霜の季節
1年を通して、霜は発生します。
しかし、多くは晩秋(秋の終わり)に見られます。
紅葉した木々を包み込む、霧の、幻想的な景色は、俳句にも多く詠(よ)まれるように、季語にもなり、日本の風物詩となっています。
秋に発生する霧は、季節が冬に近づいていく、証明でもあります。
発生する場所や、しくみなどによって、霧はいろいろな種類があります。
秋に発生しやすいのは、放射霧です。
風も弱く、天気が良い、移動性高気圧に覆われた夜間から、早朝にかけて、急速に地上の熱が奪われ、冷え込む、放射冷却が原因で発生します。
前日に雨が降り、空気中に、水分が多く含まれている場合、濃霧になりやすいです。。
ただ、太陽が昇り、気温が上昇すると、霧はなくなり、晴れになることが多いです。
山間の盆地などにみられる盆地霧が、放射霧の代表的なものです。
くぼんだ形状の、盆地内の空気は、空気が冷えやすく、安定しているため、周囲が山で囲まれているので、冷気がたまり、霧が発生しやすいのです。
さらに、あまり空気が移動しませんので、盆地に発生した霧が溜まり、山の上から見ると、盆地全体に、霧の笠をかぶったような、幻想的な光景を見ることができます。
盆地の周囲が、閉じた形状ではなく、たとえば、川などにより、一部が開いたような形状ですと、重く冷たい空気が、霧と一緒に流れだし、強風を吹かせることもあります。
一方、放射霧が発生するのは、地表の気温が、放射冷却によって、強烈に冷やされたときです。
このとき、上空の空気の気温が、地表近くの空気より、高いといった、逆転層ができていて、霧がある高さまで昇ったとき、横に広がる現象が見られます。
ほかに、蒸気霧は、秋に発生しやすいです。
蒸気霧は、湖や川の上に広がります。
これは、冷たい空気によって、水面から蒸発した水蒸気が、冷やされることで発生します。