雲のいろいろ
積乱雲の下では、雷が発生し、落雷することもあります。
雷の電圧は、およそ一億ボルトはあります。
100Vで感電すれば、指や腕が焼けるように痛むことがあり、へたをすれば死に至ります。
それが1億ボルトなのですから、想像を絶します。
積乱雲の内部で、比較的大きな氷晶(ひょうしょう)が落下し、上昇気流にのった小さめの氷晶がぶつかりあうことで、静電気が発生します。
そのエネルギーがたまって、地表面との間で、放電する現象が雷です。
雷は強い上昇気流が原因
雷は上昇気流によってできる、積乱雲の中で発生します。
急速に発達している積乱雲の内部では、乱気流が発生しています。
その力が、いろいろな大きさや、温度の異なる氷の粒子がぶつかりあって帯電します。
続いてプラスに帯電していた小さな粒子が、積乱雲の上の方に、また、マイナス帯電した大きな粒子が、下の方に集まってきます。
すると、地表面が誘電作用によって、プラスに帯電します。
その蓄積された電気エネルギーが、地表と積乱雲の間に、放出される現象が落雷です。
雷が発生すると、一億ボルトの電圧といった、とてつもないエネルギーと、激しい雨を伴うことが多いです。
雷は、原因となる上昇気流のでき方によって、四つの種類があります。
熱雷
強い日射によって暖められた、地表付近の空気が、上昇気流となって、発生するのが熱雷です。
風が弱く、蒸し暑い日に発生しやすく、山岳部では、地形の影響により、部分的に強い上昇気流ができやすいため、平野部より発生する確率は高いです。
また、上空に寒気があり、大気の状態が不安定になっていると、発生しやすくなります。
界雷(前線雷)
界雷は、寒冷前線の近くで発生することから、前線雷とも呼ばれます。
寒気が暖気を押し上げて、上昇気流を起こすために発生する雷です。
寒気と暖気の温度差が大きいほど、強い雷が発生します。
不安定雷(転倒雷)
不安定雷は、上空に入ってきた寒気が、下層になる暖気と入れ替わろうとするために、上昇気流が発生しておこる雷です。
寒気が通り過ぎるまで、三日ほどかかり、その間は、雷が発生しやすいため、俗に雷三日ともいわれます。
渦雷
渦雷は、発達した低気圧や台風による、上昇気流で発生する雷です。
低気圧雷とも呼ばれます。
雷が発生したら、早めの適切な避難が大切
雷による被害を防ぐには、早めの避難がなによりも大切です。
雷雲が発生しそうであれば、素早く、建物や自動車の中に避難しましょう。
やむをえず、野外で避難するときは、くぼんだ場所に、できるだけ姿勢を低くしておくのが鉄則です。
高さ四メートル以上の樹木の幹から、二メートル以上離れた場所や、送電線の下は比較的安全とされています。