤治療):1ヶ月こと10万円、がん先進医療特約:あり(通算2000万円)、保険期間:終身
No5. ライフネット生命「がん保険ダブルエール」
3つのタイプからニーズに合わせて選択が可能です。毎月10万円が支給される治療サポート給付金は手厚いです。
月払保険料 | |||
男性 | 30歳 2341円 | 40歳 3307円 | 50歳 5006円 |
女性 | 30歳 2793円 | 40歳 3523円 | 50歳 4122円 |
※ベーシックタイプ、がん診断一時金:100万円、上皮内新生物診断一時金:50万円、治療サポート給付金:1ヶ月10万円(無制限)、がん先進医療給付金:あり、保険期間:終身
part1」はこちらです。
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