太平洋側はどうして冬は晴れが多いのでしょう?
日本の冬の気候は、大陸からの乾燥した寒気が、日本海を渡るうちに、たっぷりと水蒸気を吸収し、湿ったまま日本列島の中央部にそびえる脊梁山脈(せきりょうさんみゃく)にぶつかります。
その斜面を上昇するときに積乱雲を形成して、雨や雪を降らせたことによって水蒸気を失い、ふたたび乾燥した状態で山を下って太平洋側に吹き込みます。
そうして、乾燥した空気におおわれた太平洋側の平野部を晴天にします。
山脈を分け隔て、日本海側と太平洋側の天候が見事なほどに対称的となります。
太平洋側に晴天をもたらす空気は、大陸からの寒気なので、晴天とはいえ気温は低いままです。
日本海側で雪を降らせた季節風は水蒸気を失い、太平洋側に乾燥した晴天をもたらす
山を下る乾 燥した強風は、フエーン現象によって吹く風ですが、気温の上昇をもたらさないために、フエーン現象とは呼ばれません。
山のふもとにあたる群馬県などでは、いちだんと強く吹くので、昔から「上州のからっ風」や「赤城おろし」、または、「榛名おろし」などと呼ばれています。
ただし名古屋方面の中部地方の太平洋側では、日本海側との境にある山の高度が低いために、北からの空気が乾燥しきらずに、雨や雪をともなったまま流れ込むことがしばしばあります。
そのために、東海道新幹線の運行に影響を与えたりもします。
この乾燥した冬の季節風によって、太平洋側では湿度が抵下するので、風邪やインフルエンザが流行するのもこの季節になります。
また、暖房を使う季節でもあるので、火事の件数も多くなります。注意してください。