人工降雨とは雨が降らない雲に人工的な氷晶核を散布し雨を降らす試み

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農業にとって水の確保は最重要課題

常に問題となるのは干ばつや水不足です。

そういったこともあり、何とか干ばつや水不足の被害を減らそうと、1950年代から、世界各国で、人工的に雨を降らせる試みが行われています。

雨のもとになる雲があればいいので、原理的には、人工的に雨を降らせることは、難しいことではありません。

過冷却水滴というものが、雲の中にあります。それが凝結できずにいる場合は雨が降りません。そこへ氷晶核を入れてやれば雨が降ります。人工降雨の場合、氷晶核として利用されるのは粉末のヨウ化銀というものです。

このヨウ化銀を大砲で撃ち込んだり、飛行機から雲の中へ散布したりして、過冷却水満を氷晶に成長させると雨を降らすことができます。

人工的に雨を降らせたり、降水量をコントロールできたら、世界中の人は水不足や干ばつを心配しなくてもよくなりますが、残念ながらまだそこまでの技術は発達していません。

もともと雨の少ない地域では、雨のもととなる雲さえ発生しないところがたくさんあります。

また、人工降雨で増やせる雨量は1割程度と、とても少ない量です。

1970年代までは、日本でも盛んに研究や実験が行われましたが、水力発電の比率が低下すると人工降雨に対する関心も薄れていきました。

今のところ、世界でもっとも積極的に人工降雨の研究に取り組んでいるのが中国です。

中国では広い範囲で砂漠化が進行しているため、各地の水不足を解消するために小型ロケットで、ヨウ化銀を打ち上げる方策が行われています。