ロールケーキ雲はオーストラリア北部カーペンタリア湾で見られる

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モーニング・グローリー

オーストラリアの最北部には、赤道に近いパプアニューギニアに向かって突きでているヨーク岬半島があります。その半島の西にカーペンタリア湾があります。

この湾ではある条件が整うと、ロールケーキのような円筒形の雲を見ることができます。この雲をモーニング・グローリーと呼びます。

カーペンタリア湾周辺の気候は、低緯度地方のため暑くて湿潤ですが、4月から11月は乾期で乾燥した東風が吹きます。

しかし、乾期も終盤となる9月に入ると、ヨーク岬半島を越えて湿った東風が吹くことがあります。その東風が前夜から強く吹きだし、湿度が高くなると、翌日の早朝にモーニング・グローリーが現れる可能性が高まります。

東風がヨーク岬を越えてカーペンタリア湾に吹き込むとき、下降気流となったときに、モーニング・グローリーが発生しはじめます。

その下降気流はカーペンタリア湾上で、前夜からの湿った空気とぶつかって上昇気流となり、回転を始めます。

このようにして空気の回転運動が起こり、モーニング・グローリーとなるのです。

そのため、モーニング・グローリーのできる高度はせいぜい2000メートル程度のものですが、長さは1000キロメートルにもなり、それが時速50キロメートルほどの速度で移動していきます。

世界中から多くの人が、モーニング・グローリーを見るために、地元のバークタウンの町に訪れます。

愛好家は、モーニング・グローリーの移動を観察するために、グライダーや軽飛行機を用意し出現に備えたりします。

しかし、モーニング・グローリーの出現確率はあまり高くないので、残念ながら見られずに立ち去る人もたくさんいるそうです。

ヨーロッパやアメリカ、メキシコなどでも、モーニング・グローリーと同じ原理で発生する雲は観察されていますが、その規模と美しさから、カーペンタリア湾のモーニング・グローリーが世界でいちばん見事なのです。