初霜と初氷
秋の終わりの頃、冷たい風と共に、冬が近いことを感じます。
さらに、初霜や初氷は、寒い季節の到来を実感させます。
朝早く、草や木に、霜が降りて、白くなったり、水たまりの表面が、薄く凍っていたら、気温が氷点下となった証拠です。
場所によって、初霜や初氷の発生は、大きな違いがあります。
初霜は、標高が高い場所にある、北海道や、北日本での都市などが、最も早く、10月上旬から下旬の間に見られます。
その後は、本州や、四国などの都市では11月、中国、九州地方の一部では、ほとんどが、12月に見られます。
関東地方でも、東京や横浜などは、12月中旬頃にに見られます。
山口県の下関や、紀伊半島南端、四国などでは1月と、地域によって大きな差があります。
霜は、気温の低下によって、空気中の水蒸気が、気体から、いきなり個体になり、細かな結晶となり、植物や地面の表面に付着したものです。
空気中の水蒸気が、気体から、いきなり個体になることを、昇華(しょうか)といいます。
霜には、雪のように、気象条件によっては、形状が羽毛のような形になったり、針のように細くなったりと、いろいろな形状になります。
気温が、氷点下近くまで、下がらないと、霜はできません。
でも、最低気温が、3℃以下まで下がると、霜が降りることが多いです。
なぜ、氷点下ではなく、3℃とずれているかといいますと、
気温を観測する位置が、地上から1.5㍍の高さだからです。
放射冷却によって、冷え込んだときには、地上1.5㍍では、3℃以下でも、地面の表面では、0℃を下回り、霜が降りるというわけなのです。
農作物などを、霜害から守るには、十分、気温に注意する必要があります。
初氷の場合、普通は、初霜よりも、1週間程度遅れて、観測されることが多いです。
それは当たり前で、水が凍るには、初霜よりも、温度が下がらなければならないからです。
初霜の後に、だんだん気温が低下し、地表の空気が、さらに低くなっているとき、冷え込むと、初氷が見られるでしょう。