水が循環しているってどういうことでしょう
気象とは大気の動きがつくりだす現象ですが、もう少し詳細に見ますと、気象現象を発生させているのは大気中にある水(水蒸気)の運動によるものなのです。
水はわたしたちの周囲では、湖や河川、地下水、高山で氷河として、あるいは、植物や動物の中にありますが、もっとも大量にあるのは海です。
そのため、水の循環には、海が決定的に重要な役割を果たします。
ちなみに、水が水蒸気に変わることを蒸発といいますが、植物が水蒸気を発散させることを蒸散(じょうさん)といいます。
水蒸気量の90パーセントは蒸発によるものですが、植物による蒸散は10締めています。
大気を循環させる原動力は、水が蒸発して気体となった水蒸気です
海水、特に低緯度地方の海水は浴槽に張られたお湯のようなもので、高い気温のもとで盛んに蒸発して大気の循環を促します。
浴槽にフタをしなければ、浴室の天井やら壁がビッチョビチョになってしまいますね。
蒸発は湖や河川でも起こっていますが、全蒸発量の約86パーセントは海洋で起こっています。
蒸発によって水蒸気という気体となった水は、大気中を上昇していきますが、上空で冷やされることによって、水蒸気が凝縮されてふたたび液体となり、雲を形成します。凝縮する水蒸気が多ければ雲は大きく成長していき、その中で水蒸気同士が激しくぶつかり合い、雨や雪となって地上に戻っていきます。
気象に大きな影響を与える海洋ですが、海洋も大気から大きな影響を受けています。それが風成循環と呼ばれるもので、表層から水深数百メートルを流れる海流は、海面付近で吹く風によりその流れる方向が決まります。
北半球の太平洋では赤道付近で暖められた海水が時計回りに周回し、日本近海まで上がってきます。これが黒潮です。
黒潮がそこで北からの冷たい海水(親潮)とぶつかって東へ進み、北米大陸沿岸で、北から流れるカリフォルニア海流とぶつかることにより、南へ流され、赤道近海へと戻っていきます。