上空に氷晶を持たない赤道周辺の低緯度地方では暖かい雨が降る

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暖かい雨とはどんな雨でしょうか

低緯度地方の赤道付近で降る雨は、暖かい雨と呼ばれる雨が多いです。

高度が1000メートル高くなると、通常、約6.5℃気温が下がります。それは、地上の気温が30℃と暑くても、10000メートル上空の対流圏界面付近では65℃も低く、マイナス30℃を下回ることになります。

対流圏界面まで雨を降らせる雲が広がっている場合、上層部の雲には氷晶ができ、その氷晶が降下するにしたがい溶けて、雨となるのが一般的な降雨です。しかし低緯度地方の赤道付近では、それとは異なる仕組みで雨が降ります。それが暖かい雨なのです。

低緯度地方の赤道周辺では、上空に氷晶をもたない雨が降る

たとえば南太平洋では、強烈な日差しによって海水からさかんに水蒸気が蒸発し、上昇気流が発生して積雲が生まれます。積雲は気温の上昇とともに、さらに発達して積乱雲となります。

■積雲、積乱雲について

北半球(陸)では複雑な天気となり南半球(海)では強烈な風が吹く
南半球は海半球といわれるように海が多く北半球は陸半球といわれるように陸が多いのです。海半球の南半球では強烈な風が吹き陸半球の北半球では気候は複雑になる。海が多い南半球では大気は海面から大きな摩擦を受けることはありません。そのため南半球では強い風速のまま直進し北半球では陸の摩擦によってその力が弱められる偏西風が吹きます。

それと同時に、海水中の塩の粒子が波風によって大気中に飛び出します。凝結核としての役割を果たす塩粒子は、吸湿性がたいへん高いので、積乱雲の中の水蒸気を容易に吸収し、雲粒から雨粒へと成長していきます。

積乱雲の上昇気流では支えられないほど大きな雨粒ができたときに、その雨粒が下へ落ちていきます。すると、落下速度は雲粒よりも速いので、下にある小さな雨粒や雲粒を吸収してさらに大きくなり、雨となって降りそそぎます。

積乱雲の雲頂が低くて十分に温度が低くならず、内部が水蒸気ばかりで氷晶ができなくても、塩粒子があれば雨粒ができて雨が降るのです。

南の島でよくあるスコールは暖かい雨の代表です。その降雨時間は短いのが特徴です。

語句

氷晶……ひょうしょう – 大気中の水蒸気がセ氏零度以下に冷却されたときに生じる微細な氷の結晶。

対流圏界面……(たいりゅうけんかいめん、英: tropopause)は、地球の大気圏内にある対流圏と成層圏の境界領域である。 対流圏は地球の大気層の中で最も下にあり、気象現象の起こる層である。 地表から始まり、高さの範囲は平均して両極では6km、赤道では17kmほどである。(Wikipediaから)

凝結核……ぎょうけつかく –
(1)大気中に浮遊する液体または固体の微粒子(エアロゾル)で、水蒸気が凝結して水滴を作る時の核となるもの。燃焼生成物・粘土粒子・海塩粒子など。
(2)一般に、気相内部で液滴が凝結するときの核になる物質。

雲粒……うんりゅう、くもつぶ – 雲を構成する水滴や氷結晶(氷晶)のこと。

雲頂……うんちょう – 雲の最も高い部分。