梅雨はどうして起こるのでしょう
春から夏に変わっていく日本の四季ですが、その間に第5の季節というべき梅雨があります。梅雨の間は日本列島の南に東西に長く延びた前線が居座るため、曇りや雨のうっとうしい天気が続きます。その停滞前線を梅雨前線といいます。日本では2種類の梅雨前線を見ることができます。
春も後半になると、インドやインドシナ半島などの南アジアでモンスーンと呼ばれる南西の季節風が吹き出します。すると、中国大陸南部で揚子江気団との間に停滞前線が発生し、偏西風にのって東へ移動します。
これが沖縄付近に現れるのが日本で最初に確認される梅雨前線です。このようにしてつくられる梅雨前線は、西日本と南日本で見られるものです。
春から夏に変わろうとしているときに、性質の異なる南北の気団の境に梅雨前線ができる
一方、その後さらに勢力を増したモンスーンは、それまでヒマラヤ山脈の南側を流れていた偏西風とジェット気流を北に押し戻します。
すると、どちらもヒマラヤ山脈とチベット高原にぶつかり、南北に分かれて流れるようになります。南北に分断された偏西風とジェット気流は、北海道の北でふたたび合流しオホーツク海高気圧になります。
この時期には小笠原気団による太平洋高気圧も勢力を増して北へ張り出してきます。同じ高気圧であっても、南の暖かい高気圧と北の乾燥した太平洋高気圧の間に前線が発生します。
これが東日本と北日本で見られる梅雨前線です。
実際に観測される梅雨前線は、西日本型のものが長く東日本まで延びているものや、東日本型のものが九州の先まで延びているものもあり、あるいは両者が合体したものなど、さまざまなパターンがあるのです。