気象と天気の疑問 part51 ~木枯らし1号とはどんなもの?~
秋も深まり、11月に入ると、冬の訪れを感じだすころになります。おだやかな陽気が続いているときも、一時的ですが、冬型の西高東低の気圧配置になる場合があります。このころの冬型の気圧配置は長続きはしませんが、北か北西の方向から冷たい風が吹いてきます。
この風は紅葉している木の葉を散らしてしまい、枯れ木のごとくしてしまいます。この強く吹く風を木枯らしと呼んでいます。
その木枯らしのなかで、太平洋側でその年初めて、秒速8メートル以上の風速が観測されたものを「木枯らし1号」といいます。
木枯らし1号とは、秋の終わりに、その年に初めて吹いた北西の強風
関東地方と近畿地方のみで、木枯らし1号が観測されると、気象庁から発表されます。
木枯らし1号が観測されるのはどの地方でも、11月初旬の立冬のころが、多くなっています。初春に吹く春一番に対応したものが、木枯らし1号です。
西高東低の気圧配置で吹かせる木枯らしは、上空への寒気の入り込みが一時的なため、真冬の西高東低の気圧配置ほどには、寒気が厳しいものにはなりません。
そのため、北海道地方では雪にる場合が多いですが、本州の日本海側では雪は降らずに雨が降ります。
また、木枯らしをもたらすのは、西の高気圧が移動性高気圧のため、 西高東低の気圧配置が弱まりますと、日本列島はふたたび移動性高気 圧におおわれて、秋の陽気に戻ります。
木枯らしが吹くたびに木々は葉を散らし、紅葉の終わりへと向かいます。木枯らしが吹いたのち、秋の陽気に戻るということを繰り返しながら、徐々に本格的な冬になっていくのです。
木々も葉を落として、枯れ葉が敷きつめられた山道を歩くと、いよ いよ冬が近いことを実感します。この時期には山の動物たちも、冬の準備で大忙しなんです。