雷と夕立はなぜ起こるのでしょう
夏に日中、太陽に照らされた地表はその上の空気を暖めます。そうすると、その空気は上昇気流となってのぼっていきます。その上昇気流が強くなると積雲がつくられます。
そこへさらに上昇気流が加わりますと、積雲がさらに大きく発達して雄大積雲となります。その雄大積雲が夏の空を象徴する入道雲なのです。
入道雲がさらに発達して対流圏界面まで達しますと、今度は積乱雲となって、雷を発生させたり、夕立を降らせたりします。
今までの晴天がうそのように急に曇り、暗転した空から強い雨が降り注ぎ、短時間で止み、何事もなかったかのように、ふたたび空が晴れわたるのです。
このような雨を、天気予報などでも夕立を呼んでいますが、夕立は、ほかの雨と違った降り方があるわけではありません。これはにわか雨や雷雨のことなのです。夕立という名は、夏を象徴するような独特の呼び方なのです。
夏の日射に熱せられた地表の空気が上昇して、積乱雲となって発生するのが夕立
夕立とともに、たいていは雷も発生します。積乱雲の中では氷晶がひょうやあられに成長していきますが、それらは激しい気流の中で衝突します。
すると、小さな氷晶はプラスに帯電して上の方に集まっていき、大きなあられはマイナイスに帯電して下の方に集まります。
そのうちに上下の電位差が限界を超えると積乱雲の中で放電が発生します。それが稲妻です。
積乱雲の下の地上も、下の方にある、マイナスに帯電したあられに誘導されて、プラスの電気を帯び始めます。すると、積乱雲から地上へ向かって放電が起こります。これが地上に落ちる雷です。
落雷時には雷鳴をともないます。本来であればそれは、電気が通りづらい空気中を無理矢理通過するために発生する衝撃音なのです。
語句
積雲……せきうん- 底はほぼ水平で、上面がドーム状に隆起した厚い雲。よく晴れた日中に垂直方向へ発達する。綿雲わたぐも。
氷晶……ひょうしょう – 気中の水蒸気がセ氏零度以下に冷却されたときに生じる微細な氷の結晶。