損する保険と得する保険
日本人は貯蓄型保険を好み、掛け捨て保険を嫌う傾向にあります。金利が高い時代の貯蓄型保険は、払った額の倍はもらえるくらい、とても有効でしたが、現在は保険でお金を増やすのは難しい時代に入っています。
保険は掛け捨てを優先させたほうがいいでしょう。
たとえば、死亡保障の受取りには、掛け捨て型の収入保障保険などで、期間を限定した加入方法を行うのが基本です。
理由は、高額保険が必要になるのは、お子様が就職するまでの一定期間だからです。いつまでも同じ保険に入り続けるのはよくありません。ライフステージに合わせて保険の見直しをしましょう。
一生のうち、支払う保険料はおよそ一千万円以上といわれています。こんなにお金をかけるのですから、割安で手厚い保険を選ぶことが必要なのです。
損をする保険
商品内容ではなく、保険会社の知名度で選ぶ
大手保険会社(三井生命、日本生命、明治安田生など)の中から、明治安田生命保険の個人定期保険の場合、加入年齢30歳(男性)、保険期間10年、保険金額3000万円の保険は、
月額8010円。支払い保険料が総額96万1200円となります。
これを
ネット保険会社(チューリッヒ生命、オリックス生命、メットライフ生命など)のオリックス生命のブリッジに変更すると、
月額3476円。支払い保険料が総額41万7120円となり、これだけ安くなります。
このように、大手保険会社の商品はネット系の生命保険と比べて、割高になります。同じ保障の保険であれば、できるだけ割安の保険に加入すべきです。
保険で貯蓄にとらわれすぎている。標準利率引き下げで保険料UPでも
年々利率は低下しています。1990年には5.5%でしたが、93年4.75%、94年3.75%、96年2%、01年1.5%、13年1%、17年0.25%となり、貯蓄型保険料は軒並み値上げとなっています。
ほかに終身保険や学資保険も打撃を受けました。受取る保険料よりも、支払い額のほうが高い保険もあります。
医療費を支払える十分な貯蓄があるにもかかわらず、安心を求めて医療保険に加入する
日本人の約7割の人が医療保険に加入しています。ですが、医療費は国の保険で、ある程度はカバーできます。たとえば、30万円の医療費を支払った場合、高額医療制度から、21万2570円が国から支払われ、自己負担金は8万7430円となります。
要するに、自己負担の約9万円があなたの貯金で支払うことでできるのであれば、医療保険は必要ない、といった考え方もできます。
~70歳未満の自己負担限度額~
所得区分 | 3回までの自己負担限度額 | 4回目以降の自己負担限度額 |
年収約1160万円以上、標準報酬月額83万円以上 | 25万円2600円+(総医療費84万2000円)×1% | 14万100円 |
年収約770万円~約1160万円以上、標準報酬月額53万円~83万円以上 | 16万円7400円+(総医療費55万8000円)×1% | 9万3000円 |
年収約370万円~約770万円以上、標準報酬月額28万円~58万円以上 | 8万円100円+(総医療費26万7000円)×1% | 4万4400円 |
年収約370万円、標準報酬月額28万円以下 | 5万円7600円 | 4万4400円 |
低所得者(住民税非課税) | 3万円5400円 | 2万4600円 |
得をする保険
年々進化する医療保険は三大疾病一時金の対象範囲が肝要
急性心筋梗塞と心疾病、脳卒中と脳血管疾患はまったく別物です。
三大疾病といえば、悪性腫瘍、急性心筋梗塞、脳卒中のことです。これは狭心症などの心臓病は対象外です。でも、かしこく選択すれば、心疾病や脳血管疾患の全般を保障してくれる医療保険があります。
たとえば、オリックス生命の医療保険の新キュアの場合、入院給付金の保障範囲は広いですが、一時金特約の範囲は狭いです。
新キュアは、急性心筋梗塞のみの保障ですが、メットライフ生命のフレキシィSは心疾患全体です。
同じ三大疾病でも、定義が異なってきます。よく考えて契約しましょう。
期間限定の掛け捨て保険で無駄なく保障を確保しましょう
保険料を減らすには掛け捨て型の選択が最善です。
世帯主死亡時の高額保障は掛け捨て以外不可能です。子どもの就職まで、または定年までなど、期間を限定して加入するのがベストです。
掛け捨てであれば、保険料の負担が軽いので、効率的に備えられます。
定期保険は保険期間満了までの保険額は変わりませんが、収入保障保険の保険額はだんだんと少なくなりますので、注意が必要です。
たとえば、30歳男性で、
保険会社 | オリックス生命 | オリックス生命 |
商品名 | 定期保険Bridge(ブリッジ) | 家族を支える保険keep(キープ) |
保険金額 | 1000万円 | 月額15万円 |
保険料支払期間 | 20年満了 | 55歳満了 |
月額保険料 | 1688円 | 3210円 |
などが候補でしょう。
非喫煙者はBMIと血圧を確認しましょう
健康人であれば保険料は安くなります。
非喫煙は最低条件です。喫煙や血圧、BMIなどの一定の条件を満たすと、保険料が安くなります。
保険会社によって異なりますが、標準体との差は半額以下になる場合もあります。
非喫煙期間は1年から2年ですが、家族のお守りは1年です。
喫煙者は、健康体割引を実施していないオリックス生命などを選択しましょう。
35歳男性、年金月額20万円、保険期間60歳、最低保険期間2年で、差を見てましょう。
損保ジャパンひまわり生命保険の「家族のお守り」は、標準体で月額保険料6860円。非喫煙者健康体は4780円となり、その差は2080円なり。安いでしょう!
非禁煙期間1年、BMI18~27、血圧最低90未満、最高140未満を満たせばオーケーです。