宇宙から天気を見ている
約40年前から日本では宇宙から気象観測衛星による気象観測を行ってきました。その衛星は「ひまわり」と呼ばれています。
6号は2015年7月22日に観測を終了しています。現在は7号と8号が気象観測を行っています。
今後、9号はひまわり8号のバックアップ後、2022年から運用予定となっております。
静止衛星軌道にいる衛星は、その速度が地球の自転速度と見合っているため、赤道上空で静止していることと同じことなので、衛星から見える地球は常に同じです。
そのため、気象観測にはうってつけの場所にいることになります。特に日本の東に広がる太平洋上の気象状況を知ることは、台風についての情報を収集するために非常に重要不可欠なことです。
高度3万6000キロメートルから24時間、気象観測衛星「ひまわり」が監視している
「ひまわり」は、眼下の地球について全球撮影と北半球だけの撮影を繰り返し行っています。「ひまわり」が撮影するのは、可視光線による画像と赤外線を観測した画像、さらに水蒸気を観測した画像となります。
可視光線による画像は上空から見える風景そのものですが、夜になると観測できないといった弱点があります。
一方、赤外線による画像は24時間観測が可能です。赤外線による画像では、気温が低いほど白く写ります。そのため、高く発達した積乱雲などの雲頂が白くはっきりと観測できるなど、雲の成長ぐあいを正確に観測できるため、非常に有効な観測画像を得ることができます。
水蒸気観測画像も赤外線による観測一種ですが、水蒸気によって吸収される波長を観測することにより、水蒸気の分布がわかります。
雲の発達のようすや水蒸気の変化をしることは、天気予報をより正確なものにするため欠かすことのできない大事な情報なのです。
参考
可視画像
水蒸気画像
赤外画像
語句
ひまわりは、気象観測を行う日本の静止衛星・気象衛星の愛称である。1号から5号までの正式名称は静止気象衛星GMS (Geostationary Meteorological Satellite) 、6号と7号は運輸多目的衛星MTSAT (Multi-functional Transport Satellite) である。「ひまわり」は世界気象機関 (WMO) と国際科学会議 (ICSU) が共同で行なった地球大気観測計画 (GARP) の一環として計画されたもので、得られた気象情報を日本国内だけでなく、東アジア・太平洋地域の他国にも提供している。2015年7月7日より、ひまわり8号が気象観測を行っている[1]。また、ひまわり9号が、2022年から運用される見通しである。
可視光線……肉眼で感じる電磁波。波長は380~800ナノメートル程度。すなわち普通の意味の光線。