「冷え性」健康を害したら食べて治す栄養学
冷え性は、昔から日本人の女性に多いのです。特に更年期の年代と20才前後の年代の女性。3人に1人は冷え性で悩んでいるといわれています。
一ヶ所だけではなく、腰や下腹部、手足の先、関節など多発的に起こることもあります。症状の程度は人によりさまざまですが、ひどいときには、月経痛、めまい、立ちくらみ、腰痛、下腹部痛なども起こります。
冷え性の原因としては、ホルモンや自律神経の変調、貧血、消化・吸収力の低下など、全身での生理作用の低下が影響していると考えられています。
冷え性が直接の原因で重い病気にかかることは、ほとんどありませんが、改善すればよくなることがたくさんあるのです。低血圧や頻尿も改善され、血色が悪かった肌もよくなります。
冷え性を改善するには、一番は体を冷やさないことです。きゅうりやなす、ピーマンなどの野菜を生で食べると体を冷やしてしまいますので、注意が必要です。また、スイカや柿、みかんなども体を冷やす作用があります。
体を温める食べ物は、かぼちゃ、ごぼう、にんにく、ごま、しょうがなどです。これらの食材を上手に使いましょう。
たんぱく質、ビタミン、ミネラルを摂取して体温を上げましょう
また、北海道や東北地方などの、寒い地方で食べられている郷土料理や食材は、体を温めるものが多いでの参考になると思います。逆に温暖な地域で食べられるものや、夏の旬な食べ物は体を冷やすものが多いです。
筋肉量が少ない人は基礎代謝も低いので、体温が上がりにくくなります。代謝量が多い人は、食べたものをためないで、エネルギーとして発熱しますので、平熱も高くなり、冷えを感じることが少なくなるのです。定期的な運動で筋肉をつけて、冷え性を改善することも可能です。
冷え性が原因で起こる症状として、低血圧、血行不良、皮下脂肪の増加、体温調節機能の低下、筋肉量の減少、ホルモンバランスの崩れなどがあります。
薬湯も効果的です。お風呂は40℃くらいのぬるめのお湯で、時間をかけて入るのがオススメです。冬至にゆず湯に入るとカゼをひかないといわれます。これはゆずの果皮に含まれている芳香性の揮発油が温熱効果を高め、体を温めるからです。その他、ヨモギや大根の葉なども保温・温熱効果があります。
食事をちゃんととることも大切です。栄養不足や飢餓状態ですと、冷え性に対して好ましくありません。冷えを防ぎ、生理作用を活性化させるには、良質なたんぱく質、ビタミンB、C、Eなど、各種ミネラル類をまんべんなく摂取することが大事です。神経によい作用がはたらき、血行の促進をはかることができます。
語句
薬湯……やくとう – 薬剤・薬草などを入れた浴用の湯。くすりゆ。
冬至……とうじ – 二十四節気の一つ。太陽暦の十二月二十二日ごろ。太陽が冬至点を通過するときで、北半球では夜が最も長く、昼が最も短くなる。
「低体温」 – 健康を害したら食べて治す栄養学
低体温になる原因は4つ
- 体の中でつくられる熱量が少ない。
- 体の熱が奪われた状態になる。
- 寒い環境にいる。
- 体温調節機能の低下。
循環している血液やその他の仕組みによって、人間の体は、約37度の体温に保たれています。ですが、体温が31度を大きく下回ると、毛穴を閉じて体を震わせるなど、皮膚や皮下組織は熱をつくるための防御機構が働くなり、自分の力では体温を上げることができなくなります。体温が28度を下回ると死亡する率が上がります。
1957年(昭和32年)は平熱の平均値が36.89度でしたが、近年は体温の低い人が多いと問題になっています。原因としては、不規則な生活や運動量の低下などがあげられます。
健康リスクは体温が低いと上がります。体温が1度下がると免疫力は30パーセントから40パーセント低下するといわれます。
体の中心部の温度が35度以下になると、低体温症という病気になることもあります。女性では不妊や美容面でのダメージの原因にもなりますので、注意したいです。
平熱36.5度から37.1度で、体の中の酵素が活発に働く
平熱の体温は人によりさまざまですが、36.5度から37.1度が体内の酵素が活発に働く温度だといわれています。平熱が低い人は、この温度まで体温を上げることで、良好な健康状態を保てるといわれています。
不快感の伴うカゼなどの発熱などから、体温が高ければ高いほどよい、というわけではありません。カゼを引いたときの発熱は、ウィルス(感染症)や、ばい菌(外傷)から体を守ろうとする、防御反応ですので、これは健康状態が良好ではない、ということになります。
体温が高すぎる状態が続くことは、逆に身体的リスクにつながります。なぜなら、人間の体はたんぱく質でできているからです。ゆで卵を冷やしても元には戻りません。たんぱく質は熱によって一度変化すると、戻らない性質を持っています。これを不可逆性といいます。
水銀温度計の目盛りは42度までしかない
そのため、人間も高熱が続くと細胞が死滅することがあるのです。やけどなどで経験している人もいるでしょう。
実際に40度の高熱が続くと、脳障害を起こす可能性もあります。水銀温度計の目盛りは42度までしかないのは、それ以上の体温になると、命に関わる恐れがあるためなのです。
なお、お酒を飲むと、血管が拡張するので、体が温かく感じますが、トレイが近くなると、体温が奪われやすくなりますので、お酒の大好きな人は注意してください。(それは私です)