天候と季節の変化 – 春一番は日本海低気圧が呼び込む

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春一番が吹くころ

春の天気は、めまぐるしく変わりますが、その先駆けといえるのが立春です。2月4日ころ以降に、強い風が吹く春一番です。

春一番は、春の到来を告げる風と認識されています。かつて漁師の間では、海難の危険がある、注意すべき風といわれたことから、春一または春一番と呼ばれていたものが、気象用語として定着したものです。

【春一番の気象業務法施行令の定義】

立春から春分までの間に、低気圧が日本海で発達し、その年になって初めて、毎秒8m以上の、強い南寄りの風が吹き、気温が上昇する現象。

春一番の原因は、日本海上で急速に発達した低気圧です。

その中心に向かって、太平洋上の暖かい空気が吹き込むため、気温が上昇し、日本海側では、フェーン現象が発生します。

春の予感を抱かせる風ですが、山岳地帯での雪崩や、海難による遭難などの災害をもたらすことがありますので、注意が必要です。

春一番の荒れた天気は、1回では終わりません。

日本海低気圧は、2月から3月にかけて、何度も日本付近を通過し、そのたびに、大荒れの天気をもたらします。

急速に発達した日本海低気圧は、たいへんはっきりとした、寒冷前線をともなっていることが多く、前線付近では、積乱雲の発達によって、竜巻や春雷(雷)が発生したり、雪を降らせたりすることもあります。

低気圧から遠い地域でも、長く南西方向にのびた、前線が通過するときには、注意が必要です。

このように、北寄りの風から、南寄りの風へと、向きが変わる春先には、天気が荒れる日が多く、その直後から天気が春めいてくるわけではありません。

強い南風が吹いた翌日には、冬型の気圧配置となるため、再び冷え込む、寒の戻りがあることも、少なくありません。

季節風の風向きなど、気温とともに不安定で、変わりやすいのが、この時期の特徴です。

春一番は、こうした季節の移行期に入ったことを知らせる、最初の天気現象なのです。