再生可能エネルギーと日本の気候との関係

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日本では太陽光や風力発電よりも、小規模水力と地熱発電を活用したほうがいい

福島第一原子力発電所は、東日本大震災によって引き起こされた巨大津波によって、放射能が漏れだすという大事故が発生し、大きな被害を受けました。

それいらい、原子力発電に頼らない発電方法として、再生可能エネルギーによる発電が大きな関心を呼んでいます。

そのなかで、よく知られているのが太陽光発電でしょう。太陽電池パネルにより、日射を受けて発電しようというもので、屋外やビルなどの屋上、一般家庭の屋根に設置したりして、自家消費する電力を発電させます。

風力発電は、海上や海岸、あるいは山の稜線に大きな風車をたくさん設置して、発電しようというものです。

太陽光発電が日中しか有効でないのに対して、風力発電は24時間発電できます。

日本と同様に火山国であるアイスランドでは、首都レイキャヴィーク近郊にある地熱発電所などで地熱発電が盛んに利用されています

スペインやドイツでは、積極的に太陽光発電が利用されています。アメリカでも中西部の砂漠地帯で大規模な発電が行われています。風力発電では北欧諸国やオランダが積極的に取り組んでいます。

太陽光発電も風力発電も、発電方法も天候が安定していることが重要となります。雨や曇りの多いところでは太陽光発電は不向きです。風力発電には、常に一定の風が吹き続けていることが大切です。

日本の気候は変化に富んでいるので、地熱発電がいい?

日本は気候が安定していないため、太陽光発電と風力発電に大きな期待を抱くことは難しいのかもしれません。

国立公園の維持管理などについて定めた自然公園法との調整が必要ですが、地熱発電はおおいに期待されます。

地震の恩恵を得た温泉大国日本では、温泉のあるところで地熱発電が行える可能性があります。

また、日本の急峻な河川は水力発電に向いています。降水量も多いため、小規模な水力発電はおおいに利用すべきでしょう。

長野県松本市で実証実験が行われている波田水車は、農業用水に流れる豊富な水量を生 かそうという地元の発案でつくらました。

電力貯蔵技術の開発が重要。二次電池技術に期待

再生可能エネルギーの最大の問題点は、発電量が安定していないので、予定できないという点です。

この問題を解消することができれば、再生可能エネルギーは十分利用可能なエネルギーになり得ます。

そこで注目されるのが、発電した電力を貯蔵する技術。夜間など電力の使用量が少ないときに発電された電力を、使用量の多い日中に使えるよう、貯えておくことができれば、再生可能エネルギーに対する不安はなくなります。

そのために有効と思われるのが、揚水発電(ようすいはつでん)と高性能蓄電池の開発です。

揚水発電とは、山の上と下に貯水池をつくり、夜間の余剰電力で水をくみ上げ、日中は上から下へ水を流して発電しようというものです。日本のような山の多いところではその有効性が期待されています。

高性能蓄電池は、リチウムイオン電池が実用化されています。このリチウムイオン電池を、誰でも気軽に使えるような安価なものにできれば、再生可能エネルギーは急速に普及するはずです。関係企業がその技術開発にしのぎを削っています。