トンチン保険で得するには、かなりの長生きが必要
トンチン保険の特徴 90才まで長生きすること
加入開始時期や年齢にもよりますが、だいたい90才前後で、支払った保険料よりも、年金支給額が上回りそうです。
それ以前になくなった場合は、下回ります。
加入後は長生きしないと損をします。
トンチン保険は、生きている間は、毎月年金を受け取れますが、死亡保障はありません。
長生きリスクに備える時流に沿った保険ですが、受取額が払込保険料を上回るのは、多くのケースで、90歳前後となり、平均寿命よりも先です。
長生きしなければ、加入しない方が得ではありますが、保険の特性上、損得勘定では、判断できません。
そもそも、亡くなるのは、いつなのか、わかりません。
トンチン保険の特徴 死亡時や中途解約は、元本割れ
年金は毎年、生きている間はもらえますが、年金開始以前に死亡したり、解約すると、返戻金は、払込保険料よりも少なくなります。
支払ったお金は、生存している人への、年金資源に回ります。
トンチン保険の特徴 老後資金の準備になります
トンチン保険に加入するのは、長生きした場合のリスクに備えることになります。
一定期間保険料を支払って、一定期間、または、生涯の年金を確保します。
健康状態の告知は必要ありません。
ただし、保険料を支払い始める契約年齢は、50才以降と遅くなります。
公的年金の繰り下げも受給対策のひとつです
請求時の年齢 | 増減率 % |
66才0ヶ月~66才11ヶ月 | 8.4~16.1 |
67才0ヶ月~67才11ヶ月 | 16.8~24.5 |
68才0ヶ月~68才11ヶ月 | 25.2~32.9 |
69才0ヶ月~69才11ヶ月 | 33.6~41.3 |
70才0ヶ月~ | 42.0 |
長生きリスクに備えるのであれば、公的年金保険の、繰り下げ受給も注目しましょう。
受給開始年齢を、65才から70才することで、年金は42%も増額できます。
これは、81才くらいから、65才から受け取る受給総額を上回ります。
参考までに、2015年の、男性の平均寿命は80.79才、女性は87.05才です。
年齢別生存者の比率は、
95才男性9.1%、女性25.5%。
90才男性25.8%、女性50.2%。
75才男性75.3%、女性88.1%。
65才男性89.4%、女性94.5%です。
トンチン保険は、損得では割り切れない
今は人生100年といわれています。
長生きすればするほど、年金を多くもらえるトンチン保険は、国内の生命保険会社が、ここ数年、つぎつぎに商品を発売し、注目を集めています。
トンチン保険の基本構成は、50才以降、一定期間保険料を払い続け、受給開始時期がくると、一定期間または生涯、年金を受け取れます。
保険料は、月額数万円以上と、決して安くはありません。
支払った保険料を年金受給額が上回る時期は、元が取れるのは、およそ、90才前後のケースが多く、返金寿命よりもずっと先です。
男性の場合、90才までに、4人に3人が亡くなります。(2015年の場合)
これでは、損をする人のほうが、圧倒的に多くなります。
しかし、これは、損得で考えるのではなく、長生きした場合、生涯の年金受取といった、安心を買うかどうか、ということでしょう。
損得で考えると、割に合わないかもしれません。
逆に考えると、長生きをリスクと考えれば、長生きせずに亡くなることは、このリスクが解消できたことになります。
損得ではなく、何のために保険にはいるのか、一度じっくり考えてみるべきではないでしょうか。
第一生命のながいき物語(※10年保証期間付き終身年金)
一生涯の受取だけではなく、一定期間の確定年金にすることもできます。
損益の分岐点は、90才くらいです。
契約年齢55才、月額保険料5万4000円、70才からの年金額は、男性51.11万円、女性41.08万円。
支払った保険料の総額より、年金受取総額が上回るのは、男性89才、女性93才から。
100才での返戻率は、男性163%、女性131%。