コンクリートだらけの都市では夏の夜を冷やせないので熱帯夜となる

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気象と天気の疑問 part46 ~熱帯夜はなぜ起こるのでしょうか

夜になっても昼間の暑さがそのまま続き、最低気温が25℃を下回らない夏の夜の、寝苦しい熱帯夜も、ゲリラ豪雨と同じように、ヒートアイランド現象によるものと考えられています。特に風のない夜に熱帯夜は多く発生します。

道路がアスファルトで覆われ、コンクリートの建物が林立する現代都市は、太陽の日射から膨大な熱を吸収します。

太陽からの熱を蓄積し、その日の日没とともにスムーズに排熱されれば、問題がないのですが、排出しきれないために、ひと晩中熱を発し続けることになります。

特に風の弱い日などは、夜に排出される熱が、そのままとどまるために、夜中になっても気温が下がらないのです。

コンクリートにおおわれた都市部では夏の夜を冷やすことができません

そうなった場合、各家庭でエアコンが使用されます。エアコンの普及率は全国平均で約90パーセントといわれています。今や各家庭に広く普及しています。

熱帯夜では眠れませんので、私たちがエアコンを利用するのは当然のことといえます。寝られないどころが、命さえ奪われる熱中症のほうがもっと恐ろしいですから。

エアコンは室内の熱を室外機から排出させます。これにより、夜間の気温をますます上げてしまいます。残念なことに、熱帯夜の対策として使用されるエアコンが、さらに熱帯夜を促進させてしまうといった、負のサイクルに陥っているのです。

1940年代までは、東京や大阪での熱帯夜の発生件数は、年間に10日程度だったのです。今や40日にせまるほどの頻度で発生しています。

期間も長期化して、以前には7月から8月の間の1ヶ月程度だったのが、現在では6月から9月中旬ころまで発生しています。

発生場所も東京や大阪の大都市のみではなく、地方都市にも広がっています。特に西日本で増加傾向にあります。

熱中症で救急搬送された人の割合は、65才以上がほぼ半数を占めています。水分補給で防げますので、気をつけてください。