高利率の外貨建て保険に注目
予定利率の引き下げにより円建て貯蓄型保険の魅力が半減
外貨建て保険とは、日本円以外の米ドルや豪ドルなどの通貨で、保険料の支払いや、保険金の受取りができる仕組みです。使用される通貨としては、日本人が分かりやすい米ドルが圧倒的に多いです。
貯蓄性が下がった円建て貯蓄型保険の代替商品として、今、外貨建て(ドル建て)保険が注目されています。為替リスクはありますが、資産形成も可能な商品として見直されています。
外貨建て保険の種類もいろいろあり、年金保険、終身保険、介護保障付終身保険などが商品として販売されています。
マイナス金利に続いて、2017年4月には、標準利率の引き下げがありました。
標準利率とは、将来の保険金の支払いのために、保険会社が積み立てを行っている責任準備金の計算利率として義務付けている金利のことです。
これでは何のことか分かりませんね。要するに、保険料が上がるということです。我々にとっては困ることなのです。
したがって、円建ての貯蓄型保険の魅力が薄れるということになり、保険料の割引率(予定利率)の高い外貨建て保険が注目されるということです。
為替リスクはあるが、資産形成ができる商品として注目
個人年金保険や終身保険、学資保険、また、リスクを回避する分散投資を行う商品として利用されます。
保険料は外貨だけではなく円で支払うこともできます。
「平準払い」と「一時払い」の支払い方法があります。「平準払い」は、リスクが軽減できるドルコスト平均法を利用し、高いときには少なく、安いときには多く買うことで、平均購入単価を下げることができます。長期に保険料を支払いますので、若い人に向いている保険となります。
外貨建て保険のメリットとデメリット
メリットは、日本国内の円建ての保険に比べて予定利率が高く保険料が安いこと。為替変動の差益で儲けることができます。とても得をする場合もあります。
デメリットは、その反対で為替変動により損をすることです。大きな規模の保険であれば、満期保険金が払った総額よりも下回ることもあります。


なかには、このリスクを軽減することができる商品もあります。仕組みがわかりにくい場合には、プロの助言を受けましょう。

ランキングには、外貨建て介護保障付終身保険や外貨建て終身保険、外貨建て個人年金保険、外貨建て低解約返戻金型終身保険など、いろいろな種類の保険が入っています。
外貨建て(ドル建て)保険ランキング
No1 USドル建 終身保険ドルスマートS(メットライフ生命)
円建てに比べ積立利率が高く、インフレ時には強い米ドル建て終身保険です。
- 30才男性 USD 227.80$
- 40才男性 USD 282.30$
- 50才男性 USD 356.10$
- 30才女性 USD 198.60$
- 40才女性 USD 243.40$
- 50才女性 USD 302.00$
低解約返戻金プランの場合、保険料払込期間15年払込満了、保険期間終身、死亡保険金10万USドル。
当然、為替リスクはありますが、利点として積立利率が最低3%と高いことです。積立利率が実績に連動して変動するため、インフレに強い保険です。払込期間中の保険料を抑えられる、低解約返戻金プランを選択することをオススメします。米ドル建てでの保険料の支払い、保険金の受取りとなりますが、日本円でも可能です。
No2 こだわり個人年金-外貨建(マニュライフ生命)
毎月の保険料を定額のドルコスト平均法で。
- 30才男性 2万2000円
- 40才男性 3万4000円
- 50才男性 6万3000円
契約通貨1米ドル100円、積立利率2.55%、65才払済、年金月額10万円(為替レートや積立利率がこのまま推移すると仮定)
米国ドルかオーストラリアドルで運用しますが、日本円で定額の保険料を支払います。毎月設定される積立利率は、市場金利の動向により変動します。金利の変動と連動して積立利率も変動。最低保証は年1.5%となります。保険料の減額や、払込を止めたり再開したりすることができます。
No3 米ドル建 終身保険-無配当(ソニー生命)
保険期間終身、死亡保険金額10万米ドル(保険料払込期間60才払済の場合)
- 30才男性 USD 139.10$
- 40才男性 USD 232.20$
- 50才男性 USD 508.80$
為替レート確認しつつ(なかなか難しいことですが)、途中で前払いができます。学資保険としても利用。片道1銭と為替手数料が安い。
日本円に換算して保険料を払い込みます。日本円か米ドルで保険金や解約返戻金を選択できます。為替相場により、死亡した場合や解約時には、支払った保険料よりも下回ることがあります。契約は3万米ドルから。
No4 米ドル建 終身保険-低解約返戻金型、無配当(ジブラルタ生命)
保険料払込期間60才払済の場合、保険期間終身、死亡保険金額10万米ドル。
- 30才男性 USD 131.10$
- 40才男性 USD 218.10$
- 50才男性 USD 484.60$
低解約返戻金型の米ドル建終身保険。三大疾病(がん-悪性新生物・急性心筋梗塞・脳卒中)になった場合、特約付加に限り、保険金が受け取れます。保険金や解約返戻金の受取り方法は自由で、年金として受取ることもできます。
No5 米ドル建 介護保障付終身保険-低解約返戻金型、無配当 (ジブラルタ生命)
介護保障50%プランの場合、保険料払込期間60才払済、死亡保険金額10万米ドル。
- 30才男性 USD 138.50$
- 40才男性 USD 231.10$
- 50才男性 USD 512.90$
米ドル建ての終身保険で、介護、高度障害、死亡に備えられます。要介護2以上で介護年金や介護保険金がもらえます。年金として受取ることもできます。
介護保障は50%か100%のプラン選択します。100%を選択した場合、保険金をもらうと契約は解消されます。低解約返戻金型で保険料払込満了以後は返戻率が上がります。
ドル建て保険は当然リスクもあります
生命保険をドル建てにするということは、余裕資金を活かして貯蓄目的ということもあります。
ドル建て保険は比較的安価な保険料で、大きい利益を狙った保険ともいえます。
日本で売られている保険では、円建て保険が基本的には安全ですが、現在は、低い予定利率の運営となりますので、保険料が下がる望みもあまりありません。
これらの理由から、ドル建て保険を考えるのも、ひとつの手なのです。
何度も申し上げますが、ドル建ては為替リスク(為替差損)があります。このことはきちんと理解して、運営しなければなりません。
生命保険をドル建てする場合は、ちゃんと説明を受けた方がいいでしょう
ドル建ての保険選びは、商品のしくみと、為替リスクです。これを熟知する必要があります。
基本的にはFP(ファイナンシャルプランナー)等で、いろいろな保険商品を比較検討するとよいでしょう。あなたが納得できるまで、説明を受けるべきです。
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