がん保険
がん保険は治療費の給付に着目、一時金のみは古い
がんは3大疾病のなかでも発症する割合が高いですが、早期に発見できるケースは増えています。その場合は、あまり入院はしなくてすみますが、抗がん剤治療や放射線治療などは長期通院の可能性もあり、医療費がかさみます。
一昔のがん保険は、がんと診断確定されたときに一時金がでるタイプが主流でした。一時金であれば先に給付金が手に入るので、生活費や入院の準備など他の利用にも使えて便利でした。
しかし、普通一時金は2年に1回しかもらえないため、何ヶ月も治療が続く場合には対応できない可能性もあり不安があります。そいうわけで最近では通院治療に備える保険が主流になっています。
たとえば、チューリッヒ生命の「終身ガン治療保険プレミアム」は抗がん剤や放射線治療などを月単位で給付します。この商品は医療保険に加入している人が、がんの治療費のみをカバーできるようにしています。入院給付金や診断一時金を付けずに契約することができます。主契約の20万円と先進医療特約だけであれば、40才男性で1839円まで保険料が下がります。治療費のみをカバーしたいと考える人にはよい商品でしょう。
しかし、安さにつられて手術給付を付けずに加入する人もいる可能性もあります。特約で診断一時金を付けられるなど、いろいろ設定変更ができますので確認しましょう。
他に、治療給付と一時金のいいとこ取りを狙ったのか、メットライフ生命の「ガン保険、ガードエックス」という保険です。40才男性で2485円の保険料。主契約は治療を始めたときに受け取れる一時金の治療給付金です。1年に1回給付されますので、1年以上の治療であれば次の給付金が受け取れます。ただし、最大5回までといった制限があります。
がんの診断一時金で各保険会社の扱いが異なるのは「上皮肉がん」です。この上皮肉がんは粘膜層内にがんがとどまり、再発や転移の可能性がほとんどないといわれています。保険会社によってはがんと同様の一時金を給付しますが、そのぶん保険料が高くなります。
また、診断一時金はふつう2年に1回のため、上皮肉がんで満額を受け取ると、2年以内に本当のがんになっても給付金が出ません。この仕組みも加入前に絶対に確認してください。できれば、がん診断時に保険料が免除になる特約も付けたいところです。
専門家が、がん保険でわりと重視するのが、治療法などの相談が無料で医師に相談ができる付帯サービスです。細かなサービスは保険会社によって異なりますのでよく調べましょう。
【参考】

語句
上皮肉がん……「上皮内新生物」「上皮内腫瘍」とも呼ばれ、通常の「悪性新生物」と呼ばれるがんとは区別されています。
3大疾病……がん(悪性新生物)、急性心筋梗塞、脳卒中
5大疾病……がん(悪性新生物)、心疾患、脳卒中、高血圧性疾患、糖尿病
6大疾病……急性心筋梗塞、脳卒中、高血圧性疾患、糖尿病、慢性腎不全、肝硬変