気象と天気の疑問 なぜ花粉症は春に流行するのだろう?

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花粉症が春に流行するのはなぜ?

春先に飛散するスギの花粉による花粉症の飛散量は前年夏の気候に大きく関係しています

花粉症で目や鼻、口の中の粘膜に違和感を感じて、くしゃみや鼻水、目のかゆみなどに悩まされている多くの人がいます。それが春に限ったことではなく、1年を通じてみられるものです。

もちろん、日本人にかぎったものではなく、世界中で見られるもので、これは古くからありました。

この花粉症の中で最も患者数が多いのは、なんといってもスギ花粉によるものです。従って春に目立つことになります。日本では約2500万人以上がスギによる花粉症を患っています。今は国民病とさえいわれています。

なぜスギ花粉だけがこれほど目立つのでしょう

国が1960年ころから、北海道と沖縄をのぞく全国の山地に大規模なスギの植林を推奨してきたからです。林業を盛んにするために行った政策ですが、林業の衰退などにより、多くのスギが伐採されずに山地に残されています。そのためにいろいろな花粉がある中でも。スギ花粉が突出した飛散量になってしまうのです。

スギは夏に雄花を生長させます。花粉とは雄花が受粉のために飛散させるものですので、雄花の量が大きな意味を持つことになります。

スギは2月に入ると花粉を飛ばし始めます。その後、気温の上昇とともに、花粉の飛散量を増やしていき、5月の初旬ころまで多くの人を苦しめます。ようするに、飛散する花粉の量は前年の夏の気温が大きく関係してくるのです。

夏の気温が高く、日射量が多いと、盛んに成長した雄花から大量の花粉が飛散して、温度が低いと飛散量が少なくなります。また、大量に飛散した翌年は、飛散量が減る傾向にあります。