春一番とは春の彼岸までに吹く春の訪れを告げる強い南風のこと

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春一番とはなんでしょうか

冬型の気圧配置が弱まり、春の陽気が感じられる頃になると、日本の南海上を西から東へ低気圧が通過して、太平洋岸に雨や雪ををもたらすようになります。

その低気圧の中には中国大陸の北方で発生し、東シナ海から朝鮮半島の上を通過し、日本海へと進むものもあります。この場合の低気圧は、冷たく乾燥した冬の季節風が日本海で水蒸気をたっぷり吸収して日本海側に雪を降らせるのと同様に、日本海上で発達して前線をともなうようになります。

その日本海上にある低気圧に向かって南から風が吹き込みます。その風のある基準を超えた最初のものを春一番といいます。

春一番が観測される関東地方から九州地方では要件が微妙に異なります。関東地方では、立春から春分の日までに風速が秒速8メートル以上になったものを指します。いくら強い風でも立春前や春分後のものは春一番とはいいません。春一番が観測されない年もあります。

春のお彼岸までに吹く、春の訪れを告げる強い南風のことです

春一番という言葉のニュアンスから、春の訪れを感じさせるさわやかな暖かい風というイメージを抱きがちですが、実際はその風を恐れるためにつけられた名称なのです。

発達した低気圧に南から吹き込む風は、低気圧から延びる前線をますます発達させ、寒冷前線の下では強い雨や雷も発生します。また、寒冷前線の通過後には、南の風から北から風に風向きが変化し、気温も急激に低下し、西高東低の冬型の気圧配置になります。

関東地方では2012年に、12年ぶりに春分の日までに春一番が観測されませんでした。それを過ぎた3月下旬と4月上旬に日本海で発達する低気圧に秒速20メートルを超える南風が吹き込み、各地に被害をもたらしました。

春一番と呼ばれる風の条件

  1. 2月4日ごろから3月21日(立春から春分までの間)ころに観測される。
  2. 日本海に低気圧があること。
  3. 強い南寄りの風、風向きは東南東から西南西まで、秒速8メートルが吹き、気温が上昇すること。

語句

前線……暖気団と寒気団が接触するとき、その境界面が地表面と交わる線。寒冷前線・温暖前線・停滞前線などがある。